表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/39

アドレーヌの町10

ネオが深刻そうな顔になり、話し始めた。

親愛する息子、コクのことを。


コクは長年苦労してできた唯一無二の1人息子だった。

なので、ミナの出産時にはネオだけじゃなくネオの兄であり町長のウィルもその場に立ち会い喜んでくれたのだという。

コクは、すくすくと育っていった。

外見は、ネオにそっくりなのだが目がミナの母親似。

性格は、子供にしては大人しくいつもはしゃぐネオを落ち着かせていたから周りの人は、その様子を見て子供はどっちなんだかなんて笑っていた。

そんなコクも9歳になり、父親と同じ兵士の道を歩みたいと聞いた時、ネオは大声で喜び泣いたという。

それから兵士見習いになったコクは、順調に訓練し、仕事を成し遂げていく。

将来は、兵士長のあとを継ぐのではないかと言われるくらい立派になった。

それはコクが18歳の頃であった。

その歳になると都へ行って出世を考える者もいる。

実際ネオは、18歳になると一時都へ行き軍に入ったり、辞めてギルドへ通ったりとやんちゃしていた。

だが、コクは違った。

コクは、この町の住民と1番親しくしていてずっとこの町を守りたいと言った。

その姿は、家を守るミナにそっくりだった。


そんなある日の事、ギルドから1人の青年が中級の化け物を倒す依頼を受けて魔の森へ行った。

しかし、3日間経っても帰ってこなかった。

心配したギルド側の依頼を受けて数人のハンター達とネオ兵長を含む数人の兵士達で魔の森の捜索を開始した。

数時間後、震えてしゃがんでいる青年が見つかる。

声をかけても

「どうして、どうして俺はレベル99いってるんだよ。

負けるはずない。

なのになのになのにぃぃぃ」

と言っている。


すると1人の兵士が


「こいつ異世人かよ」


と侮蔑する。

異世人とは、異世界から来たとか自分のレベルがなんとか言っている一種の病人だ。

常識が通じず問題ばかり起こすので、侮蔑をこめて「異世人」と呼んでいる。

この青年もその類なのだろう。

保護しようと再度声をかけたその時、奥の方から異様な音がし始める。

魔物とは違う音にみんなが注目する。

すると一瞬でハンターが消えた。

その隣にいた兵士も叫び声をあげながら足に触手に引っ張れ消えた。

これはまずい。

木々から出てきたのは、ドロドロした黒い背の高い人型をした化け物だった。

退却の合図をだす。

みんな動き始めたのに、異世人の青年はまだしゃがんでなにか言っている。

しまったと思った瞬間、人型した化け物からぐぱぁとドロドロした触手を体から出し、青年に向かって伸びていく。

しかし、その触手は青年には届かなかった。

身代わりにコクが受けたのだ。

やめろ、

一瞬でコクは引っ張られ上へ持ち上げられ、

化け物の口の中へと入っていく。

やめろ、

やめてくれぇぇぇぇ。

ゴクンと飲み込む音がした。

そこからは、あまり記憶がない。

叫び、震えて戦いに動いたのは、覚えている。

しかし、部下の兵士達に必死に止められ退却した。

気がつくと門の側に来ていた。

なんとも表せない絶望が襲ってきた。

数日後経ち聞いた話によると異世人の青年も保護されたのだが、ギルドにいたはずなのにまるで消えたようにいなくなったのだという。

コクが命がけで助けたというのに何も言わずに消えた。

絶望と同じ怒りがわいてくる。

この時に息子を殺した化け物と異世人を憎むようになる。

次に出会った時に必ず仇はうつ。

そのために週1度やつを探すために排除作戦をすることをウィルに説得し、始める。

そして1年経ったコクの命日の日にケイが見つかる。


「コクが生命樹で生まれ変わってきてくれたのかと思った。

でも、そんなはずはないんだ。

あいつに食われたんだから、生命樹で生まれ変われるはずないんだ。

ケイは、側にいてくれ。

頼む。

もう失いたくないんだ」


ネオの願いになにも答えられずにいた。

私は、ネオの嫌いな異世人で元の世界に戻るために生命樹へ行きたいんだ。

どうすればいい。

どう答えればいいのか考えていた。

読んで頂きありがとうございます。

もし良いなと思えたら☆☆☆の評価頂けたら嬉しいです。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ