誓いの言葉(いとこside)
「こおり」
「なぁに?」
思い詰めたような表情で、ゆまがぎゅっと俺の手を握った。人のカタチをとることにも慣れて、いつものように二人で遊んでいる時のことだった。ゆまは俺の手を握りしめたまま言った。
「じゅうじんはね、じゅうかしたときのおおきさのくぶんが、いっしょうかわらないんだって。だから、こおりはおおきくなっても『こぎつね』のままなの。こおりはじゅうかしたら、すごくすごくよわくなっちゃうのよ」
握りしめる力が強くなる。弱いから、何だと言うのだろう。否定、されるのか。氷を入れられたように身体が冷たくなって、息がし辛くなった。
「だからね。ゆまが、こおりをまもるよ」
その言葉に、目を見開いた。
「ゆまはね、こおりがたいせつなの。こおりがだいすきなの。だからね、ゆまがこおりがきずつかないようにがんばるから。ゆまが、こおりをまもれるくらいつよくなるから」
「ゆま…」
今度は目の奥が熱くなってきた。泣いてしまいそうだった。
「だったら、…だったらおれもつよくなる。じゅうかしちゃったらよわくなるとしても、じゅうかするまえなら、おれだってゆまをまもれる。おれもつよくなる。おれだって、ゆまがだいすきだもん。おれだってゆまをまもりたい!」
俺だって、ゆまが大切だから。いなくなって欲しくなんてないから。
「こおり…。うん。ふたりでつよくなろう?」
「うん!」
「まずはおべんきょうかなぁ…」
繋いだ手が、やけに熱いように思えた。
『二人で』強くなるのだ。
―『二人』で。
いとこside これにて一旦終了です!
郡くん懐き度maxですね!ゆまも甘やかし度はmaxなのでぱっと見はただのリア充です。まだこの子たち付き合ってませんからねー(棒読み)




