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異世界旅行
長年にわたって時間と空間に関する研究を続けていたF博士は、ついに平行世界へ移動する技術を完成させた。
「これで幼い頃の夢であったエルフ娘に会う事が出来るぞ!」
「おめでとうございます博士! エルフに会えたら、僕にも巨乳サキュバスを紹介して下さいね!」
助手のBに見守られる中、F博士が世界移動装置のスイッチを入れたのだが、機械は作動しているというのにどうした事か周りの景色は全く変わらなかった。
B助手に聞いても、博士にも周囲にもまったく変化はないという。これはどうやら装置は失敗作だったかと、2人はがっかりしてその日はお開きとなった。
その夜、F博士は眠る前に日記帳を開いてようやく気付いた。
実験は成功していたのだ。ただ移動した先の平行世界が、昨日の昼のおやつにモンブランを食べたかいちごショートを食べたか程度の違いしか無かったというだけで。