アル大学の学園祭
※正直、ノリと勢いだけで書きました。
特に後半意味不明な部分が多々あるので、
苦手な人はご注意ください。
ここは、某国、某県、某市にある大学……。
その名を、阿琉大学と言った……。
今日11月10日から、三日後の13日まで、
この大学では、学園祭が行われる。
今回の事件は、その学園祭初日に起こった……。
AM 9:10
「なんだとてめぇ!!」
「あぁ!?やんのかコラァ!!」
大学内で二人の男がつかみあっていた。
……この事態を説明するには、
10分ほど時間をさかのぼる必要がある……。
~10分前~
阿琉大学の学園祭では、基本的に学部や学科ではなく、
部活やサークルごとに模擬店を出すことになっている。
ここ、西口近くの通りでは、
サッカー部とフットボール同好会が、
隣り合って模擬店を出すことになっていた。
学園祭は午前9時に始まる。
すでに両方模擬店の準備は整っており、
学園祭開始と同時に販売を始めていた。
「いらっしゃいませー!温かいうどんはいかがですか!」
「おいしいコロッケはいかがですかー!」
入って来た数人のお客さんに、呼び込みを行う。
サッカー部がうどん、フットボール同好会がコロッケの店を出していた。
二つの店はすぐ近くにあるが、
売る品物が違うため、客の取り合いなどで騒ぎを起こすことはない、
……と、思われていた……。
……サッカー部の部長が、こんなことを言いだすまでは……。
「いらっしゃいませー!おいしいうどんですよー!
―――隣のコロッケなんかより
ずっとおいしいうどんですよー!!」
「なんだとてめぇ!!」
いきなりそんなことを言われたフットボール同好会は、
当然黙っていない。
「本当のことを言っただけだろうが!!」
「ふざけんな!!てめぇらのうどんより、
俺らのコロッケの方がうまいに決まってんだろ!!」
「あぁ!?やんのかコラァ!!」
……このようにして、
冒頭のつかみあいが始まってしまったのだった。
……もちろん、うどんとコロッケは違う食べ物なので、
比較すること自体が間違っているのだが、
両者はそんなことお構いなしだ。
その様子を見て他の部員達は呆れているが、
お客さん達は、関わらないように離れて行ってしまった。
「おいお前ら!!お客さんがどっか行っちまったぞ!!」
『何ぃ!!?』
他の部員の声に驚いた二人が周りを見ると、
すでにお客さんは一人もいなくなっていた……。
「おい!
てめぇのせいで客がいなくなっちまったじゃねぇか!!」
「ざけんな!最初に言い出したのはてめぇだろうが!!」
言い出したサッカー部の部長と、
言い返したフットボール同好会のキャプテンの言い争い。
……他の部員達は、もはや呆れ果ててものも言えない様子だ。
「だったら俺らのコロッケを食ってみろよ!!
いかにてめぇの言ってることが間違ってるかが分かるぜ!!」
「へっ!ならお前は俺らのうどんを食えよ?
あまりのうまさに言葉を失うぞ!!」
何故か互いの品物を食べ合うことになった二人。
(けっ!なんだこのまずそうなコロッケ、
こんなちんけな物を客に出そうだなんて、
どんな神経してんだ?)
(おいおい、なんだよこのうどん、
こんな物が俺らのコロッケより上?
あのバカ、一回眼科行ってきた方がいいんじゃねぇの?)
そして、二人は相手の品物を食べ、
同じことを思い、そして―――――
((う、うまい!!!))
同じぐらいのショックを受けた……。
(バ、バカな!!なんだこのコロッケ!?
外はサクサク、中はふわふわ、
ソースなんてかかってないのに、
それが全く気にならない程、
具にうま味が凝縮されている!!
俺が今まで食べたコロッケの中で、
一番だと認めざるを得ない!!
これが一つ50円!?
あいつら、
コロッケ界に革命を起こすつもりなのか!?)
(う、うまい!うますぎるぞ、このうどん!!
コシの強い麺にからんだこの汁のうま味……、
あまりのうまさに一瞬意識が飛びそうになったぞ!!
こんな物があっていいのか!?いや、いいはずがない!!
これの存在を許してしまったら、
そこらのうどん屋は
全て詐欺まがいの商売ということになってしまうぞ!!)
お互い、あまりに相手の品物がおいしすぎたため、
相手の品物のことを、思わず認めてしまっていた。
……しかし。
((………だ、だめだ!!認めるわけにはいかない!!
認めたら……、
自分達の負けを認めることになってしまう!!))
その事実(思い込み)に気づき、
そして次の行動をとるまでの時間は、両者ともほぼ同じだった。
「けっ!!全然話にならねぇな!!
こんなにまずいコロッケが一つ50円?
ぼったくりにも程があるぜ!!」
「そっちこそなんなんだよこのうどんは?
あまりのまずさに一瞬意識が飛びそうになったぞ!!
今すぐ店じまいした方がいいんじゃねぇか!?」
……そう、結局お互いに相手を認めることができなかったのである。
(こいつ……俺らのうどんがまずいだと!?
このうどんは俺達の汗と努力の結晶だ!
まずいわけがねぇ!!
……だ、だが、あいつらのコロッケは『本物』だ……!!
まさか、あいつらの基準では、
俺らのうどんは『まずい』の内に入っちまうのか!?
それほどまでにレベルが高いのか!?)
(俺らのコロッケがぼったくりだと……!!
ふざけんな!!
俺達は最高の味と最低の値段で勝負してるんだ!!
……し、しかし、あいつらはこの『反則級』のうどんを、
一杯たったの150円で出してる……!!
それに比べたら、
俺らのコロッケの値段は高すぎるってのか!?
それほどまでに利益を捨てなければならないのか!?)
自分達の努力を否定するかのような言葉に憤慨しつつ、
けれども相手を認めてしまっているがゆえに、
その言葉すらも受け入れかねない状態だった。
……のだが……。
((だめだ!!それだけは……、
それだけは認めるわけにはいかないんだ!!))
自分達の努力だけは、仲間たちとの誇りだけは、
決して否定してはいけない。
そのことに気づき、我に返った二人は、
こう言い放った……。
『勝負だ!!』
そう、今日の売り上げで勝負し、相手を下すことによって、
自分達の誇りだけは、守り抜こうとしたのである。
(俺達のうどんは、最高の物だ……!
だが、今回は相手が悪すぎる……!!
……負ける、かもしれない……。
だが!!例え勝機のない戦いだとしても!!
自ら負けを認めるより、正々堂々と戦って、
その結果敗北した方が、何百倍もマシだ!!)
(……認める。
お前らのうどんは、すごい、すごすぎる。
俺らの、コロッケよりも……。
でも、負けたくない……。負けたくないんだ!!
お前らの方が上だと分かっていても、
この気持ちだけは、裏切るわけにはいかない!!)
かくして、サッカー部とフットボール同好会の模擬店による、
売り上げの勝負が行われた……。
その日、阿琉大学の学園祭で、
常識外れの味・価格のうどんとコロッケが販売された。
………当然客が殺到し、
一時間後、両方ほぼ同時に完売してしまったのは、
もはや言うまでもないだろう………。
自分の通っている大学で学園祭があったので、
そこで思いついた話です。
……本当にノリと勢いと思いつきで書いたので、
ストーリーもギャグも、主人公達の名前も考えてません。
……そんなお話ですが、
ここまで読んで頂きありがとうございました!!