第二話・ベヒモス
「はい。私は色々とやらかしてますね……」
「取り敢えず……無い能力から『黒い水』の力で能力手に入れたし……何よりも魔物みたいなのに襲われて死にかけるしで……」
「酷い目にしかあってないね……」
「取り敢えず……その続きとして本編」
「どうぞ!」
取り敢えずはボロボロの服を脱ぎ捨てて、目の前の『黒い水』で水浴びに……
他に水が無いから仕方が無い……
黒い水なのに……よく分からない。取り敢えずは今日は終わろう……疲れたから
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目を開けると裸のまま寝ていた……と言うよりかは『黒い水』の中で半分だけ漬かって眠っていた。それにしては皮膚とかは普通でふやけてなかった
多分これもこの水のせいだと思う。適応はやはりしてるみたいで普通に生きている
起き上がろうと思ったら違和感に気がついた。長く伸びた白と黒の漆黒と白銀の髪が目に入った。勿論辿ると私の髪で
「えっ?」
驚いた。引っ張ると勿論痛いから私の地毛になる。水面を見ると黒いけどしっかりと私の顔が見えた
驚いたのは白と黒のオッドアイになっていてその奥には魔法陣がうっすらと見えていた
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『魔法眼』……彼岸刹那姫が使用する為の魔法陣で、見る以外の能力は使用出来ないが見る能力に関しては無制限に使用が可能
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目を見開いた。見る以外を犠牲にしたから見るに特化した能力に。それに……
「増えてる……」
改めて確認すると
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『彼岸眼』……相手を直視したのみに相手の死を見る事が出来る
『幻想眼』……見えない物を見る事が出来る
『崩絶眼』……見た対象物のみを崩壊させる事が出来る
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が新たに追加されていた。そしてよく分からないが
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『秘眼』……発現した見る能力の総称。彼岸儚夢姫のみの能力
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纏められた。本当に何これ?
無能扱いになったけど此処に飛ばされて良かったと思った。死にかけたけど……
それにしても見る能力にしては強過ぎない?
取り敢えずは『黒い水』から出た。髪は地面ギリギリまで伸びていて、黒い紋様が全身に広がっていた
「……最悪」
そう思いつつも、『封絶眼』のお陰で痛みは無いから特には問題無かった。『創造眼』でタオルを出しつつ体を拭く
取り敢えず……『創造眼』で昔に見た着てみたい服を創る事にした
黒のレイヤードパフュームスカートと言う服に黒の肩出しシャツを着た。そして黒のフード付きロングコートを羽織った
「うん」
クルクルと回って動きやすさを確認した。見た目の割には動きやすかった
再び『黒い水』の傍に。『黒い水』に触れて
「依存性が高いね……すっかり私も魅了されたよ」
この『黒い水』のお陰で私は生きれたから。『創造眼』で瓶を作って組めるだけ汲んでから鞄の中に。必要な物は『創造眼』で何とかなるし……後は周囲にあるお金になりそうなモノを探す事だけ
色々あったけど珍しいのか分からないから適当に拾い
「こっちかな?」
穴があった場所へと向かう
暫く歩くが何も無いから何かを拾いつつ進んでいく。上がってるのか分からないのか取り敢えずは進む事にした
真っ暗だったが幸いに眼が良いのか見える。そのまま進んでいくとやがて
「広い……」
広い洞窟に当たった。そこで私は口元を吊り上げた
目の前には私を襲ったあの化け物が立っていたのだから
私を認識すると向かってる。私はそれを認識して即座に行動に移した
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『ベヒモス』……狼型の魔物。素早い攻撃と鋭い爪が特徴。ランクS
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困惑した。躱したが腕に切り傷が出来ていて、やはり躱しきれなかったみたい
そのまま目で『破絶眼』で全てを破壊しようとしたら
「はっ!?」
一部しか破壊されなかった。困惑してもう一回発動させるが
「だから……嫌なの!」
また一部しか破壊されなかった。本当に意味が分からなかった。耐性かと思ったけど……そう言うのが無かったし
兎に角躱して隙を見る事にした。一部しか破壊されないのなら……無意味だから
だから、『崩絶眼』を発動させるが、同じだった。そしてその意味が分かった
それをも上回る回復速度で回復していた。だから一部しか破壊や崩壊しかしなかった
これ……勝てるの?。でも……
「やるしかないよね?」
反転して私はベヒモスの元へ向かう。無いなら……限界までするしか無い
『奪取眼』で回復力を奪った。更に念の為に『呪絶眼』と『封絶眼』を使って封じるとベヒモスはバランスを崩した
私はそれを見て飛び上がり、空中で体をひねりながら全体を見るようにして『崩絶眼』と『破絶眼』を発動させた
「やったか?」
土煙が上がる。『破絶』の影響だと思う。取り敢えずは警戒してると
「は?」
黒い影が動くのが見える。そして向かってくる。ゆっくりと
土煙が晴れるとベヒモスは無傷で立っていた。それも全てを無効にした上で
私は苦笑いして
「嘘だろ……」
そう呟くしかなった。逃げる事も考えたが多分……逃がしてくれない
私は息を整えて走り出そうとしたら
『ガゥ……』
伏せをしていた。慌てて私は立ち止まるが勢いをつけすぎてそのままバランスを崩してベヒモスの前まで倒れ込む
見るとベヒモスが私を見ていた。敵意が無いのがすぐ分かった
取り敢えず……私は立ち上がりベヒモスの前に立つ
「はい。私の名前が判明したのと新しい能力が増えましたね」
「彼岸儚夢姫が私の名前です」
儚夢姫「魔物の正体が……Sランクのベヒモスて……勝てるの?。でも伏せていたから……」
儚夢姫「兎に角……次の話でようやくベヒモスが分かりますね」
儚夢姫「それじゃ……またね?。これでいいのかな?」
儚夢姫「あっ、またね!」