マスキンダ王国
モスが暮らしていた森モスグリーンを後にし、マスキンダ王国に入った。
森を抜けた先にある小さな村に入り、久しぶりのベッドで休んだ。
カイトはモスの成長が楽しく、村に入ってもすぐに出かけ、近くの山で鍛練に励んだ。この山に盗賊が最近棲みついているらしく、討伐も兼ねての鍛練だ。
今更盗賊如きに遅れは取らないと他のメンバーは飲みに行ったり、村の人の相談にのったり、部屋にこもってアントと話したりとそれぞれが自由な時間を過ごした。
(カイト)
「モス、コレから盗賊という悪い奴を狩りに行くけど、そこに捕らわれている人もいるかもしれない。どうやって見分ける?」
(モス)
「ぶき、もってる。狩る。もってない。狩らない。」
(カイト)
「よしよし、すごいな!いいぞ。狩る時は左と右で異なる属性を付与してみような」
(モス)
「はい」
カイト達は盗賊の拠点らしき場所に到着
遠くから様子を伺う。
カイトは検知魔法を展開
拠点の中は3階層になっていて、最下層に捕まっている人が4人程いる。
2階にはそれぞれ部屋のようになっており、10程の部屋がある。
1階部は入り口から入ってすぐに大きい部屋、その周りに四つほどの比較的大きい部屋がある。その一つは金庫のようになっているらしく、魔素妨害がかけられている。
カイトはモスだけに討伐させてみようと思っている。
モスに細かい指示を出していく。
拠点の入り口に見張りらしき魔物がうろつく。サイズは小さいが、シャドウビーが10匹、ポイズンスネークが2匹交代で警戒している。コイツらは隷属化されている証の紋様がある。
シャドウビーはお尻の針で麻痺毒を注入して麻痺させる。上級者になれば強さによるが麻痺毒を瞬間的に解毒するので脅威はないが、中級者以下ぐらいでは気が付かない内に麻痺してしまう。
ポイズンスネークはその名の通り神経毒や壊死毒など、多種多様の毒を注入しその命を奪う。解毒にはその毒に合わせた血清が必要で、上級者でも油断はできない。
モスにはその全ての魔物を瞬殺するように言った。今回はスピード重視!
モスはポイズンスネークに近づき、ポイズンスネークもモスを左右から挟む。その周りをシャドウビーが上空から囲む。一見するとピンチに見える。
花火かと思うほどシャドウビーは一瞬で炎に包まれ、ポイズンスネークは縦に五切れとなった。
焦げたビーと5枚におろされたスネークを美味しそうに食べるモスの成長スピードに驚くカイトだった。
モスは毒耐性と麻痺耐性を得たようだった。
(カイト)
「モスを最強にするには、全ての状態異常耐性と属性耐性、物理攻撃耐性は欲しいところだな。レッドキングカブトのおかげで火耐性と火属性を得たし、プレートキングクワガタのおかげで鋼鉄の様な身体も得た。今回で麻痺と毒耐性が得られたのはラッキーだな。次は人を狩るぞ。準備はいいか?」
モスは小さく頷き、中に潜入していく。
出会う盗賊は心臓を一突きされ、何が起きたかわからないままモスに咀嚼されていく。
モスが通った後には盗賊達が来ていた服や防具、武器だけが残っていた。
盗賊の金庫にはかなりのお金が蓄えられていた。全て回収し最下層の人を救出した。
幸いな事に地下にいた人は強姦や拷問される事なく、綺麗な状態だった。
人数は全部で四人
四人とも保護し、捕まる前に持っていた武器も倉庫に保管されていたため、それも把握した。
ナタリア 女性 18歳
レイピア(至高の焔付与)ナタリア専用
タリナイ 男性 27歳
大剣(土属性付与)耐久性自動回復付
ゴンザレス 男性 31歳
長剣(雷属性付与)麻痺自動付与付
マル 女性 21歳
浴水の杖(水属性付与)回復速度増加付
村に戻り、盗賊達が蓄えていたお金は全てこの村人にあげた。
保護した四人からは情報を得られなかった。何故なら頑なに口を開かないからだ。カイトはなんとなく、あまり関わらない方が良い予感がしたため、深く追求することはなく、その姿にラークスのメンバーも追求しなかった。
次の日にラークスは村を出発
保護した四人は迎えの人が来るらしく村に残した。
カイト達はマスキンダ王国の首都ブランドに向い、冒険者ギルドで情報収集、それから北に向かい、セントラル中立国との間に聳える大きな鉱山の何処かにドワーフの町の適地を探す予定だ。
リンはその大きな鉱山の調査にブラックアントを使った。何度も試してみないと実践で役立つかわからないからだ。
ちなみに今までも簡単な調査や情報収集をしているが、上手く行った事はない。
村を出発してから2日ほどたった道中で、大規模な騎士団と遭遇した。
この騎士団には2人ほど強者がいて、アリスとリュートはウズウズしていたが、余計な問題にならない様に我慢させた。
ちなみにマグとシロも闘いたいオーラを出していたが。
従獣は飼い主に似るのかな⁉︎
騎士団との遭遇から1日たった頃、左右を大きな山で挟まれた隘路にさしかかった。この山には植物が少なく、岩が剥き出しで聳えている。
魔物の気配は多く、ホース、シカ、ベアーなどの他に、ウサッピーやボアも多い。肉食獣としてはローウルフがいて、おそらくこの山の頂点にいるのだろう。
襲って来る気配もないため、素通りしようとするとモスは狩りがしたいと駄々っ子になる。
(カイト)
「モス⁉︎どうして狩りがしたいんだ?」
(モス)
「もっと強くなる!」
(カイト)
「強くなってどうする?」
(モス)
「強くなって、⁉︎…どうしたいのかわからない」
(カイト)
「それじゃ質問を変えるぞ!モスが歩いていて、見ず知らずのやつがいきなり襲って来たらどうする?」
(モス)
「闘う!」
(カイト)
「だよな。それでモスの大事な人が死んだらどう思う?」
(モス)
「復讐する」
(カイト)
「わかったか?強さを求めるのはいいけど、無闇に他の者を殺せば、その者達の知り合いから恨まれる。生きていく為ならしょうがないけど、それ以外の殺生はダメだぞ。」
(モス)
「とうぞくは?」
(カイト)
「アイツらは悪いことしているから、困っている人達が多い。だから悪い事してるヤツは狩っていい。」
(サーシャ)
「モス⁉︎カイトがいう事は難しいでしょ⁉︎殺していいもダメもカイトに聞く事!カイトが許可したら思いっきりやってよし!ダメって言われたら絶対やってはダメ!わかった?」
(モス)
「わかった」
モスは理解も早い。善悪のつけ方や多角的な視点はまだまだこれからだが、ダメって言われたらダメだと理解する。
隘路を抜ける時、白い身体に立髪が黒い2頭のホースが怪我をして道に倒れている。必死に起きあがろうとしているが、脚を怪我している為、なかなか起き上がれない。
脚の傷は何か矢の様な物で貫かれ、血が滴り落ちている。
アリスは助けてあげようと提案した。
回復魔法で傷を治し、この2頭は恩を返す為に一緒に旅に同行したいと申し出る。
みんなで相談した結果、一緒に連れて行くことにした。ついでにブランドで馬車の荷台を購入して、馬車で移動する事にした。この2頭はヒューホースといってとにかく荷台を引く事が好きな種族で、野生のヒューホースは珍しい。
ヒューホースは風属性で、風を纏っての移動は普通の馬車の倍くらいのスピード
立髪にオレンジ色のストライプが特徴のホースはバン
立髪にマーブル色のストライプが特徴のホースはキャラ
と名付けた。
サーシャにとても懐いていたので面倒はサーシャがする事になった。
ブランドには特に問題なく入る事ができ、冒険者ギルドでギルドマスターのドランと意見交換をした。
ドランは他国であってもSSランクとパイプができとても喜んでいた。
ドランは馬車の荷台を購入するならと、商業者ギルドの道具屋ナッチを紹介してくれた。
ドランに紹介された宿はとても高級そうな宿で、初めは9部屋準備しそうだった。カイトは一人部屋、アリスとマグで一部屋、リュートとシロで一部屋、サーシャとライで一部屋、リンとカー子で一部屋と全部で五部屋となり、料金は一泊100万⁉︎だった。
翌日には道具屋のナッチを訪ね、キャラとバンの採寸と荷台部分の設計を打ち合わせした。
煌びやかな装飾は一切なく、機能美を追求する。車輪部分にはアイアンバッファローの内臓を使用、荷台との間に衝撃を吸収するショックロックを使う。荷台の中は左右に大きなソファを配置、大人が全員座ると16人まで座れる大きさにした。その間にテーブルを配置するが、動かないように、また、衝撃や揺れでコップなどが動かない様に脚の部分にショックロックをふんだんに使う。
完成までには2週間から一月かかるらしい。そして、金額は八千万!
それから防具屋でキャラとバンの鎧も発注した。
軽くて動きやすく、防御力が高いオリジナル防具にした。特に脚周りは攻撃を反射させるリフレクターを使う。
こちらも完成まで一月、金額は五千万!
大きな買い物になったが、資金面は大丈夫だった。
この日の宿は安めの所にした。一泊一万で全員同じ部屋
2日の準備期間を設け、三日後に北の鉱山に向け出発する予定とした。
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