お茶会のできごと2
挨拶回りが始まると私は、そっとソフィアの後ろを歩き毒見役の出番がくるとさっと隣に立ち毒味をする。
ソフィアが持参したお菓子は、可愛い形をした砂糖菓子だった。
元の世界にあるケーキの上にちょこんと乗っているサンタや人形の砂糖菓子アレだ。
美味しいというより見た目を楽しむ菓子だ。
それにしても貴族は糖尿病になるんじゃないかと心配するくらいに甘党だ。
砂糖菓子や飴細工ばかり。
先生方の挨拶回りだけで口の中が甘くてたまらない。
これからは、権力や実績がある先輩方々の挨拶回りだ。
あぁ、煎餅が食べたいと思いながら移挨拶回りを進めていくとどことなく金髪のショートヘアで顔立ちがソフィアに似ている女性の席の番になった。
この席順だとかなり権力が強い貴族だ。
「お姉様、初めてまして。
私は、ソフィア.アルデライト・フィオラルといいます。
どうぞ心ばかりの贈り物ですがお楽しみいただければ幸いです」
ソフィアがそう言うと
「おーほぉほほほ、このルモニア.ドゥーデン.フィオラルが挨拶を受けしょう。
それにしてもこの砂糖菓子のようにあなたも田舎くさいのね。
でも大切な妹なんですもの大目にみなくては」
と高笑いしながら言う。
(彼女がソフィアのお姉様か。
ちょっと嫌な感じだなぁ)
と思いながらソフィアの隣に立って毒味をする。
するとルモニアと目があった。
「あら、あなた人間なの?」
彼女は、珍しい物でも見るように言う。
「はい、ソフィア様のメイドをしております」
するとルモニアは、汚らしい物を見たように口をハンカチでふさいで言う。
「ソフィア、この神聖な場所に人間を連れてくるのはよろしくはないんじゃなくて」
どうやらお姉様は、人間をあまりよく思っていないエルフのようだ。
「そうね」
「この場にはふさわしくないわ」
周りの席に座る貴族達からも声があがる。
「お姉様、こちらのケイは私の町を化け物から守ってくれて今もこうして毒味役、メイドとして私に尽くしてくれるのです。
お姉様でもそのようなもの言葉は」
「だまりなさい、ソフィア。
毒見やメイドはできてもこのような公の場に連れてきてはいけないわ。
それに人間が化け物を退治したなんて嘘は言ってはいけませんよ。
目立ちたい気持ちは分かります。
でも、こういう場は控えめにして目上の人を立てなければ。
ね?」
ルモニアがまるでいうことを聞かない妹を言い聞かせるように言う。
「しかし、、」
ソフィアが言おうとすると
「ソフィア、大丈夫?」
と知らない赤髪のロングヘアーのエルフの女性が話しかけてきた。
彼女は、背が高くスラッとしていて赤いロングドレスもよく似合う。
「あ、アネロ」
「ソフィア、今は心をしずめて。
初めてましてルモニア様、私はアネロ.パウロス.グラウディアと申します。
心ばかりではございますが、こちらをどうぞ」
とアネロが持参した菓子をルモニアに渡す。
その横でアネロの毒見役が菓子を一口食す。
その様子をソフィアがじっと見ている。
アネロは、今までの経緯を聞きながら優雅にお茶を飲むと大きな声で周りに聞こえるように言い始めた。
「ルモニア様、皆様、ソフィアは嘘はいいません。
ソフィア自身、エルフと人間のハーフでも多くの魔力を持っていたではありませんか。
それは、この前のアネモネとの魔法決闘で証明されているはず。
ならきっと側にいるこの者もなにか特別なのかもしれません。
どうでしょう、今節の課題授業にこの者を参加させてみては?」
「なっ、アネロ!!」
ソフィアがそれを聞いて慌てはじめる。
今節の課題とはなんだ?
なんか前に聞いたことがあるような。
「おーほぉほほほ。
これは面白いわ。
是非とも私から先生方に提案してみましょう。
1年生の今節の課題である「モンスター討伐」にこの者を参加させ、見事にモンスターを倒せたら今後この人間を公の場に出すことを許しましょう」
これはあれか?
前にクライド・フリンク・アイルという元王子が言っていた課外授業か。
「でも、モンスター討伐はナイトカレッジの者達がやるんじゃ」
ソフィアが意見を言うとルモニアは、それを否定する。
「ソフィア、将来束ねる者として見学だけではなく、自身体験をしなくては。
ね?」
こうして1年の第1回課題授業は、多くの生徒が見守ることになった。
読んで頂きありがとうございます。
次回は課題授業です。




