4歳になりました。
お久しぶりです。本日サフィリアは4歳になりました。
あの後順調に成長し、言語的発達面も『少し成長が早いのかな。うちの子って天才じゃない?』と両親に思わせることに成功しました。子供っぽい動きを演じるより、違和感がないように話すほうが難しかったです。
今日は4歳になったので、神殿で自分にある加護の確認に向かいます。
加護って何?となっている方もいると思うので、これから説明させていただきます。
ここフロレンス王国は精霊王と人間が結ばれたことで建国されたという成り立ちにより、この地で生まれ育った者にはその者に相応しい加護が与えられることになっています。
いやー、ファンタジーですよね。よっ、異世界!!
基本の加護は4種類で、火・水・地・風の四大元素に応じたものになっており、大抵の場合は1~2種類の加護が与えられるようです。といっても余程精霊に好かれていなければ、王族・貴族以外は大した力を持たないので基本的に他国の人間と変わりません。
また平民で稀に強い加護を持つ者がいるそうで、そのような者を『精霊の愛し子』と呼ぶそうです。愛し子の力は王族・貴族と同等またはそれ以上になることがあるそうですが、平民100万人に1人いるかどうかという感じで、この王国の総人口が100万人程度なのでもはや都市伝説みたいな扱いです。え、あれって伝説じゃないの?本当にいるの?状態ですね。
なのですが私はすごく嫌な予感を感じています。なぜならば、私は転生者だからです。転生者、絶対なんかあると思うんですよ…。とりあえず悪目立ちしないように祈るしかないですよね……。お願いします、精霊さん!普通でいいんです!!どうか平穏な生活を送らせてください。
コンコン、ガチャ
「サフィー、入るわよ。まあかわいい。よく似合っているわ。さあ神殿に向かうわよ」
「ありがとうございます、お母さん。加護の確認、すごく緊張するのですが大丈夫ですかね??」
ついでに本日の装いは白色のワンピースで、見た目は転生前とあまり変わらず紺目黒髪です。お父さんが黒髪赤目、お母さんが金髪紺目なので少しずつもらった感じですね。
4歳の加護の確認で住民票のようなものに登録されるようで、立派なフロレンス王国民になります。なので門出を意識した格好にしてみました。
「そんなに緊張しなくても大丈夫よ。ただ指に針を刺して、銀のプレートに血判を押すから少し痛いとは思うわ。とはいっても神殿の人も慣れているから問題ないと思うわよ」
「ううー、痛いのは嫌ですー。ちゃっちゃっと終わることを祈ります」
などと話しながら玄関もとい店の出入り口のほうに向かうと、お父さんが店番をしていました。
「サフィー、今日の格好もすごくかわいいよ!まるで小さな花嫁さんみたいだね。二人とも気を付けて行ってきてね」
「ありがとうございます。行ってきます。お父さんも店番頑張ってください」
今日は店の営業日なので、お父さんは店番です。ですが今日は私の誕生日なので時短営業にして、夜はお祝いをしてくださるそうです。
「ギル、神殿に行った帰りに夜ご飯の買い物をして帰ってくるわ。そんなにせずに帰ってくると思うけど、店番よろしくね」
「大丈夫だよリリー。なんなら喫茶店でもよってのんびり買い物してきなよ。気を付けてね」
外に出ると雑貨屋ベルクナーを含む3階建ての似たような建物が左右に連なっており、足元も石畳が敷かれて整えられています。
ここは城下でも比較的栄えた場所で第二階層と呼ばれています。店にある王国の地図によると、王宮の周りに貴族たちが暮らす栄えた第一階層があり、貴族を包むように平民が暮らす第二階層があります。そして第二階層と国境の間には、スラム街のような第三階層と森があります。円が三重になっている感じですね。
神殿は第一階層と第二階層の間で東西南北に1つずつしかなく、第三階層からは馬車で半日の距離にあるそうです。ですので第三階層の人は、住民票の登録ができていないことが多いそうです。
正直加護の確認をしなくても大した力を持たない平民にとってはあまり影響がないものなので、毎日の生活がぎりぎりの人にはする余裕はないそうです。平民にとっては『王国で生きています』という証明を得に行く感じですね。国を跨ぐこともある商人には必要だとは思いますが、暮らすだけなら後回しにしたい気持ちもわかります。
とはいっても転生前は生まれてすぐに出生届によって戸籍を得ていたので、わざわざ自分で戸籍を得るという気持ちで神殿に赴くのは何となく違和感がありますね。
などと考えていると神殿に着いてしまいました。
我が家って結構裕福なんだな。神殿までの距離が近い…。




