6/17
知らない事
長年にわたって時間と空間に関する研究を続けていたF博士だったが、当然の事ながら知らない事も山のようにあった。
ラムネの瓶にガラス玉を入れる方法もその一つだ。
「なん……だと……これは空間転移装置を使って、ラムネの瓶にビー玉を入れたのではないというのか?」
「そんな訳は無いですよ博士。最初はガラス瓶の口を大きくしておいて、ビー玉を入れてから改めて口を狭めるんです。今じゃあ常識ですよ」
B助手が得意げに説明をしたが、それで納得するF博士ではない。
自分の眼で確かめるまでは信じないぞと、さっそくラムネ製造工場へ連絡をして見学許可を取った。
そうして後日、意気揚々と工場へと見学に出かけた2人だったが、一通り見学を終えて工場から帰る時は真っ青な顔であった。
「まさかあの様な作り方だったとは……これはエルフ探しに応用できるかも知れぬ……」
「そ、そうですね。僕も驚きでした……巨乳サキュバスを見つける為には、あのぐらいしないと駄目かも知れないですね」
工場の中でいったい何を見たのか、2人が他人に語る事は無かった。