2、通勤中の違和感
いつも同じ時間に出発するお隣さんに挨拶して最寄りの駅に急ぐ。
「今日も朝から暑いなぁ」
あの白シャツのお兄さん今日も同じこと言ってるわ…
確かに今日も暑い。
朝のニュースでも言ってたもんなぁ。
駅に着いてホームで待つ。
いつものアナウンスにいつもの電車。
今日も人身事故で遅れているらしい。
10分ほど遅れて電車は到着した。
まぁいつものことだ。
ぎりぎり座席に座れた。
顔ぶれはいつものとおりだ。スーツの男、スマホをいじる学生、居眠りする老人。
ふと窓の外を眺めると、そこにも“昨日”があった。
白い犬を散歩させるおばさん、赤い傘を持つ子ども、同じ交差点で止まる青いトラック。
雲の形までも同じだ。
電車が動き出しても、景色が“再生”されるように繰り返される。
思い起こしてみれば朝から何かおかしい。
お隣さんもあの白シャツのお兄さんも人身事故もそうだ。
確かによくあることだがいつもではない。
顔ぶれもいつもと同じだが昨日と全く同じ動き。
聞き耳を立ててみれば昨日と全く同じ会話。
同じ場所で急停車…
少し背筋にが寒くなった。
何かを変えよう思い、おもいきって隣の乗客に話しかけようとした。
が、口を開いた瞬間、彼がこちらを一瞥して言った。
「……昨日と同じ景色だろ?」
思わず息をのんだ。
彼の目は空洞のように暗く、笑っているのに笑っていない。
目が離せない。
ふと会社の最寄り駅に着くというアナウンス。
次の瞬間、電車が駅に着くと、男の姿は跡形もなく消えていた。
「何なんだこれは…」
ざわつく心を抑えながら会社へと急ぐこととした。
第2話の投稿です。
昨日投稿した第1話を自分でも読んで見たのですが、読めば読むほどいろいろ直したくなってしまいます。物語をどこで区切れば良いのかもまだ悩んでいます。
お話を書くということがいかに大変か、自分でも書いてみて良く分かりました。楽しいお話をいつも提供してくれる作家の皆さんいつもありがとうございます。
つたない文章ですがまたお付き合いいただければ幸いです。
ではまた次のお話で!




