7話 岩塩の村「フール」
結局あのあと、ホーンラビット4体とグリーンフロッグ3体が出たんだが、小太郎が事前に気づくためキルスの警戒は出番がなく、4人でしっかり倒してすすんだ。
俺は、ホーンラビット2体とグリーンフロッグ1体を倒した。
それらは全て、ガロンが解体していってくれた。
「レベルがあがりました。」
どうやら、レベル4になったようだ。
今の所、アイテムボックスにはこれだけ入っている。
魔物
ホーンラビット×4
ホワイトスネーク×3
素材
ホーンラビット肉25kg
ホーンラビットの毛皮×2
グリーンフロッグ肉10kg
道具
木の棒×5
木片×40
ホーンラビットの角
調味料
精製塩
胡椒
夕方になる前に『フール』に到着した。
小さな村では、入村に税金は掛からないらしいが、町になると門番がおり、入町税がかかるらしい。
50人程度の小さな村だと思っていたが、意外と栄えているようだ。
一行は、馬車を村の入口に止め、宿を取りに向かった。
『フールの塩宿』
「いらっしゃいませ♪」
20代の肉付きの良い元気な女性が声をかけてきた。
「あら~、リグルドさんじゃないの。また、岩塩を買い付けにきたの?」
「こんにちは、フランさん。今日も岩塩を買い付けに来ましたので、3部屋取れますか?」
リグルド、俺の1人部屋、ガロン達の3人部屋のようだ。
アルトは相部屋で良いみたいだ。
いいなぁ…。
「さて、取り敢えず明日の朝、商人ギルドに行ってから岩塩の買い付け交渉を行います。岩塩の買い付けに3日、積込に2日かかります。出発は5日後です。」
部屋に案内された後、リグルドが今後の村でのスケジュールを説明してくれた。
俺は今から3日後まで自由行動だそうだ。
「それから、ユーキさん改めて契約と報酬の話しをしておきましょう。」
そう言ってリグルドは話し始めた。
岩塩の買い付けは、100kg=100万リル
売値は100kg=200万リル
利益=100万リル
「そこから、護衛料、移動中の食事代、馬車の維持費がかかりますが、既に私の方で用意できております。また、ユーキさんに一部護衛として働いてもらう事と食事を手伝って貰うことで相殺とします。ですので、単純な利益の50%の50万リルでいかがでしょうか?」
岩塩を積んだあとの馬車での移動は徒歩となるようだが、当然だろう。
人が乗る分を荷物を積んだ方が金になるからな。
さらに、村での滞在費及び食事等は自己負担となるとの事。
「承知しました。それでお願いします。ひとつお願いがあるのですが、知っての通り、私は現在お金を持っていません。出来れば一部前払いとして貰えませんか?」
「それはそうでしょう。では、半額の25万リルを前払いとして、全体の1割である5万リルを利子として頂く形で、最後に20万リルの支払いでいかがですか?」
リグルドは若いが中々しっかりしているようだ。
「助かります。それでお願いします。」
「では、交渉成立でよろしいですか?」
「はい。」
「では、これをどうぞ。」
リグルドから金貨25枚を渡して貰うと、早速宿代を支払いにいく。
「1人部屋は1泊2食で3000リルですので、5日分で15000リルとなります。それから、桶一杯のお湯は500リルになりますが、庭の井戸はご自由にお使いください。」
どうやら、お風呂はないらしい。まぁ、外は暖かいし、とりあえず井戸水でいいかな。
金貨2枚を支払うとお釣の銀貨5枚を受けとる。
さてと、夕食まで少し時間もあるし、
「ガロンさん少し良いですか?今日から3日間、時間が出来たので少しでも稼ぎたいのです。この村で稼げる方法が何かありませんか?」
ガロンは暫く考えると、
「手っ取り早くなら、魔物を狩って解体して肉や素材として売る事だろうな。肉は食事処や宿で買い取ってくれるだろう。」
本来は冒険者ギルドを通した方が高くなるが、この村には冒険者ギルドはないからしょうがなく、解体も冒険者ギルドならしてくれるが、この村に解体できる人がいるかはわからなく、素材については、この村に必要ないものなら売れないだろうとの事だった。
俺のアイテムボックスは、時間経過しないので、肉が安くしか売れないなら、持っていてもいいな。
「ガロンさん、お金は払いますので、解体はしてもらえますか?」
「おぉよ。勿論だ。」
ガロンさんは、解体が好きなんだろう。E ランクの魔物は1000リルでDランクなら2000リルで受けてくれた。
一緒に狩りに行くかと誘われたが、色々試したい事もあるので、今回は断った。
明日からの行動が決まったら、まずは準備だな。
なんと言っても装備だろう。
アイテムボックスに入っていた、未解体の魔物の解体をガロンにお願いして、武器屋を探しに行った。