第四話:交渉開始
不安と期待が入り乱れる近日発売予定のゲーム『魔女と百騎兵』に出てくる“薄氷の魔女”さんのイラストを見ましたが、かなり好みです♪
何だかこのキャラがいると分かっただけで期待百倍ですねぇ~♪
他の魔女さん達も良いですし、楽しみでなりません♪
そしてこの前書きは本文とは関係ありません。
ここは、この世界の住人から『北の大地』と呼ばれる極寒の地。
そんな場所に悠然と存在するは、コンピュータとその他諸々に守られた城塞『ロゼの研究所』。
今日も一人の少女が発明に勤しんでいた。
「はい、みんな注目しなさい。
これから、このAの薬品とBの薬品を混合しますが、これらは大変危険な薬品で、1グラムでも分量を間違えると爆竹の百倍規模の爆発をします。
それくらいに繊細な薬品を私は、目分量で混合しようと思います!」
ロゼを中心に、ドラムロールを始めるチームと観客チームがそれぞれに主君の勇姿を見届ける。
いつものことなので、主の行いを止める者はいない。
緊張した面持ちで見守るだけである。(演技)
「…………はいッ! 見事成功しました♪」
拍手喝采。そして花火を打ち上げる。
この研究所そのものもロゼの発明の一つでもあり、室内の物質は絶対に燃えない。
これからも使える、普通なら問題になりそうな事態でも解決できる言葉、「ロゼなら大丈夫」をここで覚えておこう。
「次は時限爆弾を解体します。
こちらは赤と青のどちらかを切ると起爆するという古典的な仕様で完全に運頼みだけど、今日の私なら何とかなる気がするわ!」
彼女の研究室はこんな感じで時間を潰していた。
◆ ◆ ◆
時限爆弾の解体に失敗したあとの片付けも終わり、時刻はお昼。
昼食後のティータイムを楽しんでいたロゼの元に警備部隊からの連絡が入った。
「ロゼ様。どうやらこの研究所へと向かってくる人影があるみたいですが、どうしますか?」
声の主は警備部隊の隊長である元・海の神。名はセム。
戦隊物でも必ず一人は居る、地味で目立たず「敵に情けを掛けてピンチを招く」系のお人好しキャラである。
「そ。報告ありがとう♪
勿論歓迎するわ。それで何人?」
「はい! 非武装の男が一人です」
「あら? その人、もしかして最初から交渉する気なのかしら?
てっきり武装集団が攻めてきて、連中を負かした後に交渉と言う名の一方的要求を呑ませるって流れを計画していたのに。
私の推理が外れるだなんておもしろいわね♪」
「流石はロゼ様です! 建物の雰囲気だけで相手に敵わないと分からせたのですね♪」
「くだらないこと言ってないで仕事に戻りなさい。
チャックルを玄関で待機させるから」
ちなみにチャックルとはロゼの側近兼乗り物の元・クロヒョウである。
こちらは研究所の雑務を取り仕切る完璧な従者ポジションである。
ただし改造手術を受けても外見はクロヒョウのまま変化することも無く、仕事は基本指示を出すだけ。
「ふふっ、この世界なら私の生みの親の世界じゃないし、文化や流行を私色に染めるのも悪くないかもね」
最初の訪問者に期待をしつつ、優雅にお茶を飲む。二杯目。
彼女の予想では自分たちの拠点もどこぞの国の領地だろうから大軍が攻めてくると思っていたのだが、
ロゼからしてみればこの世界の住人と積極的に(出来れば)平和的に関わっていきたいので交渉はウェルカムである。
ロゼは理由さえあれば、世界の住人をある程度虐殺することができる。
そのために何の繋がりも無い、生みの親や自分の育った世界とは別の異世界に来たのだ。
枷のないロゼは危険極まりない存在である。でも可愛いから許される。
やったね騎士さん。もしも大軍武装兵で攻め行っていたら酷い目に会いながら一方的な要求を飲まされていたよ♪
そしてやって来た騎士は、巨大な門番達に案内され研究所の中へと足を踏み入れたのだった。
キャラ設定 ~チャックル~
ロゼが生まれてからずっとそばに居るアッシー君。
執事ポジではあるが姿は黒豹。
ロゼから受けた改造手術によって液体金属の体を得たため、攻撃、防御、素早さ、賢さの全てにおいて研究所の№2。
宇宙一の天才科学者ロゼは自分を超える存在を作りだしたいのだが、流石のロゼでも自分を超える天才は作れない。
だからこそ、その野望を叶える為に騎乗用動物としてチャックルを改造したのだ!
ちなみに液体金属の体なのでバーバパパみたいに変身も出来る。
名前の元ネタもヘリコプターや大砲に変身していましたし便利系のキャラですね。
今後出てくる他のキャラがボケボケなのでかしこく見えるが、結構オチ担当の話も出てきます。
ちなみにロゼの研究所内の自室には彼ともう一人しか入室不可。




