第4話 罪悪感なんてありません
この作品の最大の迷言、爆誕(`・ω・´)
「俺……死んだのか?」
太郎がどこか他人ごとのように言った。
すると、ルカはうなずいた。
「うん、鈴木太郎クンは死んだ。トラックに轢かれて。」
「……で、俺が、転生できるって?」
太郎は、ルカの言葉を確認するように聞き返した。
「うん、そうだね、キミたちが大好きな”異世界転生”ってやつ。」
しかし、太郎は口を尖らせた。
「ちょっと待て。」
「うん?」
太郎の様子にルカは首をかしげた。
それから、太郎は言った。
「勝手に、異世界転生が好きだって決めんなよ。」
「うわっ……めんどくさい反応。」
ルカは苦笑した。
「めんどくさいとか言うな。」
太郎の反応に、ルカは頭を抱えた。
「うーん、ちょっと会話が成り立たないなぁ……」
そして、ポンと手を叩くと、太郎に白く輝く光の球を投げてよこした。
「わっ!?」
太郎は思わず得体のしれない光の球をかわそうとした。
しかし、光の球は太郎をめがけて方向を変え、そして吸い込まれた。
「うわっ!?ちょ、なにこれ!?なんか入ってきた!?」
大騒ぎする太郎と、うんうん、とうなずいているルカが対照的だった。
「あはは、変なものじゃないから安心しな。」
ルカがケラケラ笑うと、太郎は悲鳴を上げた。
「怖いに決まってるだろ!」
しかし、ルカは相手にせず、太郎をじっと見つめていた。
すると、太郎は不意にだまり込んだ。
それから、独り言を言い出した。
「……え?俺、死んだ?……異世界転生?……まじか?」
眺めているルカの視線も気にせず、太郎はつぶやき続けた。
そして、太郎はルカに顔を向けて、言った。
「……え?あんたみたいなのが神様?」
「そう見える~?」
ルカはニヤニヤしながらはぐらかした。
「見えねーな。」
太郎が言い切ると、ルカはうなずいた。
「それで正解。ただの世話役だし。」
そして、そのルカの言葉に太郎は首をかしげた。
「え?でも、俺、転生するんだろ?」
「そういうことになるかな。」
ルカがうなずきもせずにそう言うと、太郎はたずねた。
「え、そんなのあんたがやっていいの?」
「え?」
太郎の問いに、ルカは意味が分からなさそうに首をかしげた。
「いや……なんだろうな。その……ん?……なんか大事なものが……」
太郎は自分でも何を聞きたかったのか、わからない様子だった。
ルカは太郎の様子を黙って見ていた。
すると、太郎は思い出したかのように言った。
「転生って……俺の魂、勝手に使ってるってことだろ、それ。」
「えええ……何、その雑な理屈。」
ルカが思わず苦笑すると、太郎が口を尖らせた。
「雑って言うな。」
すると、ルカは自分でうなずいた。
そして、太郎の目をまじまじと見つめて、一言だけ言った。
「魂、イズ、アンタッチャブル。オーケー?」
太郎は、反射的に返した。
「何語だよ、それ。」
「地球語。」
ルカが真顔で返すと、太郎はにべもなく言った。
「そんな言い回し、聞いたことねーよ。」
しかし、太郎の返しを気にかけず、ルカは言った。
「まあ、そんなことはどうでもよくて、とにかくオレの仕事はキミを“転生”させることだからね。」
「ちょっと待て、人の魂をどうでもいいとか言うな。」
太郎が食い下がると、ルカは苦笑した。
「誰もそんなこと言ってないでしょ……」
そして、一息ついてルカは続けた。
「それに、キミにとって大事なのは、キミがキミだってことじゃないの?」
「んっ……?」
太郎はルカの言葉に返す言葉が思いつかなかったのか、黙り込んだ。
「まあ、それはそれとして、キミにはこっちで働いてもらうよ、ってことだよ。」
「うーん……」
太郎が腕を組んだまま考え込むしぐさをしてみせた。
「あはは、やめときな。どうせ考えても答えなんか出ないんだから~」
ルカはケラケラと笑いながら言った。
「あんた、失礼なやつだな。」
太郎が口を尖らせると、ルカは首をかしげた。
「事故死した立場なのに、次の機会を手放しちゃう、残念な子なのかな?」
「言い方!」
太郎が悲鳴を上げても、ルカはどこ吹く風だった。
「あはは、まあ、死んじゃったものはしょうがないんだから、受け入れな~」
その言葉に、太郎は毒づいた。
「ちっ、陽キャは悩みがなさそうで羨ましいぜ。」
すると、ルカは肩をすくめた。
「じゃあ、オレに悩みがあるって言ったら聞いてくれる?」
「興味ねーな。」
太郎があっさりと言い切ると、ルカもうなずいた。
「そういうこと。お互い、相手の悩みなんてどうでもいいでしょ。」
太郎は口を尖らせた。
「身も蓋もねーな……手違いで死んだ俺に対する罪悪感はないのかよ……」
「わーお、そこ、突いてくるかぁ……」
ルカは苦笑した。
それから、ルカは肩をすくめて言った。
「ま、“手違い”の責任はオレのじゃない。だから罪悪感なんてないよ?」
「ちょっ……待てっ……」
太郎はルカの言葉にあわてるが、ルカは苦笑した。
「もちろん、キミの身柄を引き受けた責任感はあるから、誠意くらいは見せるよ。」




