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魔王になる

 長年にわたって時間と空間に関する研究を続けていたF博士は、大抵の事では驚かないのだが、朝起きると自分が魔王になっていたのにはさすがに驚いた。

 角が生えて、いかにも悪魔達の親玉っぽい外見で困っている鏡の中の自分を眺め、はて、いったい何が原因だろうかとしばし思い悩んだ博士だったが、ふと心当たりに気が付いた。


「まさかあの手紙が原因なのか」


 それは数日前に博士宛てに届いた、差出人不明の手紙だった。

 内容はこうだ。





 これは魔王の手紙です。


 3日以内に同じ文面で5人に同様の手紙をお送りください。

 さもなければあなたは魔王になります。

 400年前に手紙を止めた尾張に住む織田さんは、第六天魔王になってしまいました。他にも同様の魔王は多々産まれています。

 私はあなたに、彼と同じような魔王になって欲しくはありません。どうかこの手紙を止めないでください。





「古臭いチェーンメールだと思って放置していたが、まさか本当だったとはなあ」


 博士はしばし悩んだが、まあそのうち何とかなるだろう、と現実を無視して本日の研究を始めると、ほどなくしてB助手が大慌てで駈け込んできた。


「大変ですよ博士! 朝起きたら、僕、勇者になってました!」


まるきりファンタジー童話そのままの鎧を纏ったBの手には、『これは勇者の手紙です』と書かれた便箋が握られていた。


ひとしきり混乱した後、互いに起こった事を理解し合うと、2人は同時に口を開いた。


「勇者ならばエルフを仲間にすべきではないか」

「魔王だったら巨乳サキュバスを従えられるじゃないですか!」


 ややあって、2人は固い握手を交わすと早速行動に移った。

 B助手は勇者として全国を回り、仲間になってくれるエルフその他を集める。

 F博士は魔王となって拠点を作り手下となる巨乳サキュバス達を集める。

 そうして互いに見つけたエルフと巨乳サキュバスを交換するのだ。



 勇者と魔王になった2人がその後どうなったのか、定かでは無い。


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