12話 襲撃
4日目も終わり、半分以上は進んでいる。
もうちょいやなー。
5日朝
ご飯食べたらすぐ出発や。
昨日美味しい飯食ったから、元気100倍やっていってるアルトが可愛い。
昼飯はいつも通りに食べながら進んで、魔物はこれ以上狩ると馬車に乗せることになるので、なるべく避けて通る事になった。
俺はまだまだ入るけど、あんまり言えないしな。
昼飯を食べてからしばらくすると、小太郎が唸りだした。
久しぶりな反応やな。
「がルルルルルルぅ」
すると、先の方から砂煙が上がっていることがわかった。
ガロンが目を凝らすと、不味い顔をしている。
「盗賊かもしれん!逃げる準備と戦闘態勢を!」
逃げるなら、荷物は全部捨てて、馬だけにして乗って逃げる。
盗賊の数と移動手段がどうかだな。
「これは…、」
冷や汗を流すキルス
「盗賊が全員馬に乗ってこっちに向かっている。」
「全員馬だと!」
これは、逃げられない事を意味している。
最悪、雇い主であるリグルドだけでも馬に乗せて逃がす事になる。
それでも、追い付かれる可能性も十分にある。
「戦うしかないか。」
ガロンが覚悟を決めた。
「ユーキとリグルドは馬で逃げるんだ。俺達は戦って相手の馬を奪って逃げる!」
「いや、逃げても追い付かれるでしょう。強そうなら交渉してみましょう。」
盗賊が近づいてくると、8人いることがわかった。
その中でも一際大きな馬に乗っている盗賊を見ると、ガロンが合図を送った。
この盗賊は強い。
の合図だ。
「そこの馬車よ、止まれ!」
盗賊の親玉が声をかける。
「何用でございましょうか。」
リグルドは、冷静に返す。
「積み荷を置いて、さっさと去れば命は助けてやろう。」
この間に他の盗賊がアルトを見て奇声をあげている。
「おいおい!女がいるぜ!ラッキーだな!今夜は楽しみだぜー!」
アルトは顔をしかめるが、リグルドは冷静に、
「わかりました。争うのは無駄でしょう。本当に、このまま帰して貰えるので?」
まずそれはない。
帰すメリットが盗賊にはないのだ。
むしろ、街に行けば手配される。
デメリットしかない。
何も答えない盗賊に、
「それでは、私が町に戻ったら、他の商人の情報をお送りしましょう。いかがですか?」
「ほぅ。今後、役に立つから今回は見逃せと言うのか?このベイル様に?」
あぁ、不味いな相手は名乗ってしまった。これで生かして帰す考えはほぼない事がわかった。
隣を見ると、ガロンも気づいたようで、厳しい顔つきをしている。
やるしかないか。
リグルドが話をしている間に俺は盗賊達を鑑定していた。
その中でも、ベイルと名乗った奴と端にいるカインと言う奴は強い。
名前 ベイル(♂)
年齢 38歳
身長 181㎝
体重 88㎏
種族 人族
職業 盗賊
Lv 21
HP 65
MP 23
力 67
体力 48
魔力 31
器用 61
速さ 53
スキル 格闘術(格闘系全般の能力が向上する)
名前 カイン(♂)
年齢 26歳
身長 172㎝
体重 68㎏
種族 人族
職業 盗賊
Lv 28
HP 83
MP 16
力 78
体力 69
魔力 13
器用 78
速さ 79
スキル 忍び足(移動が気づかれにくい)、暗殺術(急所を突きやすい)
実力はカインが一番だが、ボスはベイルと言ったところか。
これでは、2人同時に倒せないと厳しいな。
ガロンがベイルと実力が同じ位だが。
相手が動けば、待ったなしだ。
暗殺されるのは困るので、まずはカインからだろう。
思案していると、ガロンが動いた。
ベイルに飛びかかったのだ。
鑑定持ってないからボスが一番強いと思うよなぁ。
流石はベテラン冒険者のガロンの剣は、ベイルの首を目掛けて左から右に払った。
「ぐっ!」
ベイルは油断していたのだろうが、辛うじて体を捻り、致命傷を避けた。
しかし、利き腕である右腕に怪我を負ってしまった。
怒ったベイルは、部下に指示を飛ばす。
「てめぇら、皆殺しだー!」
しかし、次の瞬間ベイルは炎に包まれた。
アルトが放ったファイアボールが直撃したのだ。
そして、続けざまにファイアウォールが盗賊と俺達の間に出現した。
流石は冒険者パーティだ。
無言でも連携が取れている。
リーダーを失い、さらに珍しい魔法使いがいることで戦意喪失してくれればいいが。
気がかりなのは、もう1人の実力者カインの存在。
「ムッ!」
カキーンと飛び交う火花。
ガロンが相手と打ち合っているようだ。
しかし、誰かの不意打ちでガロンは右足の腱が切られたようで、満足に動けていない。
すぐに助太刀に向かい、その相手にライトソードを薙ぎ払うと、後ろに飛び退いた。
カインだ!
すぐさまこちらに向かって飛びかかって来る。
他の盗賊どもも、キルスやアルトに飛び掛かっていた。
リグルドは馬車に入り凌いでいるが、時間の問題だろう。
ガロンは、地面に倒れている。
早くカインを仕留める必要がある。
カインと向かい合うと、お互いに牽制する。
カインのスキルの影響か移動が見えにくく、瞬間的に見失う事がある。
このままでは、不味いな。
「リスクを取れと言うことか。」
俺は呟くと、一気に加速した。
ステータス上は俺の方が上だから、一撃入っても死にはしないだろうと踏んだ。
向かって来られるのは慣れていないのか、僅かに怯んだ隙を見逃さずに、ライトソードを突き入れた!
右肩に刺さり、カインはシミターを落とす。
そこに小太郎が足を噛みついて意識を引くと、刺さったライトソードをそのまま勢いよく引き、そのまま袈裟斬りにした。




