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動き出す心!

やっと終わりです。


ありがとうございました。


「ああ、めっちゃ緊張する〜!」


「だーいじょうぶ。ちゃんとカッコいいし、可愛いからね!」


「いや、この姿で可愛いはないだろう?」


「いーや、私が見ても可愛いと思うよ。でも、『カッコいい』を目指すんならもっと筋肉付けなさい」


「いや、お母さん。それ本気?!」


「いや、冗談だよ。私はどんな姿でもいいと思うよ。だって、人って姿じゃない。心だよ。だからハートを強く持って、頑張りなさい」


「了解! じゃあ行ってきます」


「「行ってらっしゃい!」」



 自転車を飛ばすと、頬に当たる風は心地いい。

 もうそろそろ寒い時期になってくるだろうけど、ここにはまた遊びに来たい。


 青い空がとても近くて、空気が澄んでいて、水が美味しい。

 後悔なんてしたくない。

 まだ高校生活半ばなんだから、将来の事も早すぎる。

 僕が、僕でいる為にも、今日はけじめをつける。


 かっこ悪くても、いいや。

 それが僕なんだ。

 等身大の僕なんだ。


 まぁちゃん、おばさん、ありがとう。

 今の僕が、一番生きているのを楽しんめている。


 久々に自転車を駐輪場に置いて、構内に入って来る人を待つ。


 胸の鼓動はとても早い。



 ……きた!



 ずっと前から見ているだけの人。

 その先に進まないと、僕も成長できない。

 見ているだけなんて、今の僕には考えられない。

 だから、言うんだ。


 校門から玄関まで続く道の途中まで、その姿を確認すると、勝手に心が動き出す。


 三人組の女生徒を目指し、玄関から歩いて向かうのだが、すれ違う生徒達からの視線が突き刺さる。

 どうやら僕はかなり目立っているようだ。


 それは仕方ないか。

 登校とは反対側に向かっているし、髪の毛も短髪に切ってはいるが目立つ色のままだしな。


 三人組の前に出ると、みんなは僕の事を思い出したのか、酷く驚いている。


 すれ違う生徒から聞こえる声からも僕が誰だか特定されているようだ。


 一様に「姫だ」、「姫ちゃん」と呼んでいる。

 もう男子の姿なのに、姫っておかしいよな?!

 そんなことより本来の目的だ。


「天音先輩、少しお時間をいただきたいのですが?」


「えっ、えーっと、その、琴美・さ・ん?」


「いや、僕は琴美じゃありません。ヒロトです」


「えっ、えっ、えー! あ、あの、あの、わ、わたしなの? 香澄じゃないの?」


「間違える事はありませんよ。あなたです。どうですか? あまり時間はかかりませんが?」


「かっ、香澄?」


「はい、お姉様。決めるのはお姉様次第です。じゃあ、先に行ってます。ゆりは行こう」


「えっ、ああ。わかった。香澄がいいなら」


「いいも、悪いも結論は出ちゃいました。帰りはカラオケ約束ね」


「そだね。歌い倒そう!」


 香澄とゆりはが両サイドから僕の肩を叩いて通り過ぎた。香澄の目が赤いのは話し始める頃からだった。

 堪えながらも、僕にエールを送ってくれたことには感謝だね。ゆりはも耳元で「爆破しろっ!」とは変わらないなぁ。


 もう登校時間も過ぎたから、後から生徒が来る事はない。


 校舎の窓から顔を出して見ている外野はかなり多くいるけれど、それは無視!

 報道部や新聞部が駆けつける前に終わらせたい。


 真っ直ぐ正面を見つめ、一言だけ伝えた。


「天音先輩、いや、みさき先輩。好きです。こんな僕で良ければ付き合ってください」


 頭を下げて、すっと手を真っ直ぐに伸ばす。

 出した手が震えているのは緊張のせいだ。

 ダメでも、そこから次の始まりが生まれる。


「えーっと。まだ混乱しているんだけど、私はヒロトさんを知りません。でも琴美さんは可愛い友人です。そんな彼女を知っているんです。だから、断れないじゃないですか! 私は琴美さんがとても好きでした。だから、まずは友達からお願いします」


 小さく細い手が僕の手をそっと握る。

 その小さな手を握り返すと、笑顔のみさき先輩から背中を叩かれた。


「さあ、遅刻だわ。急ぎましょう!」


 手を繋いだまま、校舎からの外野からの祝福を身に纏い玄関に急いだ。


 放課後に一緒に帰る約束だけをして、それぞれの教室に向かった。


 ☆


 教室では、祝福と妬みの声が掛かる。

 香澄とゆりはからも一言祝福された。


「二人とも爆発しろ!」と。


 この気持ちに気づいたのは早かったけど、伝えないといけないと思ったのは、僕が女の子になってからだ。

 だから、TS薬は必要だったのだろう。


 だけど、みさき先輩に気持ちを伝えないままだと、僕の高校生活は止まったままだったに違いない。

 それに香澄とら仲良くならなけれは、みさき先輩とも話す事はなかったことだろう。


 今までは自分の殻の中に閉じこもっていたけど、これからは例え傷ついても誰かと一緒に過ごしたい。

 どんなに傷つく事があっても、一緒に考えて行動してくれる人がいた。

 これからはヒロトとして、もっともっと色んな仲間を作って、僕の高校生活を始めていこう!



最後は足早に駆けた感はご容赦ください。


志半ばで、筆を折ることも考えましたが、ずるずると連載してしました。


読者の皆様、支えて頂き、ありがとうございます。

おかげ様で完了です。


読者の皆様にご多幸を祈念申し上げます。


2020.9.7 のののより!

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― 新着の感想 ―
[一言] みさき先輩が なぎさ先輩になってる(ひろとの背中を叩くところ
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