第2話 宇宙管理者ルカ
トラック転生に理屈をつけたバカがここにいます(`・ω・´)
オレの名前はルカ。
ある宇宙の管理者をやってる。
で、今は地球って惑星に来てるよ。
ちなみに、地球はオレの管理区域じゃない。
だって、宇宙が違うし。
ついでに言えば、領域も違うし。
ああ、領域って表現は馴染みがないよね。
じゃあ、「異世界」って言おうか。
オレにとって、地球は異世界ってことで。
オレのいる世界の名前?
知らないよ、そんなの。
だって、自分の世界の名前なんて考えないでしょ。
異世界に渡れるのかって?
まあ、ウチにはマニュアルがあるからね。
自力だけで渡るのは無理だなぁ。
でも、管理してる宇宙の人たちからはね。
うん。
わりと神様呼ばわりされるかな。
まあ、違うんだけどね。
オレごときにはもったいない称号だよ。
まあ、たしかに人から見たらすごいことをやってるかもね。
でもそれって、手品みたいなものだから。
じゃあ、神様はいないのかって?
ノーコメント。
手品でできることと、手品以外の可能性がないことは違うからね。
さてさて、それはそれとして。
今、オレは勇者を生き返らせるために地球に来てる。
ノリと勢いで引き受けちゃったからなぁ……
でも、ちょっと失敗したとは思ってる。
簡単にはできなくて、道具っていうか材料が必要だから。
身体が壊れて死んだくらいなら簡単なんだけど。
ていうか、オレがやらなくてもいい。
でも、身体だけじゃなくて、第二表皮まで壊れてるからなぁ……
第二表皮をちゃんと直すのは難しいからね。
そういうわけだから、神様ルカ様助けてください、ってわけ。
ああ、ごめん。
第二表皮っていうのは、まあ、記憶とか感情とかその辺をまとめたやつ。
まあ、人でも、頑張ればやりようはあるけどね。
勇者の人格とか、精神とか、どうでもいいよっていうなら。
もちろん、ろくなことにならないから、オレがお願いされちゃうってわけ。
ちなみに、オレでも万に一つくらいは失敗するからね。
その時は、文句は言われるけどね。
もちろん、華麗にスルーだよ。
でも、第二表皮を直すためには、魔法でえいっ、とはいかない。
素材をかぶせて、後は自分で治ってもらうしかない。
皮膚移植みたいなものだよ。
まあ、第二表皮を直すなら、第二表皮を使えばいいんだけど。
でも、第二表皮そのものを、勝手に取っちゃダメ。
生存中の人のは論外だし、死んだ人のでもダメだから。
そんなことしたら、オレ、絶対にクビ。
でも、その辺は大丈夫。
第二表皮ならちょっとした抜け穴があるからね。
そのものじゃなくても、かけらがあればなんとかなるから。
もちろん、第二表皮のかけらなら何でもいいわけじゃない。
時間が経つとまともなかけらは弱くなっちゃうから。
でも、強けりゃいいわけじゃない。
例えば、近づいちゃいけない場所をうろついてるやつとか。
あんなの拾うやつはいない。
皮膚移植に腐った皮膚を使うやつなんていないよ。
だから、死にたてほやほやが一番。
あと、自分が死んだって気づかない方がいいよね。
いきなり死んじゃったやつ。
そんなわけだから、第二表皮のかけらを拾いにやってきたんだよね。
地球の日本に。
人口が多い惑星だからね。
不謹慎だけど、突然死の数は多い。
日本は特に「異世界転生」っていう創作分野があるからね。
いろいろと話が早い。
――あ、ちょうどトラックにひかれた子がいる。
不幸な事故だよ、本当に。
まあ、オレの運はいいのかもしれないけど。
ああ、死んだ子が肉体から離れて、第二表皮で上がってくる。
そうだね、戻ろうとするのはわかる。
肉体の上空を何度も回って、戻ろうとしているからね。
でも、やがて諦めて、空の方を向いた。
それから、何度か名残惜しそうに地上を見下ろしながら、天に昇っていった。
その姿を見送りながら、オレは冥福を祈った。
第二表皮のかけらをこぼしてくれるのはありがたいよ。
でも、子供が死んでいいわけないだろ。
オレの管理してる宇宙じゃなくても、人が死んだら冥福を祈るよ。
それくらいのことはするよ。
ちゃんと、成仏するんだよ、少年。
まあ、それはそれとして、オレは仕事をするんだけど。
死んだ少年の第二表皮がこぼした白い蒸気のような何か。
これが、お目当ての残留思念。
オレは、その白い蒸気に近づいた。
それから、豪華な箱を開けた。
白い蒸気は、ゆっくりと箱に吸い込まれていった。
白い蒸気がなくなると、箱はひとりでに閉じた。
よし、これで素材の調達は終わりだ。




