メイドの苦難1
「うっゔー、気持ち悪い。
ビリビリする」
私は、気持ち悪さと全身の痺れからこうしてベッドで耐えている。
感覚からして2、3時間。
「30分よ」
リリー先輩が言う。
「私、口に出してましたっけ」
「言葉なら出てたけどね、物は出さなかったわ。
だからなんで食べちゃうのよ。
毒見役なのよ。
毒が入ってるって分かったら飲み込まないで吐かなきゃ。
全部胃が空になるまで」
そう私は毒見役になった。
本来ならニィホーンへ行くために旅人になっ
て元の世界に戻るはずが、いつのまにかソフ
ィアのメイドになって、しかも毒見役になった。
毒耐性があり死なないから平気だけどこの通
り、毒の効果は体験できるみたい。
リリー先輩が言うには、本来なら毒見役はメイドの仕事ではなく身分が低いものを用意するのだとか。
でも、このアドレーヌ町にはそんな身分格差などは無い。
毒見役として働くものを雇っていたらしい。
でも、今回の魔法学校への入学は、金銭面で苦しく雇えなかったようだ。
私は、とりあえずこの1週間で毒の種類を覚えていった。
そして実際に口に入れて吐く事をしてるんだけど、、、無理だった。
だって、食べ物よ。
転生前の私は、食べ物大好きぽっちゃり女子高校生。
美味しい食べ物を吐くだなんてできない。
こうして毎回毒を体験してたおかげで結果としては、毒の種類を覚えるのが早まった。
因みにさっき食べたのはビビリダケとマンゴロ草を混ぜたものだろう。
症状が収まってきたものの舌がまだ痺れる。
それにしても食べた砂糖菓子が美味しかった。
毒入りだって分かってても食べるの止められなかったもの。
ベッドの上でうっとりしているとリリー先輩の呆れてる目線ではっとする。
「それにしても凄いわね。
しっかり1時間後には、元気になるんだもの。
あなた本当に何者?」
コンコン
ドアを叩く音がする。
リリーが声をかけるとそっとソフィアが顔を出して挨拶してきた。
今日のソフィアは、ピンクのドレスに長い髪をアップにしてまとめている。
エルフの耳が凄く目立つ。
「お嬢様、いかがいたしましたか?」
「ちょっとケイに話があって」
「かしこまりました」
リリー先輩が部屋を後にすると私とソフィアのふたりきりになった。
まずい、ベッドに上がったままじゃ失礼なんじゃ。
「お嬢様、失礼しました。
すぐに退きますので」
「やめて。
大丈夫よ。
その、、、毒見役の練習してたんでしょ」
ソフィアが気まずそうに話す。
「本当にケイには申し訳ないと思ってるの。
お父様にも何回も毒見役なんてやめて欲しいとお願いしたわ。
でも、聞いてもらえなくて。
本当にごめんなさい」
「あぁ、私は大丈夫よ。
私のほうがお礼を言いたいわ。
このおかげで魔法学校へ行けるんだものって敬語にしたほうがいい?」
「ありがとう。
ふたりきりの時は、こうして友達でいてくれると嬉しい」
私は、ふと耳を見て
「もう隠さなくていいの?」
と聞くとソフィアは、私の手を握り言う。
「私は、国の第3の王位継承権を持つ者なの」
ぇぇぇええええええええええ!!?
この物語に興味を持っていただき、読んで頂き、
ありがとうございます。
短い文章ではありますが、少しずつ書きたいと思ってます。
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