第五話・奴隷商人
儚夢姫「はい。ようやく旅的な旅に」
儚夢姫「にしても……ネタがありませんね」
儚夢姫「……シロクロと相談しましょうか」
儚夢姫「何を……そうだ。能力の解説でもしましょうか」
儚夢姫「えーと。フィアのの能力である『神の創造物』を」
儚夢姫「表は設定で。なので隠し能力を」
儚夢姫「地面に触れる事で作った物をトラップとして扱う事は勿論、何も無い所から素材として認識してる物の元の状態を生み出す事も出来る」
儚夢姫「はい。チートですね……」
儚夢姫「それに力加減も絶妙的で本当に彼女は私に着いてきて良いのか……」
儚夢姫「そんなこんなではい。本編ですね」
儚夢姫「どうぞ!」
話しつつ、歩くと
「来るなぁ!」
そう言って馬車が思いっきり速度を出して使ってくる。その後ろには……
「魔物型……ゴブリンだね……それも……数十体……」
フィアは冷静に分析していた。てか、あの人なら勝てるでしょ……
まぁ……私は「崩絶眼」を使ってゴブリンを崩壊させた。でも
「退いてくれ!」
馬は暴れたまま暴走していた。フィアは指を鳴らすとどこからともなく紐を出現させて引っ掛けて止めた
この子は……そのまま馬は倒れて馬車は崩壊すると思ったらフィアが片手で止めていた
「た、助かった……ありがとう……」
そう言って後ろの方に回っていた。私達はそのままゴブリンの跡地に
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『ゴブリン』……低級魔物。価値無しだが討伐必須対象
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散々が言われよう……
取り敢えず使えそうなのを回収……
「フィア!。これは?」
一本の剣をフィアに渡すとフィアは
「……有り得ないが……多分……いや……持っておいて……多分……ね?……」
私は受け取ると鞄にしまい込んで男の方に。モノを見てたが、目を見開いた
「……奴隷商人……いや……犯罪奴隷を……扱ってる?……」
そうフィアが聞くと男性は深々と頭を下げて
「その通りです。助けていただき有難うございます。それにしても……衝撃も与えずに止めるなんて……」
フィアは馬車を止めたがそれは衝撃を与えずに止めていた。よく分からない原理だが……フィアだから出来るんだろう……
「奴隷なら……」
フィアに聞くと頷いていた。私は男性に聞くと
「それでしたら……この先の街までご一緒に。きっと目当ての奴隷が見つかります」
そう言って奴隷と同じ場所に入った。内装は思った以上に綺麗で
「奴隷を人間として扱ってるの?」
男性は頷いて
「犯罪を犯しても扱いは丁寧ですよ。それに私は他の商人とは違って、犯罪であってもしっかりと人間として扱いますよ」
そう言って微笑んでいた。フィアに聞くと珍しい事で信用は出来るとの事
暫くは馬車に揺られながら奴隷達と会話していた。奴隷達も生き生きとしていて、私は益々期待が持てた
やがて
「もうすぐ着きます」
そう言って何かを話してる声が聞こえた後にまた馬車が揺れる。賑やかな声が聞こえてきて
「着きました。どうぞ。奴隷の皆さんも此方へ」
降りると目の前には大きな建物が。中に入ると首輪をした奴隷が出迎えていて
「売れ残ってもこうして希望があれば働かせるか、勉強の為に教えるかをしてますね。奴隷一人一人に相部屋だけど部屋もちゃんと用意してます」
私が思っていた奴隷の想像が崩れていった。見ているとボロボロの布では無くしっかりとした服装
何か予想外過ぎた……
「犯罪奴隷も訳あってそうなる……私はそう思ってこうしてるので。信用出来ないのは分かります」
私が思っていた事が分かっていたのが勝手に答えてくれた
私達は部屋に通されて
「大抵は希望が通りますけど……何か有ります?」
私はフィアと目を合わせて
「……珍しい……種族の……高値……くらい?……」
男性……名前はクルスタらしい。その人が考え込んでから紙をペラペラとめくって
「一人居ますね……ですが……いえ。連れてきます」
そう言って呼び鈴?を鳴らすと首輪をした奴隷……メイド!?が入ってきて
「この子を。扱いは丁寧にですよ」
そういうと
「はい」
そう言って紙に目を通してから部屋を出ていった
「意外ですか?」
私は頷いた
「どうも……奴隷商人のイメージとは違いすぎて……なんと言うか……言っては何ですけど道具として見る印象の方が強いです」
クルスタさんは目を見開いてから微笑み笑って
「確かにそのイメージであってますね。良い目を持ってらっしゃる。どうですか?」
私は目を見開いた。分かっていたんだと。私は少しだけ
「すみません。奴隷全員を見てしまって……何と言うか……健康的で何も制限を掛けてないで……何と言うか、皆さん活き活きしてますね」
彼は頷いて
「貴女の持つ奴隷商人のイメージは私にとっては憎らしいですね。人を物として扱うのは抵抗がありましてね。それに……あんなにも疲弊していたらそりゃ……言い方を奴隷商人風に言いますと使い物にならなくなるのは当たり前ですよ。人として考えたら分かることです。私が……言い方が酷くなりますが、売った奴隷達は今も元気に働いてますよ。それに何名かは奴隷から解放されてもそこで真っ当に働いてますしね」
そう言って微笑んでいた。フィアを見ると頷いていた。全て本当みたい
「その子は……いえ、詮索はしないでおきましょう。お互いの為ですしね。他にも希望は有りますか?」
私の方を見て言ってきた。フィアを見ると頷いたから
「なら……私みたいに追放された奴隷を。希望は……一番酷い状態で能力も何も持ってない子」
私は『黒い水』を置くとクルスタさんは目を見開いていた
「久しぶりに見ましたよ。何処でとは聞かないですが……少し変質してますね」
私は頷いた。そこでこの『黒い水』の効果を説明した
クルスタさんは少しだけ考え込むと
「あまりオススメはしないですが……貴女が実際に試してるのでしたら……分かりました。ですが時間を。命の危険も伴いますし……何より……」
私は頷いたら彼はそこから何も言わなかった
つまりはそれ程の覚悟が必要で彼にとっての仁義に違反するから
「待ちますし……この街に暫くは滞在します」
フィアは頷いていた
「でしたら、宿を紹介しましょう。助けてくれたお礼です」
そう言って紙に何かを書くと渡してきた
フィアは目を見開いていて
「……国専属の……奴隷商人……」
彼は頬を指でかきながら
「えぇ。お恥ずかしながら。あまり嬉しくはないですが国王様が私を認めて下さりこうして……」
その時にノックが鳴り響く。クルスタさんは返事をした
扉が開くと先程のメイドの奴隷と黒髪のワンピースを着た少女が入ってきた
儚夢姫「はい。やはりフィアはチートですね」
儚夢姫「それと目的がまさかの奴隷商人で直ぐに」
儚夢姫「それも良識的な奴隷商人で、奴隷商人の中では珍しい奴隷を人間として扱う。裏話では彼は異端だが、国が認めた為に奴隷商人の中では結構嫌われてる」
儚夢姫「後は……どうなるかですね」
儚夢姫「では、次の話で」
儚夢姫「またね!」