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双子

twitter300字ss様、2016年3月(第十九回)のお題『別れ』で書かせて頂いたものです。

ジャンル:オリジナル

スペース・改行・ルビを除く300字



 私たちは白樺の森で生まれました。

 生まれてから今まで、片時も離れず育ちました。


 年頃になった私たちは奉公に出ることになりました。

 身を清め、髪を整え、お化粧を施し、真新しい着物を着せてもらって車に乗りました。


 初めての都会はどのようなところでしょう。

 不安で胸が押しつぶされそうになっている私に、お姉様は「ふたりでなら大丈夫よ」と微笑まれました。


 嗚呼、なんと心強い。

 私はお姉様の手を握りました。




 しかし。奉公先で私は、お姉様と離されてしまったのです。

 すぐ近くで働く彼女を見ながら、そのたおやかなお手を取ることができない悲しみに、私はラーメンスープの海で溺れてしまいそうでした。




 そう。

 私たちの名は
















 割り箸。


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