とある日曜、夜
冷蔵庫、ある。
オーブンレンジ、ある。
ポット、ある。
炊飯器、ある。
包丁、ある。
鍋一式、ある。
……完璧じゃないか。
久しく使ってないので埃を被っているものもあるが、洗えば使えるだろう。
今日スーパーで買って来た野菜は、じゃがいも・トマト・きゅうり・キャベツ・万能葱。
肉は豚肉の激安肩切り落とし。魚介はイカと、カニカマ。……魚介?
あとは玉子と90秒で茹で上がるマカロニ、塩コショウなどの基本的な調味料。
家にあった調味料は醤油とお好みソースだけだったのだ。
自炊しないとそれ以外必要ないからな。
ビール(発泡酒だけど)しかなかった冷蔵庫が、見間違えるようだ。
満足げに眺め、ビールのプルタブを開ける。
あーうまい。
はっ、ここで満足しちゃいかんだろ。
気分を盛り上げるためにまずはエプロンだ。
元妻が置いていったエプロンなのが痛々しい気もする。
まずは玉子を茹でよう。
片手鍋に水を張り、玉子を入れる。
玉子を常温に戻すなんて面倒なことはしない。
二口レンジはいいな。
大学時代は一口で料理し難かった。
その間にイカをマーガリンで炒め、小口切にした万能葱をパラパラ。
塩コショウで味を調えれば出来上がり。
たったそれだけでこんなに旨いってイカは偉い。
イカのバター炒めをつまみにビール2本目。
はー、旨い。
おっとそろそろ玉子が茹で上がる。
時間なんて計ってないがたぶん大丈夫。余熱とか余熱とか余熱とかで。
今度はマカロニを茹でる。
片手鍋に水、塩。
沸騰したらマカロニを入れて90秒。
携帯のストップウォッチ使用。
キッチンタイマーもなければ時計もない我が家。
携帯、テレビ、パソコンでしか時間は確認出来ないのである。
「おー本当に90秒だ」
最近のマカロニってすごいな。
プラスチックのザルで水気を切り、ボウルに入れる。
トマトときゅうりを適当に切り、ざく切りしたカニカマと共にボウルへ。
傷む?そんなの知るか、ということで粗熱も取らずにマヨネーズと塩コショウで味付け。
あとはゆで卵の殻を向き、丸のままいれたあとスプーンで潰しながらそのまま食べる。
誰に見られるわけでもない、これぞ手抜き料理。
むしろ物臭料理。
「つうか、マカロニ茹で過ぎたなぁ」
すでに腹いっぱいだ。
昼間が揚げ物だったからもしれない。
メインに作るはずだった生姜焼きは明日にしよう。
健康管理のための自炊と言いながら、つまみがメインになりそうな予感がする、とある日曜の夜。
残り食材メモ
じゃがいも1袋
トマト2玉
きゅうり2本
キャベツ1個
万能葱
豚肉の激安肩切り落とし1パック
カニカマ半パック
玉子9個
90秒で茹で上がるマカロニ半分くらい?