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曲がり角の惨事
twitter300字ss様、2016年12月(第二十八回)のお題『火・炎』で書かせて頂きました。
ジャンル :オリジナル
注意書き:なし
スペース・改行・ルビを除く275字(執筆当初300字)
シチュエーション伝わりますでしょうか…(´▽`;
冒頭には童謡の歌詞があったのですが、なろう様掲載にあたり削除しました。
「♪~」
「焚火は火災予防条例で禁止されてますよ?」
部下らしい青年の呆れ声にも、火を弄る男性は手を止めない。
「届けは出してあります」
「……さすが」
垣根は山茶花。
紅が道を染める。
「火が弱いですね」
男性は瓶を取り出す。
「それは?」
「油です。火に油を注ぐと言いますが実際どうなるのか、気になりませんか?」
「ちょ、」
「許可は取ってあります」
「そうじゃなくてっ」
青年の制止も聞かず瓶の中身を火に注いだ時、ひとりの男が曲がり角を駆け込んできた。
その勢いでは急に止まれるはずもなく――。
「やはり焚火は曲がり角に限りますねぇ」
「待ち伏せてたんですか?」
パトカーの赤色灯が、山茶花の紅より目に染みた。




