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第十五話:悪魔の御奉仕

 歯ブラシで力強く歯磨きしたら、歯茎から血が出ますからね。

 柔らかな素材で磨けばOK♪ そんな感じのお話。


 百合要素若干アリ。備えよう!

 

 さて、昨日は二話も続いたロボット特化型の科学者とのバトルで盛り上がった訳だが、今回はそれほどバトルめいた雰囲気はない。


 そう、今回メインとして語るのはロゼの研究所に自主的に囚われている悪魔ミッシェルについてだ。


 彼女の立ち位置というのは奇妙なもので、新参者でありながら、研究所内での発言力ではチャックルに次ぐほどだ。


 それは彼女が「悪魔」であり、ロゼを慕う軍団の中でも飛び抜けて長寿な種族だからでもある。


 経験に基づく知識は豊富であり、武芸にも秀でている。


 ロゼが彼女に施した改造手術が性感強化のみというのも、記憶力強化や筋力強化が不要なほど強いからだ。


 それでは、そんなミッシェルについて語って行こう。


 なぁ~に、いつもの彼女の日常はさほど特別なものではない。


 一山いくらの木端団員よりも強く賢く美しい彼女は、ロゼと同じベッドから朝を迎える。



ジリリリリッ! ドスッ「ひぐぅ!!」



 ロゼほどの天才科学者ともなれば、科学的疲労回復マシンを使うことで睡眠は必要ないのだが、娯楽として睡眠は取っている。


 そして、娯楽として配下の者を伽(寝付くまで一緒にベッドで楽しむこと)の相手に使う。


 そうなると必然的にロゼの部屋に入れるのは、チャックルかミッシェルだけなので、この二人が普段の相手をするわけだが、

 昨晩はミッシェルの日だったようだ。



「おはよう、ミッシェル。

 今日も朝から元気そうでいいわね」


「ぐ……、くくくっ……。ロゼ様、目覚まし時計に腹パン機能を付けるのはやめませんか?」



 そう、科学的好奇心を満たしたいがために、ロゼは目覚まし時計にハト時計めいたパンチ・カラクリを仕込んでいた。


 威力150で命中100。素早さに関係なく、相手の動きを見てから後攻で放たれるパンチなので、殴られる前に殴られば問題ないのだが、悪魔ミッシェルの唯一の弱点が眠気なのである。


 ようするに、朝はピーヒョロぐっすり寝ていて反射的に時計から繰り出される気合いの入ったパンチは止められないという訳だ。



「だ、大体私は悪魔という種族上、格闘技は効果抜群なんですから!」


「そう。なら次からは目覚ましがなった瞬間に先に攻撃を仕掛けることね。

 もしくは科学的に防御するとか」


「科学的な防御ってなんですか?」


「寝る前に目覚まし時計を普通のものと取り換えることよ」



 なんとも現実的対策を瞬時に思いつくロゼ。


 これこそ彼女の天才性の片鱗なのだが、今回はミッシェルがメインなのでロゼの天才っぷりについて語るのは控えておこう。



「そんなことよりお腹が空いたわ。

 私をトイレに連れて行って歯磨きしなさい」


「はい、ロゼ様♪」



 朝からきつい一撃を食らったミッシェルだが、一瞬で元気になる。


 ロゼを崇拝敬愛するようになってから、彼女が身につけた体力を瞬時に回復する方法――それがロゼの朝の支度だ。



「ロゼ様、あーんしてください♪」


「あーん」



 自分の舌に歯磨き粉を付けて主君に対してディープなキスを行うミッシェル。


 この時のミッシェルは天にも昇りそうな幸福を味わっており、猫のようにざらついた舌で丁寧にロゼの口内を磨きあげていく。



「ン……ふぅ……。にゅむ……ぺろ……」



 どちらのとも知れない激しくなっていく息使い。

 ロゼも性欲が無いわけではないので、無表情に見えても無感動なわけではない。


 彼女もまた、この状況を楽しんでいるのだ。


 ちなみにチャックルが伽の相手だった次の日も似たような感じだが、彼の場合は液体金属の体を変形させて、前足を電動歯ブラシにしているので視覚的にはえっちくなかったりする。


 そして次はトイレだ。



「はい、ロゼ様。開かせてもらいますね~♪」


「ん、任せるわ」



 科学技術の発達した世界では水洗トイレは当たり前。そして水流洗浄のウォシュレットが付いているのが基本だ。


 ロゼの研究所のトイレは構造こそ普通のトイレだが、彼女専用のトイレではウォシュレットをミッシェルが兼ねている。


「ぴゅ~♪」


 お花を摘み終えた(♪)ロゼの縦一文字に、口に含んで温めておいた水を吹きかけるミッシェル。


 これぞ、かの有名な武将、モンキー・T・ヒデョシの考案したゾーリ・フトコロ・悪魔式ウォシュレットだ!


 ロゼはミッシェルの悪魔的発想力を高く評価しているため、「悪魔的」という表現が付く悪魔の常識は何でも楽しんでいる。


 そして、この朝のトイレも、チャックルが担当する日は彼が便器に変形することで視覚的にはえっちくない。安心だ!



「それじゃ食事にしましょうか。

 今日の朝ごはんは何?」


「はい、科学的に養殖されたタイの刺身です♪

 科学的ショーユを科学ワサビと一緒にかけると絶品です」


「パーフェクトよ、ミッシェル。

 食事が終わったら科学的に貴方を玩具にしてあげるわ」


「感謝のキワミ♪」



 ロゼの玩具にされることに至上の悦びを感じるミッシェル。


 そんな彼女の日常はいつも、こんな感じなのであった。






 以前、ロゼの自室に入れるのはチャックルの他は一人だけ、と書きましたが、まさか異世界転移後に仲間になった新参者がその一人だと気づけた人はいないはず!


 あと、チャックルが伽の当番の日ですが、彼は主に敬意を持っているので性的な伽ではありません。

 自身をベッドや布団に変身することでロゼの貞操を守っています。


 抱き枕めいた扱い。

 彼にとって、ロゼの初めての相手は彼女自身が心から身も心も許した相手とするべきと考えているからなので。


 そして子どもが出来たらお爺ちゃんポジションで愛でたいと考えております。


 

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