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三話「痛みと死と生」

目を覚ました場所は、さっきセーブした場所だった。

これが、死に戻りというものだろうか。

「うっ・・・」

だが、ズキズキと痛みは残っているようだ。

「はやく・・・。終わらせた方がいいな」

熊の居る場所まで、急いで戻ってきた。

ピエロの作った、看板に書いてあった【なんでも食べる】というのは、本当だったようだな。

また餌を持ち、すばやく走り出す。

ゆっくりしている暇は無い。速い熊の攻撃をギリギリでよけながら、袋の中の餌を皿の中に入れた。

これで、大丈夫・・・。

「わっ」

後ろに居た熊が、私を持ち上げたのだ。だが、すぐ隣にゆっくりとおろされた。

私より大きい熊は、餌をガツガツと、音をたてながら食べ始めた。

「じゃまだったのか」

餌を皿の中に入れただけで、熊はこんなにおとなしくなるのか?

・・・、ならないよな? ふつう。

「やはり、ピエロの作った餌に何か入っているのでは?」

餌を食べ終わると、熊はゆっくりと霧の様に消えていった。さっきの看板が、刺さっている。


【おめでとうございます!

隊長は、この先に行ける権利を与えられました。

カワイイ熊さんに重たい餌をあげるの、とっても! とっても大変でしたよね!

分かりますよ!

だって私も、何度か死にかけた事がありますからね。

何か、私のオリジナルの餌をあげている時に、後ろからグサッて・・・。

あっ、この話は今必要無いですね!

えっと、カワイイ熊さんの次にお腹をものすごく空かせて次の部屋で待っている動物の名前は・・・。

かっこいいけど怖い狼さん達ですね!

隊長だったら、かっこいい狼さん達に餌をあげるのなんてあっという間に終わってしまう事でしょうね!

というか、はやく終わらせてくださいね。

あー、ちなみになんですけどね? 二分ごとに狼さん達は、一匹ずつ増えてしまうんですけど・・・。

大丈夫ですよね!

恐ろしさは、十分分かっていると思います。

では、また後で!】


・・・。隊長と呼んでいるのは、私の仲間達だ。

一体誰が、こんな事を?

その時、上からヒラヒラと一枚の紙が落ちてきた。紙を見てみると、どうやら誰かの日記の様だな。


十二月二十二日

今日から少しだけ、日記を書くことにしました!

イエーイ!

何で、日記を書くことにしたのかって?

何か隊長が、

「何故か私さ、最近色々と忘れる事が多くなっていて・・・。最近日記をよく書いているのだが・・・」って、言っていたから、隊長が日記を書いているなら、私も書いてみようかなって。

まあ、すぐに飽きると思う。

でさ? 最近の隊長、何か変なんだよね。

×××××しているから、ずっと部屋に居るんだけどさ・・・。

隊長、疲れているみたいなんだ・・・。

だから、「隊長、大丈夫?」とか「今、やらなくてもいいんじゃないの?」とか「後でしようよ」って、私何回も言っているのに、心配しているのに!

「すまない。あと少し、あと少しなんだよ。あと少しで、ちゃんと成功するはずなんだよ」って、何回も言うんだよね。

何回も、何十回も失敗しているのにさ?

もう、私! 知らないもんね!

あっ、動物達に餌をあげないと。

そういえば、最近動物達が皆元気ない気がするんだよね?

どうして最近、元気ないのかな・・・。

いつもは、もっとうるさいのに。

じゃっ、また明日!


                     最近日記を書き始めたピエロさん 一日目


ここは、ピエロが造った場所なのだろうか。

「なんで、ピエロが?」

ピエロは動物がとても大好きで、餌やりだって欠かさずにやっていた。

いつも・・・。いつも、ハイテンションで優しく明るいピエロは、動物を使って人殺しをするようなヤツじゃない。

でも、なんでこんな事を・・・。

「考えても無駄か」

先に進もう。

「次は、狼か」

狼は、二分ごとに増えていく。どんどん、面倒になっていく。

あとで、ピエロをなぐろう。絶対に。

看板の文字を読む。


【えー・・・。どうしようかな。

わっ、わー、大変! 大変! 今度は、狼さん達がお腹を空かしているよ!

はやく餌をあげないと、人々がかっこいい狼さん達に食べられてしまうよ。

さあ! 数々の困難を乗り越えてきた正義のヒーロー! 隊長。

がんばって、餌をあの皿の中へ入れちゃってください!

隊長なら、出来ると信じています!

かっこいい狼さん達は二分ごとにどんどん増えていくので、隊長!

ちゃんと注意してください!】


「・・・。なんで私が、こんな事をしているんだろ」

餌を持った。

「今回の餌は・・・軽いな」

走り出す。狼が私の方に走ってきたから、それを避けようとしてバランスを崩してしまった。

グサッと、片足をかまれてしまった。

「うっ・・・」

急いで立ち上がるが、赤い血がゆっくりと傷口から流れ出でていた。

その時・・・。

【二分経過しました。狼が一匹増えます】

後ろから、狼が走ってきた。

「もう二分たった・・・」

バダンッ・・・。

首をかまれて、また死んでしまった。


バットエンドルート


【狼さんの群れ】


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