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薄荷水

twitter300字ss様、2016年4月のお題『花』で書かせて頂いたものです。

ジャンル:オリジナル

スペース・改行除く300字



 蜘蛛の巣にひっかかった蝶を助けたのは、

 明日、ボロボロの羽根だけになっているのを見たくなかっただけ。






「きみは?」


 問われて我に返った。

 店の一角。

 少年が僕を見ている。蓮の花を模した灯りが揺れている。


「なに」

「薄荷水だよ。清明の夜に、他になにがある」


 表に並ぶ花の名。

 それの種類なのだろうが、全く見当がつかない。


「ご注文は」

「あ、ツツ」

「菜の花。ふたつ」


 彼は僕を遮って注文を通した。


「ツツジは美味いけれど毒があるんだよ。酩酊する」


 それで酷い目にあった、と呟く。




 運ばれて来たのは光を溜めた黄色。

 蜜のような味に僕は眉をしかめた。


「これがいいんじゃないか」


 彼が笑う。






 気がつくといつもの道にいた。

 蝶がふわりと遠ざかる。


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