表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/92

6センチの彼女

twitter300字ss様、2015年4月のお題『花』で書かせて頂いたものです。

ジャンル:オリジナル

スペース・改行除く297字。



 たしか、こんな童話があったはず。

 僕は植木鉢を前にそう思った。


 脇に差したラベルを見る。

 そう。これはただのチューリップ。

 久しぶりに外に出た時に、なんの気なしに買った球根だ。


 でも、それなら。


 花の真ん中にいるのは小さい女の子。はちみつ色の長い髪と抜けるような青い瞳の。

 彼女は僕を見上げて微笑んだ。


 童話では、彼女は窓から入って来たカエルにさらわれてしまう。

 だから僕は窓を閉めた。



 ずっと。あの日から。

 ふたりだけの世界で、僕は彼女を育てる。






 ある日、サイレンが聞こえた。

 すりガラス越しに紅い光が回っている。中のようすをうかがっている。



 どうしたのだろう。

 ここには僕と、僕と同じ背丈にまで育った彼女しかいないのに。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
こちらの作品は他小説サイト様に掲載しているものもあります。
前書きにSTORIE様、PLiCy様でも掲載している旨の記載がある作品は
そちらで見て頂いたほうがわかりやすいかもしれませんので
リンクを貼っておきます。

STORIE様マイページ
PLiCy様マイページ
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ