どういうこと?
生徒会室の扉の前に立ち、軽くノックすると内側からガチャという音と共に扉が開いた。両扉が開いて姿を見せたのは二人ではなく、このは先輩だった。
その顔は微笑んで手招きしてるため、こちらも自然と微笑んでしまう。
しかし、かなりの違和感がある。
……どういうこと?
内心では驚きつつ、表情には出さないように気をつけてながら足を進める。
生徒会室に入ったのはいいが、部屋の中には誰もいないが、テーブルの上に手紙が置いてあった。
このは先輩がいることよりも、その手紙が気になり、部屋の奥に進んだ時だった。
パタン、ガチャという音がして、振りかえると、このは先輩が消えていた。急いで扉に歩み寄り、開けようとしたがロックされているのか、開かない。
……なんだ?
監禁されたということだろうか?
しかし、このは先輩には僕を監禁してもメリットはないと思うのだが?とっさのことに頭が回らない。
本当にメリットは無いのだろうか?
……というか、このは先輩のことを誤解している場合もあるのかもしれない。
今までは金銭絡みだった訳だが、実はそう思わせるキャラ作りだったりして?
もしそうなら、全くこの状況がどういうことか、分からなくなる。それにあのメールの差出人は誰だったかな?……いや、メールじゃなくて知らない人にメモをもらったんだ。つまり、このは先輩が初めから仕組んだということだろうな。
さて、色々と考えたところで何も前進はしないな。どうするか、それを考えるべきか。
誰かに助けを求める、そのまま待つ、学校に電話して先生に開けてもらう。最後、このは先輩にお願いする。
どれが正解かわからないけど、先生に告げるのはやめておこう。もっと複雑なことに発展する可能性が高い。なら、あやめちゃん、香澄、このは先輩、の誰が一番いいだろうか?
あやめちゃんなら、このは先輩に一言言うだけで解決してくれるだろうな。しかし、その後が読めない。
香澄は、……うーん、もとより電話に出てくれるとも限らないし、そもそも助けてくれるだろうか?怪しいところだ。なら、このは先輩に頼むしかないんだろうな。あの先輩なら、お金で解決できる可能性が高い。
だけど、それが役作りなら徒労に終わるかもしれない。
悩んではみたものの答えは出ない。なら、やはり、この状況を設定した本人、このは先輩と話すのが解決策としては妥当だろうな。
早速、ポケットからスマホを取り出して、このは先輩に電話をするが着拒否だった。……あの人は僕に何をしたいのだろうか?
気を取り直して、テーブルの上の手紙を手に取った。
横長の封筒は見たことがある。
レモンイエローの封筒は見たことがある。
つまり、この件の背後にはあやめちゃんが関係しているようだ。
──ああ、面倒くさい。
ホント、女子は面倒なことが多い。
早くヒロトに戻りたい。
さてと、封筒を開けて便箋を広げると意外な言葉が書いてある。
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琴美ちゃんへ
いろんなことがあって大変でしたね。
でも、こんな茶番は終わらせましょう。
私を選んでくれるなら、それ相応のご褒美を用意しておきます。
昔からの初恋のため、私は全力を尽くします。
例えば、あなたが一番望むこと、それを差し上げることも出来るでしょう。
私達は素敵なカップルになれると思います。
では、封筒に同封したカードでお帰りください。
あやめ
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……どういうことだろう。
僕の望みを叶えてくれるということは、ヒロトに戻れるんだろうか?
そんな簡単にいくはずはないとは思うものの、あやめちゃん家の力は無視できない。
何らかの手段があるのだろうか?
ちゃんと詳しく調べた方がいいみたいだ。
そう考えながら扉のセキュリティにカードをかざす。
ガチャという音と共にロックが解除された。ほっとしながら扉を開けると、再び驚きが待っていた。




