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雨の日は きみを想う-2 海月、二匹

雨の日の、きみに。


twitter300字ss様、2015年6月(第十一回)のお題『雨』で書かせて頂きました。

ジャンル:オリジナル

注意書き:BL


海月くらげは、「一桶」「二桶」と数えるらしいのですが、

  音的に違和感があるので「匹」を使用しております。



 濡れたシャツが貼りつく。僕はそこに立ち尽くす。

 それに比べて水の中のきみは、何に囚われることもなく漂う。


 否、囚われているのかもしれない。

 僕たちを遮るのは、水面と言う名の境界。

 その境界からきみは、決してこちらに来ようとはしない。



 空を見上げた。

 一面の鉛色。きみを呑み込んで広がる水と同じ色。

 モノトーンの世界で、仰向けに浮かぶきみだけが白い。



「何もこんな日に泳がなくたって」

「水の中なら同じでしょ」


 きみが手を差し伸べる。


「制服だよ」

「同じでしょ、もう」


 きみの目が情欲に塗れたように見えるのは、この暗く歪んだ水のせい。

 絶え間なく降り注ぐ雨のせい。


「おいで」




 鉛色の水の中で、シャツがふわりと膨らんだ。

 海月、二匹。


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