第二話:拠点作り
この作品は毎日更新を予定しております。
読者の皆さんにとって毎朝の日課や暇つぶしになれば、という思いで書いておりますので、あっさりした話を一話完結で投稿します。
週に一度まとめ読みしたり、気が向いた時に覗いてサブタイで読むのを決めたりってな感じで好きに楽しんで行ってください♪
前の話との絡みはほとんど無いので何処から読んでも地の文の説明や突拍子もない展開で補足できていますから♪
少女が起動した機械は、言ってしまえば異世界へと転移する機械である。
彼女の知性を刺激するような文化がある世界へと転移したのだ。
人間以上の人間である少女には時間が無限にある。だからこそ世界を知った後は次の世界へと旅を続けるのだった。
まぁ、生みの親が育った地球を宇宙一の天才的想像力の玩具にして壊すのは忍びないという人間的感情もあるわけなのだが、そう言った人間的魅力も兼ね備えているからこそ彼女は宇宙一なのだ!
「……どうやら無事に転位出来たようね。
まぁ、私の発明は完璧だから失敗なんて無いでしょうけど。
まずは完璧な防御が必要だし、拠点作りから始めましょうか。
みんな、事前に説明したとおりに動いてちょうだい」
転位に備えてあらかじめ出していた指示に仲間たちが動き出す。
「マスター。どうやら転移先は氷におおわれた世界のようです」
「そう、なら貴方の部隊に警備は任せるわ。
それと、こっちの世界では積極的に外と交流をしていくから光学迷彩で研究所を見えなくする必要はないわ」
「御意」
警備にあたるのは元・海の神様だった家来の部隊。
元々の性質からか、寒さと耐久力に優れた重装歩兵部隊である。
少女の配下が動物軍団だと言いつつ神様が紛れ込んでいるのは、少女の趣味である。
動物でも神でも、何でも受け入れるのだ。
「……そう言えば、前の世界では社会の影から眺めたり、間接的な行動しかしていなかったから私には名前が無いわね。
私に相応しい名前って何か無いかしら?」
少女が問うのは最も長い付き合いのある元・クロヒョウの家来。この島で少女が生まれた時から付き従う最初の従者である。
ちなみに乗り物代わりなので、少女の超科学による強化手術を受けてもクロヒョウの外見は変わらず。
「下の者が上の者に名を付けるなど、そのような真似は私には出来かねます」
「頭が固いのね」
「身体は液体金属で出来ていますから柔らかいです」
「そう言うことじゃないんだけどね。
でも、それなら自分で考えましょうか……」
王に相応しい椅子に座りながら考える少女。
「そうね……、それじゃあ貴方達のボスである私に相応しく、人間どころか世界をも超越した私に相応しい名前――『ロゼ』と名乗りましょうか」
「……えっと主……いえ、ロゼ様? その名の意味を聞いてもいいですか?」
「私の好きなゲームに出てくる主人公のライバルキャラの名前を女の子っぽくしたものよ。
人間の優しさと機械の力強さを併せ持った主人公でもいいけど、私にはちょっと向かないし。
以後、他の仲間たちにもこの呼び方を徹底させなさい」
「……御意(あぁ、主のいつもの思いつきなんだろうな)」
こうして、この世界に新たなる災厄となりうる少女が降り立った。
場所こそ世界の果てにあるような氷の地だが、少女――ロゼは元の世界に無い文化のある世界を転移の基準にしたため注目を浴びることとなるだろう。
はてさて、鬼が出るか蛇が出るか。少女ロゼを王とする動物軍団、これにて転移完了!
キャラ設定 ~ロゼ~
天才科学者によって生み出された宇宙一の天才美少女。不死ではないが不老なので幼い容姿をしている。科学的に身体を成長させることは出来るが自分に無頓着。
種族は一応人間ですが、ホムンクルス的な感じですね。
そのため12歳程度の少女の姿がデフォ。
天才科学者と言いつつ、ファンタジー作品におけるチート魔法めいたことは何でも可能。(ただし科学的に)
ようするにこの作品の「科学」とは「魔法」を言い変えただけですね。
以前どこかで、魔法と科学の境界線は理解できるか出来ないかだと聞いた気がしたので。
ぶっちゃけ科学者設定は、これから書いていく現実ではありえない事にいちいちツッコミを入れなくてもいいように足しただけなのでスルーしてください。
魔法ではなく科学を採用したのも何となくですから♪
それとロゼとその配下達など、この作品を書くに至ったきっかけは『マール王国』のマージョリー一家と『バビル二世』の三つのしもべです。




