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幾千の空*1




「あ、いたいた!!



カナターーーーー!!!!!!



列車来てるよ!!!!



早く早くー!!!!」





たったったったったっ



ボロボロになった革靴を必死に動かして前に走っていた


今にも発車しそうな列車をめがけて





たったったったったっ




黒い帽子から茶色の長い髪が顔を出し

サラサラと空気の中を泳いでいる



はぁはぁはぁはぁ

たったったったったっ



バタン!!



列車のドアを閉めたと同時に発車した





はぁはぁはぁはぁ



「よかったよーカナター



乗らないのかと思ったー」




『ご、、ごめ、、、ん、、、



はぁはぁはぁはぁはぁ』



「はい、お水」




『あ、、ありがと、、、』




ゴクゴクゴクゴクゴクゴク




カラカラだった喉に冷たい水が通った



『ぷはーーー!!



ありがとう、ミーナ』ニコ




「どういたしまして」



そう言うと嬉しそうに髪が宙を舞った



「あ、ご、、、ご、ごめんね」



慌てて髪を抑えるミーナ


金髪にウェーブがかかって水色の瞳はどんな汚れも許さない泉のようだ



『いいよ


ミーナはミーナだから』


「カナタ大好き♡♡」



ミーナはカナタの胸の中に顔をうずくめて抱きついた


ミーナの暖かい体温がカナタに伝染していくみたいに

どんどん暖かくなっていった



それと同時にミーナの髪もユラユラと揺れた





「早く座ろ!!



カナタ疲れたでしょ?」




『うん!!』




私たちはそれから目的地のテネブレ・ソルまで

決して変わることのない窓の外の景色を見ながらたわいもないことを喋った




空には幾千もの星が散らされており

その中に一際大きな月が列車を優しく包み込むように照らしていた






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