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もふもふ!  作者: min
高校編(一年生)
16/51

高校生になりました

いきなりぶっとんで高校編です。しかし乙女ゲーム要素はまだ出てこないという。

 はい。惣火ゆま高校生になりました。


 …いきなり時間軸吹っ飛びすぎだろとか、言わないでくださいね?


 いや、あの後、惣火家の内部の現状とか味方になってくれそうな人とか家とか、そりゃあ色々教わりましたよ?加えて、六歳からは義務教育も始まったのでそれはもう勉強量が増えましたね。その他にも教養として色んな習い事がありましたから…。


 そして、例の「先生」は、なぜかいつの間にかおじいちゃんの補佐というか、秘書になっていました。


 一体私の知らない間に何があったのでしょうか…。あの時は先生が黒豹になっておじいちゃんが居るはずのお部屋にスタンバイしてた時並に驚きましたね。

 先生は今でもおじいちゃんと一緒に我が家に突撃してきて、おじいちゃんと一緒に撫でろ攻撃をしかけてきます。

 ただですね…。人の姿をとってる時はいい加減スキンシップ激しすぎなんじゃないかなと思うんです。

 私もう高校生…。

 一歩間違えなくてもセクハラな気がします。でも先生すごく寂しそうな顔するから…。

 こうやって甘やかしているのがいけないのでしょうか。郡も「嫌な時ははっきり言った方がいい」とアドバイスしてくれるのですが、私は、甘えられるとついつい相手に甘くなってしまうのです。…最早これは性分として受け止めた方が良さそうですね。


「どうしたの?ゆま」

「いえ。なんでもありません」

「そっか。じゃあ、早く行こ?」

「はい」


 心配そうに顔を覗き込んできた郡に首を横に振って答え、差し出された手を取って講堂へと急ぎます。郡とは仲良しですし、小さなころからの仲なので、これはセクハラではありません。

 ありませんったらありません。


***


 この世界では、小学校~中学校にあたる教育である義務教育は学ぶ場所を選ぶことができ、家庭教師をつけての自宅学習、という形での勉学も認められます。

 これは獣人に対する配慮であるといわれていて、実際、公に開校されている学校に通う生徒の中に獣人である子供は一人もいないのです。高校からは自由教育となっていますが、獣人NGをわざわざ宣言する学校もあるくらいです。学ぶ場を見つけることすら難しい、というのが獣人の現状でした。

 そんな中で、私立調和学園は、秘密裏に獣人の子供の編入を斡旋しているという、珍しい学園でした。


 私立調和学園は、表向きは魔法の才能がある人材を育成する機関として通っていて、学科は普通科、特別科、魔法科の三つで構成されており、生徒全体の割合で見るとその比率は5:2:3となっています。

 普通科は魔法の才のない一般生、魔法科は魔法が使える生徒、特別科は特に魔法に優れている生徒、と説明されており、魔法科から特別科に移るケースもありえなくはない、と言われていますが、実際に特別科に移ることになった生徒は今まで一人もいないんだとか。


 実は、それも当然のことであったりします。


 実際は、普通科は魔法が使えない獣人、特別科は魔法が使える獣人、魔法科は魔法が使える人間、と区分けされているだけなのですから。

 そのため、実際は普通科に人間が入ることはなく、調和学園には、魔法も使えない人間は入学することさえ許されないのが現状であったりします。

 また、調和学園の理念である「調和」を元に、「特別な才に触発され、新たに魔法の才に目覚める可能性」をうたって特別科と普通科は同じ校舎を使って授業を受けていますが、特別科が例外として普通科と教棟を共にしているのではなく、単に魔法科と他の学科の教棟を分けるための理由づけ、というところが大きく、三学科の授業内容は基本的にほぼ同じ内容のものとなっています。特別科は魔法学で精霊魔法ではなく古代魔法を習う、というところは違いますが。普通科では精霊魔法を取り上げていますが、実践はなく、主に理論だけを習っています。


 ちなみに私は普通科所属です。


 相変わらず獣化したことないんですけどね。

 古代魔法は使えませんが、ばりばり精霊魔法使ってますし。


 出自から見れば、旧家の血が流れている以上古代魔法が使えるようになる可能性はあるのです。そう言った意味では才能を開花させるべく特別科で学ばせるべき。そういった意見もあったそうです。

 しかし、現時点においても、私は既に強力な精霊魔法を扱っています。その才能を見る限りにおいては、魔法科に所属させるべきでしょう。

 一体どちらに所属させるべきか。

 そう言って生徒の学科編入に携わる人々は頭を抱えました。

 普通に考えれば開花するかどうかよくわからない才能にかけるより、現在判明している能力を伸ばす方に賭けることを選ぶでしょう。私だってそうです。しかし、大人たちには開花するかどうかよくわからない才能を理由にしてでも私を魔法科に近づけたくない理由があったのです。


 それは、魔法科が中心として学ぶ「教え」にありました。


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