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違和感  作者: 松本ごはん


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5/8

5、帰り道の違和感

帰り道、ふと夜空を見上げた。

三日月の横に、一際輝く赤い星が見える。


昨日も見た。いや、一昨日も、同じ位置にあった。


星と月の関係は毎日少しずつ変わるはずだ。

夜空の形は毎日変わる。

それが、三日続けて寸分違わない。


足を止めて、周りを見渡す。

街灯の明かり、看板の影、ビルの輪郭。

どこを見ても昨日と全く同じ風景。


—気のせいじゃない。


もう一度空を見上げた。

ふと星座アプリの存在を思いだし、スマホを取り出してそれを開こうとした。

だが、画面は真っ黒なまま、時間だけが点滅している。

「19:59」

いつまでたっても変わらない数字だけが点滅している。


夜風が吹く。


ふと耳を澄ませると、通りを歩く人の足音が実にそろっている。

まるで軍隊の行進だ。

気配を感じ後ろを振り返ると、数人が同じリズムで歩いていた。

それぞれがスマホをもって無表情にこちらへ向かってくる。

全員あの空洞のように暗い目だ。


胸の奥で、何かが“カチリ”と音を立てた気がした。

朝から感じていた違和感が次々とフラッシュバックする。

恐怖ではない。

ただただ違和感だけが静かに広がっていく。


——やっぱり、この世界はおかしい。


そう考えた瞬間、世界から音が消えた。


まるで、誰かが動画を一時停止したかのように。

すべてが止まったときにふと視界が闇に塗りつぶされていった。

第5話の更新です。

後はクライマックスへ突っ走るのみです。

後3話よろしくお願いします!

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