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空に響く歌声  作者: 麻香
4 四苦八苦か意気揚々
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番外編3 今夜は・・・

時系列的に本編少し後の夏休みのとある夜のお話です。



「怪談話をしましょう!」

「いやだ」

ああ、珍しく彼女のノリが悪い・・・

「良いじゃないですか、あっ総真君貴方もですよ?」

「えっ、俺も?」

ここは天童家の一室。俺はただ親父に頼まれた用事を済ませにきただけなのだが。

ヤケに楽しそうな会長が怪談話をするように持ちかけてきた。


「ってか、怪談って妖怪の話だろ?俺ら妖怪と知り合いなんですけど?」

烏水家は烏天狗だし、妖狐の一族っぽい詐欺師、同級生にいったい何人妖怪の末裔がいることか。

「現実味に欠ける。だからくだらないことは終わりにしよう」

「あら?姫様、私いつ怪談が妖怪の話しだと言ったんです?」

明らかに青ざめていく美希はおかしい。いつもより、会長が笑顔なのも気になるな。



~珠璃の話終了後・・・



「ちょっと、たんま!無理無理無理やめて!」

「えー?まさか姫様こわいんですか?」

「お願いですからっ!」

会長は抱きついてくる涙目な美希をみて完全に鼻の下を伸ばしている。あぁ、コレが目的か。何か、美希のキャラが崩壊していってるぞ?敬語の美希まで出てきてるし・・・

「以外だなぁ、美希って怪談嫌い?」

「えぇ、嫌いなんです。正確には幽霊に取り憑かれたことありましてね」


「相当嫌な思いをしたのでしょうね」

美希の頭を撫でながら会長がそう呟くと彼女は安心したように、笑顔で見上げていた。

「ですが続行させて頂きます、実は私怪談好きなんですよ?」

「むっ無理です!やめてください!」

「次は総真君の番です」

は?何故に俺?


「何してるんですか?今、主様の悲鳴が聞こえたのですけれど」

良いタイミングで入って来たのは白兎だった。

「あーあ、つまんない。もう、おひらきですか・・・では私はこれで。おやすみなさい」

逃げるように帰って行った会長を見送る。もう結構遅い時間だしな。

「さて、俺もそろそろ帰る・・・」

「----待て!、帰るなッ!」



慌てている割に弱々しく俺の袖を握りしめる美希は泣きそうだった。

「は?」

「ここにいてください!」

「まさか、美希・・・怖いの?」

「・・・・あぁ、そうだッ!」

「今日辺り来るかも知れないしね」

「ひぃッ!」

怯える美希は何だか普通の女の子らしくて可愛かった。一つを除いてだが。

すぐパニクって美希は全力で俺を抱きしめる。ろ、肋骨が・・・



「美希、ちから抜いて。息できない」


「・・・ごめん、ひやッ!」

がたん、と何かが落ちた音がした。

驚いて腰を抜かしたのか美希は四つんばいになりながら俺の足に捕まる。

「えっ、なに?」

こいつマジで怯えてる・・・

「・・・お願いだから」

上目使いで見上げて来る美希に言われちゃ、寝室まで送らない訳にはいかない(後々恐いからな)。




なんとか美希をベットに潜り込ませて俺はベットの横に座る。

(寝たら帰るか・・・)


「総真。何でこっち来ないの?」

「は・・い・・?」

「--はやく」

そう言ってぐいっと腕を力ずくで引っ張られると、俺が美希に添い寝をする形になっていた。ぎゅっと震えながら美希は弱々しく俺を抱きしめる。なんでこうなるんですか?


「あのー・・・美希様?俺、一応は男ですよ?」

そんな無防備でいいんですかね?心配になるよ俺。

「恐いものは恐い。今日は付き合え」

(マジですか)





「ヤバイよ、お願いですからッ!」

「いや、俺もそろそろヤバイんですけど・・・・」

理性を必死に保ちながら、美希をあやす総真は思った。

(半殺しよりきつい刑だなコレ)

極めつけには美希は俺の耳元で声を掠れさせながら告げる。


「今夜はいっしょにいてっ!」




番外編3です。一応美希の誕生日記念話になります。テンパると美希は幼くなるみたいです。

いやぁ、ノリで書いたんでギャグ線が高いです。

本編シリアスばかりなんで、息抜きに・・・。


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