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アドレーヌの町14

化け物が一瞬兵士の魔法で怯んだことで、残りの兵士達が閃光玉のような光の魔法を放ち続け始めた。

うめき声をあげて退き始める化け物。

きっとこのまま魔の森へと追いやる作戦だろう。

兵士達の中にロンの兄のアーロンを見つけた。

必死で魔法を放っている。


私は、思い切ってネオさんが埋もれている足側へと近づく。

途中兵士に止められたけど、兵士も魔法を隙間なく放たなければならないため私を止められない。

化け物の足元に来た。

兵士達の光の魔法により化け物が倒れて中身が見えてくる。

今だ!!

ネオさんを見つけるとドロドロを掻き分けて思いっきり引っ張る。


「ネオさん、ネオさん。

起きて、起きて」


叫んでもネオさんは、目を覚まさない。

徐々にネオさんが化け物の体内に引きずり込まれると同時に私の足も沈んでいく。

数分後になるとドロドロは、腰にまできてしまった。

まずいと思った瞬間、触手が蜘蛛の巣のように体を包み体内に飲み込まれてしまった。

ごめん、、ソフィアとロンに危なくなったら逃げることを約束したのに。。




深く。

深ーく潜っていくのが分かる。

最初は、泥の沼の中に沈むように息苦しかったのに今は透き通った水の中にいるようで苦しくなかった。

これが天国ってやつなのだろうかと考えていると強くて白い光に包まれる。

思わず目を閉じて開けるとそこは東京だった。

私は田舎だからテレビでしか見たことないが、渋谷のスクランブル交差点だ。

信号を見ると青信号。

多くの人々が交差点を渡る。

人を避けきれなくてぶつかると衝撃にそなえるとその衝撃はなく、体を通り過ぎていく。


「私、とうとう幽霊にでもなった?

もしかして未練があって幽霊になって元の世界に帰ってきたとか?

でも戻ってきたとしても交差点はないわー。

せめて家とかレストランとか」


と言っているとどこからか青年の声がする。


「こっちだ。

こっちにおいで」


聞こえるビルとビルの間にある方向へ向かうとまた強い光に包まれる。


次に目を覚ますと知らない家の玄関にいた。

2階からどんどんと音を立てて高校生くらいの青年が走って降りてきてリビングへむかう。

追いかけていくとリビングでは、その青年の母親らしき人が食事の準備をしていた。

何を言ってるのか分からなかった。

まるでテレビの音量を消されたように聞こえない。

どうやら2人は、喧嘩をしているようだ。

お互いに怒って何かを訴えている。

しばらくすると青年がテーブルを叩き、2階へと戻って行った。


するとまた白い光に包まれる。

だれかに手を引っ張られている感覚がする。

目を開けるとそこは洞窟内で真ん中には、1つの光り輝く石が置かれた台座があった。

声が聞こえる。


「この石を割って」


台座に近づこうとすると、周りの空気が変わり黒い大きな渦が立ち塞がる。

渦から人形の黒い化け物達が現れた。


「これを使って」


そう青年の声がすると右手に軽い片手剣が現れる。

それを両手に握り、人形に対抗する。

稽古でならったように戦う。

化け物たちが群がってやってくる。

うまく受け身を取りながら1対1になるように移動する。

1対1になったらうまく叩き込み切る。

化け物1体は、強くなく簡単に倒すことができた。

移動し、受け身、叩き込み切るという戦いを何度も繰り返した。

化け物がいなくなるにつれて黒い渦が1人の青年の姿に変わっていった。

しゃがみこみ泣いている。

ようやく全ての化け物を倒して青年の側に寄る。


「どうして泣いてるの?」


そう聞くと青年は、泣きながら言う。


「僕は、母親と喧嘩したまま別れてしまったんだ。

こんなことも望んでなかった。

もう今になっては、僕のことを母はゆるしてくれるかな」


この化け物は、あの青年なのだろうか?

彼が化け物なら彼のしたことは、許されないだろう。

でも望んでやったことではなく、反省もしている。


「大丈夫だよ。

ちゃんと帰ってお母さんに謝ろう。

きっと心配してるよ」


「本当に?」


「私のお母さんが言ってた。

いつだって母親は、子供を想ってるんだって」


私は、そうしか言えなかった。

すると彼は、納得して輝いている石を私に差し出してきた。


「割って」


私は、彼に渡された石を叩き落として割る。

その間には青年は、静かに目をつぶっていて割った後には、消えていた。

彼が消えると頭の中にいくつも映像が入っていき、割った石の輝きに包まれる。

まるで私の体に入っていくようだ。

すると今度は、急に後ろにに引っ張られる。

ハッと目を覚ますと、右手に剣、左手にネオさんを掴みうつ伏せで倒れていた。

頭を上げると化け物は、足元から灰になっていってる。


「我々の勝利だー!!!」


数名の兵士が声をあげると他の兵士達も


「おおおおお!!」


と雄叫びを上げる。


私はその様子を呆然と見ているしかなかった。

読んで頂き、ありがとうございます。

もし良かったら☆☆☆評価頂けたら嬉しいです。


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