第20話
いや、かっっこよ!こうして目の前で強さを見せつけられるとやっぱ感動するね。
「2人とも、めっちゃかっこよかったよ!」
「あはは、いいところ見せれて良かったよ。」
「僕も。このまま出番がなかったらどうしようかと思ってた。
「まあ、本当は出番がないほうがいいんだけどね。そういや、これってどうするの?」
私は魔物?らしいものを見て言う。確かフェルカナはできるだけ持ち帰ろうとしてたっけ。ていうか魔物って何だろう、前の熊とは違うんかな?
「うーん。本当はできるだけ持って帰りたいけどね、荷物増やしたくないからここで今日分だけ調理して持って、残りは置いてくしかないかな。」
どうしよっかな。信用していないわけじゃないけど、まぁ今収納はする必要はないかな。
「そっか。それとさ、これって魔物?なんだよね。普通の動物と何が違うの?」
「そこ!?…えっと、猛獣はただ牙とか爪がある危ない動物で、魔物は何かしらの種類の魔力を纏っている猛獣だね。まあ魔法を実際に使ってくる種はほとんどいないけど。」
「ごめん。魔力って何?」
「…いままでどこで育ってきたの?親に教えてもらわなかった?」
「お姉ちゃん、ちょっと言い過ぎ。」
「あ、ごめんなさい。」
「いやいや、全然いいよ。常識無いの事実だし。ていうかさ、皆いつの間にかため口になってるね。」
「確かに。もしかして嫌だった?」
「なわけ。距離縮まって嬉しいよ。」
「良かった!私もだよ。」
「だよね。レオンハルトは?」
「僕もだよ。あと、これからはレオンって呼んで。」
「分かった。これからもよろしくね。」
「よろしく。」
「レ、レオンがレオン呼びを許した…」(小声・エリシア)
「それで、魔力って何なの?」
「ああ、ごめん。魔力っていうのは…何というか、生まれつきある気の流れ?みたいなもので、それが流れているとその種類の魔法が使えて、さらにその魔力で身体能力が少しだけ上がるの。」
「???」
「うーんとね、まず数人に1人、魔力を持って生まれる子がいるんだよね。」
「うん。」
「それで、魔力を持って生まれた子はその魔力に応じた、一応火とか水とか大別されるけど一人一人違う魔法が使えるの。」
「はん。」
「魔力は生まれつきだけで、後から生まれることもなくなることも成長することも劣化することもない。練習によって精度とか威力が上がったりすることはあるけど、それでもその人の魔力による限界はあるの。」
「ほん。」
「で、本題の魔物なんだけど、こいつらは種として生まれつき絶対に魔力を持っている。ほとんどは知性が足りなくて魔法は使えないけど、その魔力による強化があるから普通の猛獣より遥かに強いってこと。一部の種族は普通に魔法を使ってくるしね。」
なるほどね。いつの間にかエリシア先生の授業みたいになってたけど、普通に助かる知識だった。この世界では常識っぽいしね。
「なるほどね、解説助かったよ。2人はなんか魔力を持ってるの?」
「うっ。」
「…僕は風属性を持ってるよ。威力は弱いから攻撃とかには使えないけど精度はまあまあいいんだ。」
と言うと、風を使い木の枝を私の頭に乗せてきた。
やめいや。
「エリシアは?」
「私も風属性なんだけど…威力もめっちゃあるんだけど…」
ん?
「えっと、お姉ちゃんの魔法は大きい風の渦を出せるんだけど、どこに飛んでくかわからないんだよね。それで、ある時遊びで使ったらなんかいろいろ壊しちゃって…」
「それ以上は言わないで。」
あ、うん。なんかいろいろあったんだね。
「でも持ってるだけで身体能力上がるし数人に1人でしょ?2人とも持ってるってまあまあすごいんじゃない?」
「まあ魔力持ちの子供も魔力持ちのことが多いからね。結構家族全員持ってることも珍しくないよ。」
「へえ。じゃあ、2人のご両親も魔力持ってるの?」
「「…」」
「持ってたよ。」
ん?なんて?
聞き返そうと思ったら、エリシアが遮った。
「そろそろいこっか。今日泊まりたい場所暗くなるまでに着けるかギリだから。」
「そう?わかった。」
「到着〜」
「出発〜」
「到着〜」
「出発〜」
そこから先は順調に進んでいった。ルートは2人が開拓していったものらしく、ほとんど快適だった。まぁ私はキャンプ地じゃなくて宿に泊まってもいいんだけどね、2人に任せるよ。そういや、行きの商人さんたちの時もキャンプ地が多かったな。春だしそっちの方がメジャーなのかな?
その後、何度か魔物やらなんやらの襲撃を受けながらもすべて2人が跳ね返し、もはや2人への感情が友情から尊敬までいこうかという時、王都の門が見えてきた、
「あっあれ王都じゃない?」
「本当だ、やっと着いたー。」
「毎度のことだけど長かったね。」
「そうね。でも、レオンも今回の旅は特に楽しかったでしょ。」
「そうだね。新しい友達もできたし。」
「私も楽しかったよ。」
「よかったよ。じゃあ、王都までもうちょっと歩こうか。」
「あーいや、私はここでお別れかな。」
「え、なんで?」
「私の目的地王都から少し歩いたところなんだよね。」
「そうだったんだ。でも1回王都までは入っておけばいいじゃん。王都なら何でもあるし。」
「うーん。入ると少し面倒なことになりそうで。」
「リュミエラ、王都から逃げてきたの?」
「なんかやらかした?」
「まぁちょっとね。別に入ってもいいんだけど。」
「そっかぁ。じゃあお別れか。」
「もうちょっと一緒でも良かったんだけどね。」
「まあ、どうせいつか会えるよ。」
「そうだよ!王都の近くにいるんでしょ?」
「そうだね。じゃあ、また会おうねだね。」
「うん。またね!」
「またねー。」
「ばいばーい。」
私はフェルカナのもとへ歩き出した。
…こっから4時間か。王都で休憩すればよかったかな。




