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とある日曜、昼下がり



「腹減った……」


日曜の昼下がり。

ランニングシャツに手を突っ込み、腹をぼりぼりと掻く。

寝起きの煙草をと手を伸ばし、禁煙生活が2ヶ月目に突入したという事実を思い出す。


「あー……」


のっそりとベッドから立ち上がり、台所に向かう。

冷蔵庫を開けて低く唸った。


「何もねぇし……」


一人暮らしすると独り言が増えるって本当だな、と関係のないことを考えながら風呂場に向かう。

とりあえずシャワーを浴びてメシを食いに行こう。

腹が減って仕方がない。


よし、すっきりした。

何食いに行こうかな。

時間も時間だし、近場で済ませよう。


アパートを出てだらだら歩く。

ラーメン屋、お好み焼き屋、パン屋、定食屋とこじんまりとした個人店が続く。


「カツ丼気分だな」


定食屋に入りカツ丼定食を頼む。

カツ丼に漬物と味噌汁、小鉢がついて700円。

ご飯を大盛りにしても値段が変わらないので気にいっている。


「ごちそーさん」

 

5分で出てきて10分掛からず食べ終わり、あっという間に昼飯終了。


「早食いはカラダに悪いよ!」


「って言ってもここの客、皆早食いじゃねぇかよ」


「違いない」


オバちゃんが豪快に笑う。

オバちゃんといっても、年齢は知らない。

食堂にいればオバちゃんと呼ぶのがお決まりなのだ。


「最近お腹も出て来たんじゃないかい?」


「それは前からだよ」


中年太りというかビール腹というのか……これは大学時代、コンパが増えてからだ。

今に始まったことじゃないし、この年齢だと珍しい腹ではない。


「だけどアンタ、独身だろう? 嫁のきてがなくなるよ!」


余計なお世話だ。

というか結婚にはもう懲りた。


「そうだ、駅裏に新しいスーパーが出来たってさ。いまどきは男も料理のひとつやふたつ、出来ないと駄目だっていうじゃないか! 花婿修行でもしてみたらどうだい?」


……別にオバちゃんに唆されたわけではない。

ただ新しいスーパーを見に行っただけだ。

思ったより断然安かったから、生鮮食品を買ってしまっただけだ。

若い頃は結構料理する方だったのだ。

……別に料理でもてようだなんて思ってない、本当だ。

どっちかと言うと健康管理ってヤツだ。

ダイエットでもない、本当だ。

本当だからな!



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