「美鈴救出へ」
突然の不時着により離れ離れになってしまった天馬達、しかし天馬達が不時着した星はなんと廃星だった。天馬は廃星の環境によって生まれた妖怪ゾンビによって襲われたがアリアードに助けられ九死に一生をへた。そして二人は美鈴を探しに二人は走った。
「なぁちょっと待ってくれよ」天馬は疲れ気味に言った。
「何よ?急いでるから早くしなさいよ」アリアードは急いで返した。
「お前だけずるくないか?」天馬は不愉快に思っていた。
人間には翼がない。当たり前のことだが天馬は不愉快だった。
「お前も地上に降りて走ったらどうだ?一人だけ翼がはえて空飛んでずるいぞ」天馬は駄々をこねるかのように言った。
「しょ、しょうがないじゃない私は人間みたいに体力がそんなにないのよ!それにあなた達だってその心霊パワーの力をコントロールできればこれだって自由に出したりできるわよ」
「ほ、ホントか!?じゃあ早く心霊パワーをコントロール出来るように修行しないとな」天馬はまるで小学生のように嬉しがった。
「ええ、でもそれは美鈴を助けてからよ」
「ああ...そうだったな、急ごう!」
二人のスピードが上がった。
美鈴は一人廃星をさまよっていた。
「うう...ここ何処なのよ...匂いもひどいし...」美鈴は匂いが服につくのが嫌で慎重に歩いていた。
歩いていると美鈴は何かを見つけた。
「何かしら...あれ」
近づいていくと動いているのがわかった。さらに美鈴は近づいた。
「??何これ??」
体中傷だらけで動いている何かを見ていた。するとその物体は立ち上がった。
「え?ちょっと何よこれ...人間じゃない!?」
それは天馬が見た妖怪だった。妖怪は何かを呟くように美鈴に投げつけた。
((出て行けぇ、出て行けぇ))
「な、何よあんた...近寄らないでッ!!」美鈴は一歩一歩後ろに下がり脅すように大きな声で言った。
しかしそんなことはこのゾンビには無駄なことであった。一歩また一歩と美鈴に向かって歩く。
幾度となく天馬と一緒に心霊スポットで色々な物を見てきた美鈴でもこれは耐え切れなかった。
「い、いやぁぁ!?こ、これないで!!」
美鈴は恐怖に満ち溢れていた。そして美鈴は後ろに振り向き走り始めた。
(何がどうなってるのよ、もう!!)
ゾンビもゆっくりだが美鈴を追いかけた。
「はぁはぁ、どうやら足は遅いようね...」美鈴は久しぶりに走ったせいかかなり疲れていた。
「これなら歩いてても距離を離せそうね」と言い美鈴は歩き始めた。
すると美鈴は何かに足をつかまれた。
「?な、何?」美鈴は恐る恐る下を見た。そこには人の手が美鈴の足をつかんでいるのが見えた。
「きゃ、きゃぁぁ!!な、何なのよ一体!?」またもう一匹、ゾンビが増えた。
美鈴はもうだめかと思った。そして、
「ここでじっとしても死ぬ、戦っても多分死ぬかもね」美鈴は笑いながら覚悟を決めた。
「やってやろうじゃない!!」と美鈴はつかまれている足を振りほどいた。
「力もそんなにあるわけじゃないわね」
そして手だけしか見えていないゾンビは顔を地面から見せた。美鈴は思いっきり足に力を溜めた。
「天馬とサッカーしてて良かったわ、おかげでそこそこ脚力がついたし」
本人は気づいてないが足には何か緑色のオーラがついていた。
「いっけぇぇぇぇぇぇ!!!」美鈴はゾンビの顔をサッカーボールを蹴る感覚で蹴り飛ばした。
「ズボォン!!!」ゾンビの顔が吹き飛んだ。そして首の根から血が溢れ出した。
「う、嘘!?こんなに力があるなんて...」美鈴は心霊パワーの力に気づいてなく驚いていた。
そして最初に見たゾンビも追いつき襲い掛かってきた。
美鈴はすぐに体勢を立て直し柔道のような構えをとった。
「いくわよォ!!」拳に力を込め思いっきりゾンビの腹に目掛けて振った。
「ズドォン!!」ゾンビの体の真ん中が吹き飛び血が溢れ出した。
「や、やった...やったわ!!」
すると美鈴はあることに気づいた。
「そういえば何か汚い血ね...ホントに人間なのかしら...」普通の人間なら新鮮な真っ赤な血だ。けどゾンビの血は何か青っぽい色も混ざっておりドロドロしていた。
「それにしても何かすごい疲れたわ...柔道やってた頃はこんなに疲れなかったのに...」美鈴は地球にいる頃は柔道をやっていた。
「少し休憩しよ」美鈴はちょうど良い岩を発見しそこに背中を預けた。
「しっかし何処にいるんだ??美鈴の奴」天馬は心配そうにアリアードに話かけた。
「そんなの私だって知りたいわよ!!」アリアードは呆れた表情で言った。
アリアードは立ち止まった。
「!?」
「どうした?」
「この感じ...心霊パワーだわ!!あの時とそっくりの」
「なに!?じゃ、じゃあその心霊パワーを発してる奴って...」
「美鈴よ」アリアードは地球で感じたのと同じ心霊パワーを感じ、それを美鈴と判断した。
「ってことは美鈴の奴心霊パワーをコントロールしてるのか??」天馬は羨ましそうに問いかけた。
「いいえ、多分違うわ、これは多分...なんらかの影響で突然発生したんじゃないかしら」
「とにかに行きましょ!!」アリアードは急いだ。
「お、おう!!」
二人のスピードがさらに速くなった。
「!?止まって!!」アリアードが叫んだ。
「な、何だよ急に...」天馬は前を見たすると、
「な、何だよこりゃあ...」そこにはゾンビがいた。大量にだ。
「こんなとこを横断するのはかなり危険だわ、遠回りするしかないようね」と美鈴は周りを見渡した。
「どうやら遠回りしてる暇はないようだぜ、アリアード」天馬は恐る恐る話かけた。
「ど、どうしてよ?」美鈴は右を向きながら問い返した。
「前を見てみろ」
そこには大量のゾンビがこちらを見つめていた。そしてゾンビ達はこちらに向かって歩き始めた。
「なッ!?...これはまずすぎるかもね...」アリアードは焦り始めた。
「どうするんだ?戦うか?」天馬は拳に力を込めた。すると拳の周りが青いオーラに包まれた。
「あ、あなたそれ...」アリアードは天馬は拳を見つめながら言った。
天馬にも心霊パワーが発生していた。
「な!?何だこれ?」天馬も自分の意思で発したわけではなかった。
「まあいいわ、それより天馬、あなた今どんな感じ?」アリアードは状況を無視して突然問いかけた。
「ああ、力が湧き溢れてくる...戦いたくてウズウズしてきた!!」天馬は腕を大きく振った。
「決まりね。じゃあ行くわよ!!」二人がゾンビの大群に突っ込んでいった。
天馬のパワーは地球にいるときよりもさらに強く、そして早くなっていた。すぐに大群の先頭に拳を投げつけた。
「ウオォォォォォ!!!」天馬は拳を先頭のゾンビの顔に殴りつけた。そして顔が吹き飛び新鮮ではない血が飛び散った。
アリアードは余裕の表情でゾンビ達を殺っていた。その両手にはピンク色のオーラに包まれた剣を持っていた。「スパンスパン!!」と次々とゾンビ達の体が切られていく。その勢いに天馬も乗り次々とゾンビ達の顔、体などを吹き飛ばしていた。そしてあっという間に大群の半分はなくなった。
そしてさらに続いた。
「はぁはぁ...終わったか?」天馬は意識が飛びそうなくらいまで疲れていた。
「え、えぇ...終わったようね...はぁはぁ」アリアードも疲れていた。
そこには汚い血でいっぱいだった。天馬は吹き飛ばした顔、内臓、アリアードが切った腕などが転がっていた。
ここでは汚いとアリアードが言い安全なところへ移動しようやく落ち着いた。