ようやく転生です
「大量の魔力を持って転生ですか…それ意味はあるんですか?」
疑問に思った事を聞いてみると苦笑いされた。
「逆にそれぐらいしか出来ることがないんですよね~魔力は自然物のほとんどが生成する事が出来るんですけどね~それだけじゃ足りません。しかし神が直接下界に降りて干渉する事は結構厳しい規制があるため出来ません~正直神からすれば大陸が滅びるだけですからね~神の仕事である世界運営には全く支障がないんですよね~」
ドライな話しだがしょうがない事だろう。
今の言葉が事実なら神の仕事は世界運営らしいし、別に人間一人一人を見守ってやることじゃない。
「まぁあなたにやってもらいたいことは大量の魔力を渡すので枯れてしまったいくつかの龍脈に魔力を注ぎ込んで活性化して欲しいんですよ~そうすれば魔力は上手く巡回するでしょうし世界の魔力不足だって解決です~」
(世界の魔力不足? 不足しているのはその馬鹿なことをやらかした大陸だけじゃないんですか?)
「えぇそうなんです~そもそも自然物が魔力を生み出すために必要な龍脈があるんですよ~でも魔力爆発のせいで龍脈に色々と影響が出てしまいまして~その結果、世界中で深刻な魔力不足が起こりまして~」
(ほんとにろくなもんじゃないですね、その大陸)
「ほんとです~」
神様もうんざりしていたのだろう。
大きなため息をついていた。
「理解して頂けましたか~?」
(分かりました。正直まだ死ぬには早すぎる気もしますし、お願いします)
「ありがとうございます~それでですね~今からあなたを送る異世界はあなたの居た日本ほど治安がいい訳では無いですし、魔物や魔獣もたくさんいます~なのでなんの対策もせずに送り出しちゃうとすぐに死亡なんてことになりかねないわけです~」
(特典ってやつですねすげぇテンション上がるんですけど)
「口調が崩れてますよ~まぁその通りです~何か望む力はありますか~?」
そんなもの最初から決めていた。
もしも転生出来たなら絶対に貰うと決めていたもの。
(誰とでも会話が出来るようにしてください!!)
頭を下げて(頭は無いが)要望を伝える。
しかししばらく待っても返答が無い。
不安になって見上げると口をあんぐりと開け呆然と固まっていた。
(あの、神様?)
「はっ! 私としたことが失礼しました。意外すぎたもので」
語尾の伸びが無くなるほど意外だったらしい。
「しかしほんとにいいんですか~? もっと他にもいいのはあるでしょうに…魔法で俺TUEEEE! とかも出来るんですよ~?」
(いいんです、生まれ変わったら他人とまともに会話したいと思ってたので)
「そうですか~分かりました。じゃあはい」
神様の人差し指に光弾が現れてそれが俺の頭に入ってきた。
「これでおっけーです~では頑張ってくださいね~」
グンッと真上に身体が引っ張られていく。
(ちょっと!?これどこに行くんですか!?)
「あっそうだ、言い忘れてましたけど~あなた以外にも転生者は多数いますので~そこら辺も頑張ってくださいね~」
(そこら辺ちょっと詳しく!!)
敬語をかなぐり捨てて叫ぶが神様は全く気にせずニコニコと俺に手を振る。
(神様~!!)
それを最後に四ノ宮 涼真の人生は終わった。