自殺する前に、読む本。
これは、LOVEレターです。
産まれてきてくれて、ありがとう。
生きていてくれて、本当にありがとう。
さて、死ぬ前に本当にやり残したことはありませんか?
いま死んでも後悔はありませんか?
どうせ死ぬなら、最後に本当に好きなことやってから死にませんか?
まあ、周りに迷惑をかけない程度にね!
それが、終わってから死にましょう♪
死は、いつか必ずやってくるのだから、
死のタイミングは、誰しも、天命なのです。
まえがき
本や楽譜は、先人からの手紙らしい。
あたしも手紙を書こう。
本という、LOVEレターを書こう。
大切な人へ
まだ見ぬ未来の人々へ
一一一届きますように。
別に今すぐ、届かなくていい。
いつか人生のステージが変わったときに思い出してくれたり、
生きるのがしんどいときや
なんか上手くいかないときに
手に取ってパラパラとめくってみてほしいです。
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■解放①
遺書は、各自にLINEしました。
死ぬ怖さを紛らわすために、
苦手な日本酒を瓶半分と
大好きだったストロングゼロのレモンに
呑みに呑まれて、
酔っぱらっているので、誤字脱字は許してください。
私は、これから死ぬのではありません。
この社会という狭く辛い鳥かごの中から旅立つのです。
眼前に立ち込める暗雲を突き抜け、
真っ直ぐに突き進んだ先の蒼い大空を目指して、
悠々と
翔んで、
翔んで、
翔んで、
羽ばたく、鳥に生まれ変わるのです。
それでは、みなさん、
今までありがとうございました。
視界が、暗闇に包まれていく、怖くない。
気持ちいいぐらいの暗闇だ。
だんだんと意識が遠退いて、
完全に、
鳥かごの網が見えなくなった。
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■男の懺悔①
生まれたときから、死ぬまで本当にハードモードでした。
幸せなこともあったけども、
辛いことの方が本当に多かった。
楽になりたい。
自由になりたい。
生き苦しい。
常に、酸欠(幸せ枯渇)でした。
今から思えば、
幸せはいつもすぐ側にありました。
ただ、余裕がなかったので、
そのささやかなシアワセに気付けませんでした。
当たり前に思っていたものが、
所謂、幸せでした。
気付けなかったので、
刺激を求めてしまいました。
刺激での幸福感は、
一過性のもので、
また強い刺激を求め、
さらに、さらにと
自分を追い込んでしまいました。
後悔しかありません。
私の至らない選択によって、
不幸にしてしまった方々に、
文字どおり、
死んで、心よりお詫びをしたいと思います。
弱い自分でごめんなさい。
いや、
ここまで自分を追い込んで生きてきた、
我慢してきた自分を誉めてやりたいぐらいです。
一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一
■死の前①
息子も寝かしつけたし、
もうそろそろ残業から妻が帰って来そうです。
まあ、これで死んだら死んだでいいし、
息を吹き返すことができたら、
一回死んだと思って、
こんどこそ、
この世で、
自分の人生を生きてみようかな。
一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一
■感謝
妻には、本当に迷惑をかけました。
だけど、
今の自分がいるのは妻のおかげでもあります。
大学生活、部活、就職試験、家族、愛する息子。
本当に幸せな日々の想い出たち。
節目節目で本当の意味で支えてくれたのは、妻です。
十分に分かってます。
分かってるけども、気持ちがついていきませんでした。
本当にごめんなさい。
大切にしたかった。
二人でいろんなところにいって、いろんなものをみて、
毎日くだらないバカなことを言って、
笑い合いたかった、ずっと。
じいさんばあさんになったら、縁側でお茶を一緒に飲もうって夢と約束。
守れなくてごめんなさい。
一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一
■死の前②
「そうまは、必ずいい子になるから、
あとは、よろしくお願いいたします。」
視界がだんだん暗くなっていく。
息苦しい、 が、
この社会での終わりのない息苦しさよりも、
今の息苦しさの方が心地よいかもしれないなぁ……
…………………………返事がない。屍のようだ。
一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一
■妻のトラウマ①
今朝、不穏なLINEが旦那からきた。
「今日、自殺します。」
今までも何回も何回も死ぬ死ぬ詐欺があった。
今回もまたか。
構ってほしいんだろうな。
残業しながら、職場のみんなと談笑していた。
いつものことなんですよ。
「帰った方がいいんじゃない?」
この方の言葉をもっと真剣に受け止めるべきだった。
このとき、帰っていれば、
もしかしたら、間に合ったかも知れない。
ずっと、ずっと、鳴り響く
帰った方がいいんじゃないか
と言う言葉と、
残業している、職場の風景とあの空気感が、鬱陶しく脳裏と身体に纏わり付いてくる。
いくら、ぬぐってもぬぐっても取れない。
垢のようにこびりついたトラウマの一つである。
一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一
■全うに生きているだけで、損をする
22時、今日も残業をこなした。
達成感なんてない。
本当は残業なんかしたくない。
早く帰って、あったかいお布団の中で、
キャッキャッ言いながら、マジカルバナナし、
眠りにつきたい。
おもいっきりそうまを抱きしめて、
そうまの温もりを感じながら眠りたい。
それは、簡単には叶わない。
いつも残業から、帰ったら、そうまは眠っている。
そりゃそうじゃ。(オーキド博士風に)
帰ったら22時30分。
それから、机の上や、家の流しを片付け、食洗機をかけ、明日のご飯のタイマーをかけてから、お風呂に入って、やっと床につく。
それが、日課だ。
決算の時期はしょうがないのだよ。
みんなで山盛りの仕事をこなしながら助け合うのが残業。
期限守らずに、提出してくる他課や各担当のせいで、
自分の時間や命、
私生活を削り取りながらするのが残業。
期限が間に合わない。
やり方が分からない。
このままじゃ迷惑をかけてしまう、
残業しなきゃヤバい!
対して心の片隅では、
なんで、ちゃんとしてない人のために、
あたしの私生活が削られないといけないんだろうか。
ちゃんとしてない人は、
あたしがどんな思いで仕事をしているのかとか、
どんな苦悩や苦痛を抱きながら仕事しているのかとか、
想像できないだろうか。
まあ、家に帰ってきっとビールでも飲んでるだろうな。
所謂、シワ寄せってやつだな。
流動性、柔軟性、一枚岩じゃないものには、どんなものでもシワ寄せができる。
例え、いくら執拗に整えても、
どこかしらに、シワはできる。
組織なんて、そんなもの。
一枚岩になって取り組もう!って考えは、
とても正論かつ正当だけども。
現実は、
いろんな価値観の人間が存在するので、
不可能に近い概念だと思う。
たいてい、岩の重要な部分に、亀裂が走るもんだわ。
だから、最初から100%完全無欠を目指さないでいいと考えている。
働きアリなんかがいい例じゃないだろうか。
柔軟性を持って、備えあれば嬉しいな。
一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一
■異変を感じる
そんなことを考えながらも
さて、残業後の日課を済ました。
そうまと眠ろう。
暗いまま階段を上がり、
そうまの横に入り、抱きしめる。
あれ?
なんか暗闇の向こう側に人気がない。
あれ?旦那どこ行った?
跳ね起きた。
寝室のドアを開け、
向かいのドアを見ると、
薄暗い闇のなかに、
怪しくテカるロープが、
ドアノブからドア上部を通っているのが見えた。
ドアノブを捻り、押してあけようとするも、
開かない。
何かがつっかえているようだ。
……旦那だ。
10センチぐらいの隙間から、
旦那をドアごと、渾身の力で、押し込んだ。
ロープが邪魔!
ロープが首からなかなか取れない。
どんだけきつく縛ってんねん。
ばかやろー!
声をかけても、叩いても返事がない。
「何してんの?!
ふざけてるんじゃないよね?!
救急車呼ぶけんねっ!!」
スマホで電話をかけようとするけど、
焦って、指が震えて、何回もたった3つの番号、
119が
正しい順序で押せない。
やっと繋がった。
救急隊員から心肺蘇生の指示が入る。
旦那の胸の辺りを押す。
硬い。
こんなに人間って硬いの?
全く凹まない。
あー新人研修のときに、もっとちゃんと心肺蘇生真剣に聞いとけばよかった。
えっ、テンポってアンパンマンの歌歌いながらだっけ(泣)
もう、わけわからんわぁ。
全然役に立てんわ。
「なんで、そうま寝たの!!」
気付いたらそう、叫んでしまっていた。
そうまが起き上がってきた。
「お母さんどうしたの?」
ヤバい、起きてしまった。
見られたくなかったのに。
だが、そうまが起きたおかげで、
救急隊員が玄関から入るために、玄関の鍵を開けられる。
勝機が見えた。
このまま心肺蘇生を中断せずに、玄関の鍵を開けられる。
「そうま!玄関の鍵開けてきて!」
そうまは何が起こっているのか、
理解できなくて、
慌てふためいて何か言葉にならないことを叫んでいた。
「いいから!玄関の鍵を開けてこいっ!!」
あたしがそう叫ぶと、
いそいそと玄関の鍵をあけ、
戻ってきて、
騒がしい様子を、
ただぼうぜんと寝ぼけ眼で見ている気配だけした。
救急隊員、遅い!
ノース消防からどれだけ時間かかってんだよ。
心の中で、そう吐き捨てながらじゃないと、やってられない。
やっときた。
心肺蘇生をかわり、隊員が無線機で指示を取りながら、
いろいろ準備し、救急車に乗った。
あたしとそうまも乗った。
カンフル剤を注射した。
心の中で、安堵した。
カンフル剤打つってことは、まだ生きてるってことだろうな。
よかった。
救急者って、案外スピード出せないんだね。
あたしが車で運んだ方が、なんぼか早く着けたし。
と思いながらも、まあ担げないなと救急隊員に心の中で感謝した。
病院に着くまでに時間がかかっていたので、
無線機でもう一回カンフル剤打っていいか指示を得ていて、
二回目を打った。
あーよかった、まだ生きてる。
言葉の通りに、旦那は死ぬほど自由になりたかったんだな。
目を覚ましたら、今度は旦那を自由にしてあげよう。
そう、心に誓った。
病院に着いて、旦那の両親も合流した。
旦那は母親にも死ぬことをLINEしていた。
『今まで、ありがとうございました。』
残業中もそのことで、
旦那の母とあたしはやり取りしていて、
旦那の母が寝る前に旦那の様子を見に行ってくれていた。
旦那の母から、そうまと旦那が仲良くMinecraftのゲームしていた。
と報告を受けて、
あたしは残業していたのだ。
それで、この展開。
寝てからお酒飲んだんかぁ。
昔から、お酒を飲むと変なことになる人だった。
学生時代から飲んでは、粗相の繰り返し。
ただそんな様子がおもしろおかしくて旦那は人気者だった。
飲み会での伝説や迷言は思い出すだけでも、
本当にいっぱいある。
『ノーモーション』『気のせい、木の精、森の精。』『◯◯さん、美人ですね!(笑)わっしょい!わっしょい!(笑)』
いつも何にも考えてないように、
ただ酔っぱらって自分だけが楽しんでいるように、
みんな見えていたと思うんだけども。
実は、旦那はあたしにだけ話してくれたことがある。
「飲み会で、ぽつんといる人が、なんだか放っておけなくて、いろいろ考えて、その人が楽しめるように、構いにいってるんだ。」
「だから、俺が飲み会のときに、お前のところばかりに行ってたのは、別に好きとかじゃなくて、放っておけなかった、俺の優しさなんだわ。勘違いして告ってきたけどな(笑)」
って言われたんだわ(笑)
本人には言えなかったけど、
別に勘違いはしてないけどな。
そうやって、おもしろい君が好きだっただけ。
盛り上げ役、本当はめちゃくちゃ頭いいのに、誰よりも思慮深くて、優しいのに、バカなキャラを道化のように演じている。
そんな君が好きだっただけ。
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次に続く
おっ、まじか。
あとがきまで読んでくれて、ありがとうございます。
身バレ必須なキーワードがわんさかです。
特定しようと思ったら特定できるでしょう。
ただ、そんなことしても、あなたは幸せにはなれません。
その検索する、貴重な自分の時間=命を、もっと大切なことへ使いましょう!
あたしは、常々「ライフパフォーマンス」を意識しています。
昔は、コスパ重視でした、最近はタイムパフォーマンス所謂、タイパってやつです。
さらに、あたしは、タイパでは納得できない事柄に対して、ライパがいいから、いいのだよ。
と心で受け流しています。
ライフ = 生命、生活、人生。そういうものが、満足できるようなパフォーマンスを得れるなら、OK的な。
例えば、スポーツとかコスパは悪いし、タイパも悪いし、なにがメリットだろうって考えたんです。
そうか、ライパがいいんだ。
って気づいたんですよ。
お金や時間がいくら費やされてもね
心が満たされるんです。
そうやって、ライパを軸に生きていくとめちゃくちゃ楽になったんです。
どうせ生きるなら、わざわざハードモード選ばずに、ピースモード選びましょうv