第零話 プロローグ
昔話をしよう
かつて、神や精霊の子が地上に降り立った時、世界は変わった。人の姿をして様々な力を操る“それら”に、人間は到底かなわない。しかし、それらは世界を奪うのではなく共存を求めた。各国に配置された、かれらの住み家は、能力者の町とされ普通の人間と扱いが全く違った。
人間たちは、はじめに降り立った子供達を“天子”と呼んだ。
それも二千年前の話で、今は扱いも普通の人間と同じである。政治にも参加していて、そのはじめに降り立った天子の子孫は能力者として多数存在している。
その中でも、とりわけ大きな家計を築いた者達がいた“天兎族”と呼ばれる彼らは翼を背に生やし、空を飛ぶ風の使者とされていた。ある者は大物の政治家や発明家や音楽家など様々なことで歴史に関与している。その理由もとりわけ頭のいい血筋であり、力も強く、何よりも天子の中でも最初に降り立った天子の一族だからである。
彼らの本家は二つあり“政を行う天童家”と“祭り事を行う天理家”が一族をまとめている。彼らは「七つ内まで神の内」という決まりがあり七歳の誕生日の時、天理家の境内で一晩過ごさせ、神から力、つまり翼をもらう。最近では自らそれを望まない者もいるが、翼には皆それぞれ淡い色が付き、操れる物が変わる。しかし、500年に一度、漆黒と白銀の翼を持つ二人の天子が本家からは生まれ、他にない強力な力が宿される。
その二人を皆は欲し、幾多もの血が流れる時が来て、世界は乱世の匂いに満ちる
そんな子供が生まれる本家はある一つの土地に結界を張り世界との調和を保ち、暮らす。
“野桐”その土地はそう呼ばれていた
こんにちわ、麻香です。
「空に響く歌声」を読んで頂きありがとうございます。
これが処女作です。
若輩者であまり上手く書けないところが多いと思いますが、頑張って書くのでよろしくお願いします。
感想等ありましたら書いて頂けると幸いです。