表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

なんていうか才能が欲しい

作者: 神前 健人

「君のことが好きです。僕と付き合ってください。」

その男の情熱的なアプローチは氷を溶かし、一瞬で水蒸気にまでしてしまいそうな。そして女性を十分にひきつけるほどの熱量を持ったものだった。

「いいえ。お断りです。てか死ね。」

ただこの一言だけでその男の気持ちは粉砕してしまい、その熱量は空気にとけていって雲散霧消する。彼女の言葉には強い拒絶と意思が含まれていた。



「っていう書き出しで小説書いてみたんだけどどうよ!」

「なんていうかびっくりするほど陳腐でこれからの展開が気にならない作品だね。例えるなら君の存在価値くらいないよ。」

「いやー。いやー。綾人は辛らつだねえ。でもほんとは?」

「お前の小説書く才能はびっくりするくらいねえよ。」

「はあ。そうかな。今回はなんかいけそうな気がするんだけどなあ。」

「大丈夫。有能な出版社の編集さんならお前の才能に気が付いてくれるって。」

「そうかな!そうかな!期待していいかな!」

「ああいいんじゃないのかな。」

まあ俺は何も言ってないし。別に天才的な才能があるとか言ってないし。まあ編集さんもこの子に字が書けるっていう才能というか、ほとんどの人が使える(才能)に気が付いてくれるさ。字を書くって書けない動物からしたらきっと才能だし?

俺は静かにコーヒーをすする。この味は苦手だがまあ悪くないかも。



「っていう書き出しで小説を書いてみたいんだけどどうよ?」

「いい加減にしろって思うと思うよ。読者さんは。」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ