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デート準備

なんとか更新出来ました。

お待たせしました!


えっ、待ってない?

それは、大変失礼しました!

 メールの返事は、その日の夜中にやって来ていた。



 今週の土、日なら大丈夫です。

 平日でも、18時以降ならOKです。


 あなたの都合の良い時間を言ってください。

 全てあなたに合わせます。

 どうぞ、よろしくお願いします。


 一文字 あやめ



 ……三年の先輩だというのに、僕に合わせてくれるのか?

 なんだか、気が引ける。


 なら、土曜日がいいな。

 次の日が休みの方が楽で良い。


 そうそう、どんな服装がいいのかな?

 デートではないけど、駅前のショッピングモール辺りが無難かもしれない。

 話題もないことだし、手軽に見ながら話も出来る。

 なら、改札前の広場で待ち合わせにしよう。


 十時半頃にすれば、お昼を奢ってもらえるかもしれない。

 おおっ、自分でも良いアイディアだ。

 話しながらランチを食べて、昼の三時には帰路に就く。

 なかなか完璧じゃないか。



 一文字いちもんじ先輩へ


 土曜日、駅の改札前の広場に十時半頃ではどうでしょう。

 合流した後は、ショッピングとランチを一緒にいただきましょう。

 よろしくお願いします。


 あと、服装はどんな感じがいいでしょうか?

 良ければ教えてください。


  琴美


 朝の貴重な時間を使い、渾身の回答を行った。

 さて、いつ返事が来るのだろうか?

 また夜中の可能性が高いかな?


 まあ、明日は返事が決まっているから、あまり考えないでもいいか。

『はい、承知しました。楽しみにしております』と打ち込むだけなのだし、特に時間が掛かる訳ではない。


 登校途中までは緊張した。

 香澄に会うまでなのだが……。

 いつもの坂道の途中、既に待っている香澄の姿が見えて来る。


 ……緊張するよな。

 香澄には何かを言われるに違いない。

 多分、質問責めだ!


 そんなことを思っていたが、挨拶を交わした後の話題は一文字先輩の事に一言も触れなかった。

 何でだろう?


「ねっ、香澄ちゃん。一文字先輩のことをどうして聞かないの?」

「あのね、人の恋路を邪魔するなんて出来ないって思ったのよ。

 きちんとラブレターを出した方を揶揄するなんて、失礼だと気づいた。

 それだけだよ。だって、私もなぎさちゃんがいるし、琴美のことは言えないもん」


 香澄ちゃんはサラリと言い放つが、本当にそのとおりだった。

 好奇心だけで、人を傷つけることも出来るけど、それだけはしてはいけない。


「実は、昨夜、なぎさちゃんに電話で琴美の事を話したら、怒られちゃったんだ。

 琴美ちゃんを導くのが、友達でしょうって……。やっぱり、なぎさちゃんが正しいと思うし、こんな素敵な人だから私は彼女が大好きなのよね。

 だから、困ったら私に相談しなさい。私達、友達なんだから……」

「あっ、ありがとう。二人が羨ましいな」


 香澄にそう伝えると少しはにかみながらも嬉しそうだった。


 


 一文字先輩からの返事は昼休みにやって来た。

 連絡簿に新着のnew!表示があった。

 偶にしか見ないから、なんだか新鮮に感じる。

 先生からの伝言とかは、『注目!』と表示されるから、心当たりは一人だけ。


 先輩は、良い人なのだろうか?

 さっきの香澄となぎさ先輩の様な関係は羨ましい。その二人が僕の友達である事だけでも素晴らしいことなんだけど。


 さて、なんて書いてあるのかな?

 プライベートモードに切り替えて、タブレットの画面を読むと、案の定という結果だった。


「りょうかいしたわ! じゃあ、とても可愛い姿が見たいわ。期待してますね!」


 かなりシンプルな返事だったけど、迷い無く書いてあるとは分かる。

 しかし、可愛いとは少々抵抗がある。


 着るものには迷ったが、リクエストに応えてみよう。

 そう思い、お母さんに相談したら、大変なことになった。


 そう、いつもの失敗というヤツです!

 僕の服装や躾に関係することでは、残念な人になってしまう。


 帰宅するなり、デパートにタクシーで乗り付け、ブランドものだけをチョイスする。

 さすがに良い品物が揃っている。

 しかし、たかが女の子とデートする程度で大げさ過ぎる。

 あっ、書き忘れていたけれどブランドの前に有名が付きますので……。


 そんなこんなで、一着新調してもらった。

 帽子から靴まで一式でした。

 アクセサリーも当然の如く見たのだが、大人っぽい物が多い中、片隅に可愛いものが見つかったので、すぐさま母が店員を呼ぶ。


 その直後、僕は慌てて母の腕を強引に引っ張り、店の外に出た。あのアクセの値段をチラ見すると丸が五個は並んでいたと思う。

 これでは、さすがにやりすぎだろう。


 僕の家が、たかが服やバッグで破綻してしまうのは、勘弁して欲しい。


 そんな紆余曲折の末、ようやく安いお店でアクセを買って、服が決まった。


 夏向けの白いワンピに薄手のザックリした麻で編んだエスニック風の丈の短いカーディガン。

 髪の毛がかなり伸びてきたから、白いシルク地に黒い水玉模様のシュシュと胸には三連の指輪を通したネックレスが胸元を飾る。


 うん、悪くない。



 でも、身も心もつかれたよ。

 特におかーさんに!




……いつまで続くのだろう?


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