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埴輪と旅する女①【会津若松編】第024回  作者: Mikiko


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埴輪と旅する女①【会津若松編】第024回

 『Mikiko's Room(https://mikikosroom.com/)』で連載した、会津若松への旅行記(原題は「単独旅行記Ⅶ」)です。


挿絵(By みてみん)

み「おー、小洒落たコーヒーショップではないか。

 会津若松にも、こんなお店があるんだね」

ハ「失礼やないか」

み「しかし、こんな広い車椅子駐車エリアを描いて……。

 一般のお客さんは、ほんとにここに停めないんだろうか」

ハ「停まってへんやないか」

み「今は、ガラ空きだからだろ。

 ていうか、ランチタイムが終わって、中休みなんじゃないの?

 でも、お昼時とかはわからんぞ。

 ランチに来て、このスペースしか空いてなかったら……。

 停めるよね」

ハ「お主は、停めるんやな?」

み「いや、わたしは度胸がないから停めない。

 その代わり、別の店に行く。

 お店にとって、この駐車エリアを設けておくことに……。

 メリットがあるんだろうか?」

ハ「メリットとかの話やないやろ。

 車椅子を利用する人に配慮してるということや」

み「まあね。

 確かに、入口もスロープになってる。

 きっと中も、車椅子でテーブルに付けるようになってるんじゃないの?」

ハ「そらそやろ。

 高いカウンター席ばっかりやったら、どもならんやないか」

み「つまり、車椅子で利用する人の固定客が付くってことじゃないの?

 あと、デイサービスとかのレクリエーションで、団体利用ってことも考えられる。

 この駐車幅なら、デッカい送迎車も停められる」

ハ「ようそんなこと、いろいろと思いつくな」

み「わたしが行くスーパーでも……。

 入口の真ん前が、車椅子マークの駐車スペースになってる。

 けっこう車が停まってるんだけど……。

 車椅子が乗るような車じゃないのがけっこうあるよ」

ハ「マナーがなっとらんやないけ」

み「わたしはあれね、区画数が多すぎるからだと思う。

 相当なスペースを取ってる。

 あれだけあったら……。

 1台くらいいいだろって気になっちゃうよ。

 わたしは停めないけどね。

 もう少し、区画数を減らすべきだと思う。

 そうすれば、そこに停めちゃう人も減るんじゃないかな。

 停めれば目立っちゃうし。

 お店の中では、車椅子を使わない人は停めないでとか放送してるけど……。

 ほんとに停めてほしくないんだったら、見張りを立てるべきじゃないの。

 あの放送は、お客のモラルに責任転嫁してるんじゃないかって……。

 聞いてて、ちょっとイラッと来るね。

 言っとくけど、わたしは停めてないからね」

ハ「モラルがあるからやないけどな。

 度胸がないからやろ」

み「ふん」


挿絵(By みてみん)

み「おー、松の街路樹だ」

ハ「さっき、街路樹には落葉樹が使われるって言っとったやないか」

み「何ごとにも、例外はあるってこと」

ハ「雪吊りせんで大丈夫なのか?

 兼六園の松とか、みんな吊ったあるやないか」

み「ああいう松は、仕立てものだからだよ」

ハ「なんや、それ?」

み「左右のバランスとかを考えて……。

 枝が仕立ててあるってこと。

 1枝でも折れたら、バランスが崩れて台なしになっちゃう。

 だから、枝を大事に吊ってるわけよ」

ハ「この松は違うんか?」

み「これは、野木のぎ

ハ「は?

 乃木将軍か?」

み「さすが埴輪時代。

 言うことが古い」

ハ「古墳時代やと言うとるやろ!」

み「野木って云うのはね……。

 枝を一切仕立てず、苗からそのまんま大きくした木のこと。

 早い話、野生の木と一緒。

 防風林に使われる松がそうだろ」

ハ「はは。

 確かに、防風林に仕立てた松はないわな」

み「自然のまんま、こんなボーボーになってるんだから……。

 1本、2本、枝が折れたって、大したことないのよ。

 防風林に使われるんだから……。

 冬の季節風も防いでくれるし。

 ま、こんな間隔で植えてたら、そういう効果はあてにしてないだろうけどね。

 ここはあくまで、武家の街と云うことで……。

 松が選ばれたんじゃないの」


挿絵(By みてみん)

み「おー、由緒ありげな地名じゃ。

 きっと、蚕を飼ってたところだな。

 即、検索!」

ハ「人使いの荒いやっちゃ。

 ふむふむ。

 この近くに、『蚕養國神社こがいくにじんじゃ』というのがあるようや」

み「訓読みなのか。

 じゃ、“さんようちょう”じゃなくて……。

 “こがいまち”ってこと?」

ハ「らしいな。

 写真を見ると、風情ありげな神社やぞ。

 寄ってくか?」

み「いや、いい」

ハ「なんでや?」

み「予定にないから」

ハ「予定にない出会いがあるのが、旅の楽しみやろ」

み「予定どおりに行動する主義なの。

 さあ、行くぞ。

 脇目もふらず」

ハ「脇見ばっかりしてるやないか」


■お蚕さま

 昔の大きな藁葺き屋根の農家で、合掌造りって云うんですか?

 2階の三角の部分が、蚕を飼う場所になってる家がありますよね。

 あの空間は、とても魅力的に感じます。

 まだ、実際に蚕が飼われてるところって、あるんですかね。

 ちょっと検索してみましたが……。

 蚕を飼っているところは、けっこうあるみたいです。

 でも、やっぱりちょっと、あの蚕の幼虫の大きさは衝撃的。

 色が白いってのも、ちょっと怖いです。

 カブトムシの幼虫が、真っ直ぐ伸びて動き回ってる感じ。

 モスラって、これがモデルなんですかね?

 モスラの幼虫が糸を吐くってのも、それっぽいです。

 しかし、昔の人はスゴいですよね。

 蛾の幼虫の繭を見て……。

 これが糸になるって気づいたんですから。


 明治時代の日本は、世界一の絹の輸出国だったそうです。

 そうそう。

 行ってみたいところがあるんです。

 群馬県の富岡製糸場。

 たくさんの女性が働いていた工場。

 女工哀史みたいな連想をする方もいるでしょう。

 でも、違ったんですよ。

 ちゃんと週休もあったし、1日の労働時間は、8時間なかったみたいです。

 集中力が持ちませんよね。

 昔は冷房がなかったですから、8月なんか昼休みが4時間もあったとか。

 一番偉い一等工女になると、そうとうな待遇だったそうです。

 わたしは、案外、ああいう機械的な手作業に向いてたんじゃないかと思うんですよ。

 無心で手だけ動かすのって、面白そうですよね。

 富岡製糸場、やっぱり行かなくては。


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