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86話 馬車の御者

 

 念願の米を炊いて、白米をたらふく食べた俺は、満足して家でゆっくりとしていると、エルザとエレナが俺の前にやってきた。


「ユーキ様、少しよろしいでしょうか?」


「あぁ、どうした?」


 エルザから、パーティーの借金が300万リルあった事、支払い出来ない事、奴隷落ちする事になる事、ついてはエレナの面倒をみて貰えないかと言う相談だった。


「姉さん!駄目よ!私も一緒に奴隷に落ちるわ!」


「エレナ!2人共奴隷に落ちる必要はないわ。私1人で十分よ。」


 どうやら、借金の返済が出来ない事は確定の様で奴隷落ちも確定だが2人で落ちて早く解放されるか、1人だけ落ちるかでもめているようだ。


「ちょっといいか?」


 言い争っていた2人が静かになる。


「2人共、うちに奴隷としてくるか?」


「えっ!??」


「借金は2人で300万だろ?今回は奴隷商等の中抜きはないから、解放条件は購入費用=借金金額の2倍としてCランク冒険者奴隷なら15万/月×2人=30万で20か月で支払完了だ。」


「でも、その条件だとユーキ様の利益がありませんし、ユーキ様のパーティーにはメイ様がお入りになられたから十分なのでは?」


「あぁ、幸いにも資金には余裕があるし、そんな高額な買い物をする予定もない。例えばエルザ達を20か月で解放したとしても600万リル戻ってきて20か月2人は実質タダ働きだろ?十分利益だよ。確かに、俺のパーティーメンバーはメイが入る事によってとりあえず十分だと思う。ただな、明日馬車を購入するだろ?その馬車の御者がいなくてさ、エルザとエレナに御者とか馬車の管理をしてもらえると助かるんだ。ある程度の強さがあると安心だし。エルザとエレナなら十分だろ?」


 エレナが俺の言葉を聞くと、


「ユーキ様!私は馬車の操作については自信があります!前のパーティーの時も馬車を借りて移動する時は、私が操作しておりました。是非やらせて頂けませんか!」


 うん、知っている。

 スキル見たからな。


 一方、エルザは冷静に、


「そのお申し出は、私達にとっては渡りに船ですが、本当によろしいのでしょうか?」


「うん。いいよ。」


 俺があっさり言ったもんだから、エルザはポカーンと口を開けて固まっていた。

 エレナがエルザを叩いて喜んでいると、ようやくエルザも状況を理解し、笑顔を見せた。


「「御主人様、ありがとうございます。これからよろしくお願いします。」」


 流石双子、息ぴったりに挨拶をしてきた。


 明日、奴隷商に行って奴隷契約をしようという話をしてそれぞれの部屋で眠りについた。


 俺の隣には、今日はユリが来ている。


 翌朝起きると、エルザとエレナが朝早くから家の掃除をしていた。

 少しでもお役に立ちたいとの事だったので、折角なのでお願いして、掃除が終了次第サナの作った朝食を食べ、片付けてから道具屋へ行った。


 エルザやエレナの寝袋等の必需品を購入するためだ。

 それから、冒険者ギルドへ行って借金の300万リルを返済し、奴隷商に行ってから奴隷契約料10万リルを支払い奴隷契約を行った。


 名前 エルザ

 年齢 18才

 種族 人族

 職業 戦闘奴隷/(ユーキ)

 購入費用 150万リル

 賃金 15万リル/月

 解放条件 300万リル

 主人のスキルに関する情報の漏洩制限等


 名前 エレナ

 年齢 18才

 種族 人族

 職業 戦闘奴隷/(ユーキ)

 購入費用 150万リル

 賃金 15万リル/月

 解放条件 300万リル

 主人のスキルに関する情報の漏洩制限等


 それから、ミルコ工房に行くと既にミルコとメイが店の外で待っていた。


 メイの装備を俺に確認させるために、メイはフル装備済だ。


 名前 メイ

 武器 鋼の大槌

 盾 

 腰 鋼の短槍

 背中 鋼の大盾 

 頭 鋼のヘルム

 鎧 鋼のフルアーマー

 マント リザートマン革マント

 籠手 鋼の籠手盾

 靴 鋼のブーツ


「今のこいつじゃぁ、この装備を付けて動き回るのはかなり無理があるが、少し成長すれば問題なく動ける様になるだろうよ。それから、左の籠手にはスモールシールドが付いているから、普段は大槌を持って移動していても、敵が来ればとりあえず籠手シールドで急場は凌げるだろう。強敵なら背中の大盾を籠手のスモールシールドに填めて両手で守る感じだろうな。腰の短槍は大盾の内側に装着できるから、大盾装備の時に隙を見て少し攻撃出来る位だ。」


 なんか、色々あるな…。


「これ装備を更新した場合は、同じ仕様に出来ますか?」


「そりゃぁ儂じゃないと無理だろうさ!!」


 ガハハハと笑うミルコに、苦笑いで返しつつ、また来いって事だなと理解した。


「まぁ籠手と大盾は、次のレベルの装備も実は用意しとるんじゃ。」


 とミルコが言うと、店の奥から取り出してきた。


『ミスリルの大盾(メイ仕様)』

『ミスリルの籠手盾(メイ仕様)』


 儂は武器職人じゃからとか言いながら、このレベルと所謂オーダーメイドまで作るミルコ…。

 どんだけなんだよ。


 費用については、はじめの装備が440万リル。

 ミスリルの大盾と籠手盾については、大盾が1000万リルで籠手盾は300万リルとの事だった。


 ミスリルは武器の方が高いのかな…?


 ミルコに聞いてみると、籠手盾にはミスリルの使用量が少なく、大盾は加工費用が安いとの事。

 武器は、純粋な使用量も多く加工費も高額になりがちだとか。

 それから、あくまでミルコは武器職人であるため、防具の加工費は安くなるとかなんとか。

 もう1つ、メイの装備だからってのもあるんだろう。

 大盾と籠手盾は、後日取りに来てもいいぞって言っていたが、折角なので、購入する事にした。


 メイが、俺に対して深々とお礼をしていたが、気にするなと言い、


「この2人の装備も見繕ってほしいんですが、頼めますか?」


 エルザとエレナの装備についても相談した。


「なんじゃ、また奴隷が増えたのか!お主やりおるのぉ。」


 ミルコが軽口を叩きながら2人の体を確認しはじめた。

 2人共、防具は軽革系が良いとの事でミルコもそれが良いじゃろうとの事だったので、町の防具屋で揃える事にして、武器はミルコに選んでもらった。


 エルザはライトソードをメインに鉄の剣を予備として腰に差し、エレナは結局俺が腰に差していた鋼の短剣をメインに置き投擲用に短剣を5本程腰に差した。


 結局、ミルコ工房では合計1758万リルだが、メイがミルコに負させて1700万リルを白金貨17枚で支払った。


 メイのミスリル装備は、まだ使いこなせないのでとりあえず俺のアイテムボックスに入れておいた。


 メイには着替えてから厩に来るように伝え、町の防具屋でエルザとエレナの防具を38万リルを金貨38枚で支払ってから、厩に移動した。


 エルザとエレナは、ようやく武器や防具を装備する事が出来て喜んでいた。


「御者の私達にも装備品を頂きありがとうございます。」


 名前 エルザ

 武器 ライトソード

 盾 鉄の盾

 腰 鉄の剣

 頭 バンダナ

 鎧 軽革鎧

 マント 軽革マント

 籠手 軽革籠手

 靴 軽革靴


 名前 エレナ

 武器 鋼の短剣

 盾 

 腰 短剣×5

 頭 バンダナ

 鎧 軽革鎧

 マント 軽革マント

 籠手 軽革籠手

 靴 軽革靴


 厩に到着すると、俺が厩の主人と引き渡しについて話をしている間に、エレナは早速馬車に行き、馬を含めて確認していた。


 馬車代である1500万リルを白金貨15枚で支払い、メイと合流した。


 ミルコは見送りには来なかったが、しっかりと別れはしてきたんだろう。

 メイに迷いは見られなかった。


 ふと、馬車を見るとエレナが自由自在に馬車を操縦していた。


 厩で干し草を購入してから、馬車に乗り込む。


 購入した馬車の最大積載量は、440㎏。

 俺とユリとサナとレイとメイと小太郎で約260㎏。

 エルザとエレナで約100㎏なので、合計でも360㎏。


 ここにフェイクの樽や干し草を載せて+10㎏。

 更に変えの大馬が1頭いるので、途中途中で引馬を交代する事が出来る。

 問題なさそうだ。


 そういえば、次の行き先だけど…。


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