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アドレーヌの町16

町はまだ復興作業中だが、私達にとっては将来を決める時だ。

状況も状況だから1年先伸ばししても大丈夫らしいが、それは人それぞれだ。


「私は今年度の入学が約束されてるから、名残惜しいけどお別れね」


とソフィアが言う。

いつから入学式なのか聞くと元の世界と同じ春の月からなのだからあと2週間後だ。


私達は、復興の手伝いをしながら教会に来ていた。

教会の建物は、魔法のおかげで元に戻されている。

大工らしき人が、基本石でできてるから教会は楽なんだそうだ。


「寂しくなるね」

ロンが言う。


「で、ロンはお父さんの料理屋受け継ぐんでしょ。

ケイは、ギルドに入って旅人だっけ」


「ソフィアの言うとおりギルドに入れればいいんだけど」


「ギルドの最初の頃の仕事は、今やってる町の手伝いばかりよ。

まともな狩人の仕事は、本格的に成人した16歳頃から。

旅を考えるなら16歳までギルドでコツコツ稼いで貯まったら出発って感じね」


そうなのだ。

現実的に考えれば、まだ小物しか魔物を倒せない子供の私は旅はできないだろう。

この前の化け物2号もいないという保証もない。

本当なら生命樹があるとされるニィーホンにいち早く行って元の世界に帰りたい。

でも、そう簡単に行かせてはくれないみたいだ。

がっかりしていると教会にウィリアムさんがやって来て私とソフィアを見る。


「はぁ、ここにいたんですね。

お父様が呼んでおります、お嬢様。

あとケイも。

ほら、急いで」


呼ばれてソフィアと私は北にある町長の家へ行った。

まぁ、ソフィアの家でもあるんだが、相変わらず立派な赤レンガの建物だ。

中に入ると広いリビングに高価そうな陶器、部屋に入ると立派な暖炉に火が灯っている。

本当に化け物の被害に合わなくてよかった。

これを元に戻すには、魔法を使っても大変そうだ。

ふかふかの椅子に座っていると執事らしき人やメイドらしき女性がせっせと働いている。

ソフィアは、メイドに連れていかれてしまった。

その間に私のテーブルの前には、ささっと高そうなカップに紅茶がそそがれていく。

日頃の暮らしとのギャップについていけない。

すると、町長とネオさん、医師のハイン先生が部屋に入ってきた。

飲んでいた紅茶をテーブルに戻して立つ。

すると彼らの後にフードを脱いだ長い金色の髪をたらし、水色のワンピースに見を包んだ、ソフィアも入ってきた。

フードで隠していたエルフの耳が凄く目立つ。

思わず見惚れていると、ネオさんが

「おい、大丈夫か」

と声をかけてくれてはっとする。

それにしても重々しい空気がある。

ネオさんもいつもより緊張しているようだ。

すると町長が

「さっそく本題に入らせてもらう。

ネオ、何がおきたんだ」


「はっ。

前に討伐できなかった化け物が人や魔物を吸収しながら力を蓄え、この町に来たのだと」


「なぜその討伐できなかった化け物だと分かる」


すると一本の剣を差し出して言う。


「これは討伐の際に犠牲になった我が息子の唯一の剣であります。

今回の化け物の件で私は不覚を取り、化け物の体内に吸収されてしまいました。 

しかし、我が娘ケイが体内から助けてくれた時にしっかり握られていたのです。

ケイによると体内でいた時に息子から託されたと聞きます。

私もかすかに息子の声を聞いたように感じました」


ネオさんは、町長は難しそうに頷く。


「うむ。

では、体内にいてちゃんと意識があったケイの話を聞きたい」 


私は、元の世界の様子は端折って台座からのおきた話をする。

みんな最初は不審がっていたが、徐々にそれぞれ考えることがあるのだろう信じて貰えたようだ。


「その台座にあった石が化け物の核なのかもしれないな。

隊員からは光魔法で退治できたと聞いていたが、これは改めた方がいいかもな」


ネオさんがそういうとハイン先生が


「ケイよ。

最後に力が入っていくように感じたと聞いたが、体は大丈夫かの?」


「あ、はい、特に変わりはないですね」


ハイン先生が私の体を触りながらどこか違和感がないか聞く。

ボソッと「あんだけの魔力を浴びてどうにもならないとは」と聞こえた気がする。

その呟きに町長とネオさんが、何かはっとして目を合わせている。


「ケイよ、すまないがタグの表示を見せてくれないか」


「え?は、はい町長」


私は、言われて通り表示をする。

『ケイ』

【種族】人間

【性別】未定

【年齢】6歳

【クラス】未定

『アドレーヌ町より生まれた無限の子』

【レベル】7

【攻撃力】3

【防御力】30

【魔力】1000000000000000000

(測定不明)

毒性無効のスキルを会得。


「なにこれ」

最初に言葉を発したのは、ソフィアだった。

魔力の部分だけが、まるで小学生が考える数字みたいになっている。

やはりという顔したのは、町長とネオさん、ハイン先生だった。


「やはり、こうなったのじゃな。

無限の子という言葉や毒耐性でなんとなく察していた。

布が水を吸うように、ケイ、お前には物事を吸収する才能があるようじゃ」


「吸収、、、」

ネオさんが表示を見つめている。

その顔はとても複雑そうだ。


「やはり、特異点であったか。

しかもこの壮大な魔力をコントロールできない、いや、やり方さえも知らない者にこの町にいさせるわけにはいかない」

町長が残念そうに言う。


「待ってくれ。

このまま町の外に出してみろ。

下手したら魔力を出すだけの道具にさせられてしまう。

魔力が欲しいやつらギルドだけじゃない色々な組織に狙われる。

私の娘を助けてくれ」


ネオさんが必死に私のために言ってくれている。

その訴えをどうにかしようと考えてくれている町長に


「ソフィアお嬢様のメイドとして雇い、魔法学校へ行かせるのはどうじゃ?」


とハイン先生が言う。


「学校へ入学というのは、金銭的に難しいがあそこには私の知り合いがいる。

教授の手伝いとして面倒をみてくれるよう頼んでみよう。

お嬢様の生活を支えながら教授の手伝いをする。

その教授の報酬が魔法を学ばせてもらうという形になる。

どうかな?ケイ」


いきなりの進路変更に驚く。

でも、この魔力を使いこなせれば元の世界に戻れる一歩にはなるはず。


「はい、やります!!」


こうして私はメイドになったのである。




読んで頂きありがとうございます。

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