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芝浦 真理枝①

真理枝視点です。

 

 私の名前は芝浦しばうら 真理枝まりえ

今は結婚して草野真理枝となっている。

夫の大地とは高校時代に彼から告白される形で付き合いだし……そのまま流れとか成り行きで結婚した。

別に打算とかじゃなく、大地のことは結婚しても良いと思えるくらいは想っていた。

大地も同じみたいで、家族を養おうと毎日会社であくせくと働き続けている。

収入は至って平均的だけど……贅沢しなければ十分生きていける。

幸いにも……お互いにこれと言って趣味はなく、たまに外食するくらいの贅沢で満足できていた。

そんな私達の間には葉という6歳の子供がいる。

少しやんちゃなところはあるけど、素直でとても良い子だ……。

何も特別な所はない至って平凡な家族3人での生活……夫は働き者で家族サービスも欠かさない。

息子は親や友達を大切にする私の自慢……。

不満なんてものはない……ないけれど……。


 人間とは不思議だ……平穏が続くと……それを退屈と感じてしまう自分がいる。

刺激がほしい……平凡な日常では味わえない非日常を体中で感じてみたい……。

そんな”黒い自分”が心の奥底で私をくすぐってくる。

きっと多かれ少なかれ……こういうことは誰にでも起きることなんでしょう……。

それが抑えきれなくなった人間は……浮気やギャンブル……犯罪等に手を出すんでしょうね……。

だけど生憎……私には興味を惹かれるような異性も推しもいない。

ギャンブルなんて何が楽しいのかわからないし……犯罪なんて論外だ。

結局……1歩踏み出す勇気も欲もない私は……このぬるま湯のような平穏に浸かり続けている。


-------------------------------------


 ところが……平凡な私の人生を一変させる運命の出会いがあった。

それは葉が5歳になったばかりの春……。


「誰か引っ越してきたのかしら?……」


 いつものようにゴミ出しに行くと、マンションの前に引っ越しトラックが停まっていた。

少し邪魔だと思いつつ、ゴミ捨て場にゴミを捨てて部屋に戻ろうとしたその時……。


「あれ? 真理枝ちゃんじゃない?」


「えっ?」


 背後から急に名前を呼ばれ、反射的に振り返ると……そこには小学生時代の親友である石川美以が立っていた。


「えっ? みぃちゃん?」


「そうよ、久しぶり!」


 みぃちゃんは小学校卒業と同時に親の都合で引っ越してしまい……以降、直接会うことも連絡することもせず、彼女の存在は思い出として私の記憶に残っていた。

それがまさかこうして……再び会うことができるなんて……夢にも思っていなかった。

小学校以来とはいえ……しっかりと面影だ残っている親友の顔を見間違うはずがないわ!


「ホント、久しぶり! でもどうしたの?」


「引っ越してきたのよ、このマンションに! 本当はもっと前に来るつもりだったんだけど……夫の仕事がなかなか区切りがつかなくて……」


「えっ? みぃちゃん結婚したの!?」


「そうなの! それに……息子もいるんだ。 ツムジ、おいで!」


 みぃちゃんが大きなワンボックスカーに向かってそう呼び掛けると……開けっ放しのドアから小さな男の子が飛び出し、私達の元へと駆け寄ってきた。


 トゥンク!


「!!!」


 その瞬間……私の胸を締め付けるような痛みが襲った。

一瞬何がなんだかわからなかった……。

男の子の姿を捉えた目を動かすことができない……。

鼓動が速くなるのを感じる……呼吸がどんどん乱れていく……。



「この子、私の息子のツムジ。 さぁツムジ、ご挨拶して」


「えっと……石山ツムジです……5歳です……どうぞよろしくお願いします」


 5歳ながらもしっかりとした挨拶ができていることにはもちろん驚いたけど……それ以上に驚いたのは、その子の顔立ち……。

アニメやゲームと言った二次元創作の中でしか存在しないような可愛らしい顔立ち……太陽のような笑顔の中にある涼やかな目……。

守ってあげたくなるような愛らしい容姿……。

彼を見れば見るほど強く思う……。


 ”欲しい”……と。


 まるで恋というものを覚えたばかりの初心な女の子のような感覚だ……。


「真理枝ちゃん? どうしたの?」


「えっいや、なんでもないわ。 礼儀正しくて良い子ね」


「うん、私の可愛い自慢の息子だよ」


「えへへ……ママ、だ~い好き!」


 甘えるような声音でみぃちゃんの足にすり寄るツムジ君……。

客観的に見れば、微笑ましい親子の光景だと思うでしょう……。

だけど……私は違った。


 ”羨ましい”……。


 彼に甘えられるみぃちゃんが心から妬ましいと思った。

さっきまで親友として見れていたみぃちゃんのことを……私の女の部分が敵だと認識している。

この女が憎い……2人を引きはがしてやりたい……。

そんなドス黒い感情が私の心をチクチクと突いてきた。

そして思った……。


 ”私はツムジ君を男として見ているんじゃないか”って……。


 そんな考えを振り切り……私は友人として……みぃちゃんと再会の喜びを分かち合った。

しかも彼女の引っ越し先は私のお隣さん……。

偶然が成せた幸福と思う反面……私はどこか運命的なものを感じていた。


-------------------------------------


 もちろん最初は何かの間違いだと思った……。

ツムジ君のことは愛らしいとは思うけれど……それが子供に向ける愛ではなく……異性に抱いた愛だなんて……信じられないわ。

だけど……彼を見た時に感じたあの感覚は……高校時代に私が大地を好きになった時と同じだ。

いや……同じじゃない。

あの時よりもさらに強いものだ……。

あれ以来……ツムジ君のことが頭から離れない。


「真理枝ちゃん、いらっしゃい! 葉君も!」


「お邪魔するわね」


 引っ越してきてから間もなく、私はみぃちゃんに部屋へ招かれるほどの仲にまで発展した。

元々親友同士ということもあるけれど……お互いに夫を支える妻であり、子供を育てる母であるという共通点も仲を深める要因となった。


「葉君! ゲームしよ!」


「うん! 今度こそ負けないよ!」


 それに……葉とツムジ君がお互い気が合うらしく、あっという間に仲が良くなり……今となっては家族ぐるみでのお付き合いをしている。

もちろん、みぃちゃんとの仲が深まることはとても嬉しいけれど……ツムジ君のそばにいつもいれると思うと、胸から温かなものが込み上げてくる。

強いて不満を言えぱ、私を見ずに葉のことばかり遊びに誘うことなど言い様のないもどかしさを感じていること。

彼にとって私は友達の母親でしかないんだ。

もちろん、みぃちゃんとおしゃべりしたりランチを食べたりするのは楽しいけれど……。

どうしてもぬぐいきれない想いがある。


"ツムジ君がほしい"


 私の中にはツムジ君との仲を深めたい欲望が私の心の中渦巻いていき、それは日に日にそれは強くなっていった。


------------------------------------


「ツムジ君……お菓子作ったんだけど、よかったらどうぞ?」


 私は少しでもツムジ君の気を引こうと、彼の部屋にお邪魔した際に手作りのお菓子を持参するようになった。

元々、実家が洋菓子店だから……お菓子作りは得意だ。

ツムジ君も私のお菓子を気に入ってくれたようで、特にチョコケーキなんて毎日のように求めてくる。

こういう素直でわかりやすい所は子供の可愛らしい所よね……。


 『ケーキほしいよぉ……』


 なんて甘えた声でねだられると、なんでもしてあげたくなる。


「わーい! 葉君ママありがとう!」


 ツムジ君がその眩い笑顔を私に向けてくれるだけで……全身に幸せが満ち溢れて来る……。

体が火照ってくる……結婚と同時に眠っていた私の中の”女”が刺激される。

そしていつからか……私の中の何かがこう囁くようになった。


 ”ツムジ君にこの想いを伝えましょう”


 だけど……それはいけないわ。

私は大地の妻で葉の母親……。

それに……ツムジ君とは20歳以上も年齢が離れている……。

いくらなんでもお付き合いなんて……申し込める訳がない。

そんなこと……できる訳がない。

私の溢れんばかりのこの想いを……私の理性が押さえつけてしまい、私は葉の母としてツムジ君と接することしかできなかった。

そんな自分が……ものすごく歯がゆかった……。


-------------------------------------


 だけど……そんな理性をも吹き飛ばす出来事が起きた。

その日はツムジ君と葉が幼稚園を卒園したお祝いに、ウチでみぃちゃん達と小さなパーティーを開いていた。

生憎、大地もみぃちゃんの旦那も残業で参加することはできなかったけど……。


「「2人共、おめでとう!」」


 私とみぃちゃんは葉とツムジ君に卒園祝いのプレゼントとして、それぞれ欲しがってたゲームソフトを渡してあげた。


「やった!! ありがとう!」


「ありがとう! ずっと欲しかったんだ!」


 2人ともよほど嬉しかったようで……一緒になって万歳三唱するくらいだ。

少し高額なゲームだったけど、はしゃぎ回るツムジ君を見れたんだから……お釣りが出るくらいだ。


「はい、2人共……今日のためにおいしいチョコケーキを作ったわよ」


「「わーい!!」」


 この日のために……そしてツムジ君のために……彼の大好きなチョコケーキを想いを込めて作った。

喜んでもらえてとても嬉しい……なんて思っていたら……。


「葉君ママ、だ~い好き!」


「!!!」


 今……なんて言った?

私の事……好きだって……大好きだって……言ってくれた?


「ツムジ君、私の事……好き?」


「うん! 大好き!」


「……」


 私は……言葉を失った……。

だって……そうでしょう?

心寄せていた男の子が……私に大好きだって……告白してくれた?

普通に考えれば、子供が言う無邪気な言葉と思うかもしれない……でも、この子は違う。


「フフフ……よかったね、ツムジ。 葉君ママが優しい人で……」


「えへへへ……」


 みぃちゃんもツムジ君の気持ちを尊重してくれている……。

もしかして……心の中で私達のことを応援してくれているの?


「ツムジ君……」


 私の中でくすぶっていた何かが……この時からゆっくりと私の心を支配し始めていった。


-------------------------------------


 それからと言うもの……ツムジ君は事あるごとに私に愛を囁いてくるようになった。


『葉君ママ大好き!』


『ママより葉君ママの方がきれい!』


『葉君ママのお菓子、毎日食べたい!』


 子供の純粋な好意?

いえ……違うわ。

これはツムジ君なりのプロポーズよ。

お菓子を毎日食べたいなんて……ずっと一緒に生活したいってこと。

みぃちゃんより私の方がきれいって……明らかに私を女として見ている。

それに……ツムジ君の愛情表現は何も言葉だけじゃない。


-------------------------------------


『葉君ママのお顔にクリームついてるよ、僕取ってあげるね』


 ウチで一緒にお菓子をケーキを食べている時、私の顔に付いているクリームを指で取ってそれを舐めたことがある。

これは恋人同士がよくやるスキンシップの一種でしょう?

それを無意識にやってのけるなんて……彼の愛が本物であることを示す良い証拠だわ。


-------------------------------------


『葉君ママ、なんか良い匂いするぅ』


『こらっ! ツムジ、失礼でしょ? 真理枝ちゃんごめんね』


『ううん、気にしてないわ』


 私がお気に入りの香水を付けて授業参観に来た日なんか……私の匂いを嗅ごうと足に鼻を摺り寄せてきたのよ?

みぃちゃんや葉だけでなく、クラスメイトみんなの前で……そんな大胆なことを……。


 ”葉君ママは僕のものなんだ! だから誰も手を出さないで!”


 口にこそ出さないけど、私にはわかっていた……。

彼の独占欲……そして嫉妬心を……。

なんて可愛らしい子なのかしら……。


-------------------------------------


『葉君ママ、大好き!』 


『ハハハ! そうか、ツムジ君は真理枝のことが好きか?』


『うん、いっつもお菓子をくれるし……優しくしてくれるし……僕大好き!』


 挙句の果てに……ツムジ君は堂々と大地の前で私への愛を強く語ってくれた。

大地は子供の戯言だとでも思ったのか……軽く流していたけど……それは違う。

これはツムジ君なりの宣戦布告なんだわ。

大地から私を奪い、私を幸せにするって……誓ってくれているのよ。


-------------------------------------


 もうここまで来たら、いくら鈍感な人間でも理解できるでしょう?

ツムジ君は……私を女として愛してくれている。

既婚者で子持ちの私を……文字通り親子ほど歳が違うこの私を……。

ただただ純粋に……私を想い続けてくれている……。

そして私には……彼のこの気持ちに応えてあげる義務がある。


-------------------------------------


 季節が夏へと移り変わり始めたある日……。

私は公園で友達とサッカーをする葉とツムジ君に保護者として付き添っていた。

みぃちゃんは私にツムジ君を預けて歯医者に行っている。


『真理枝ちゃんなら信用できるから』


 みぃちゃんはそう言って、大切なツムジ君を預けてくれた。

私達の間にある信頼関係というのもあるけれど……きっと彼女も、ツムジ君の”想い”に気を遣ってくれているんだと私は思う。


※※※


「2人共、水分補給は忘れちゃだめよ?」


「「はーい!」」


 気温が最高レベルにまで達する昼間となり……2人は昼食でお腹を満たしつつ、サッカーで失った水分をクーラーボックスで冷やしていたドリンクで潤した。


「ツムジ君、そろそろ行こ!」


「あっ! 僕もう少し休んでから行くよ」


「わかった! 先行って待ってるね!」


 サッカーの続きがよほどやりたかったのか……葉はサッカーボールを持って一足先にコートへと走って行った。


「ツムジ君……大丈夫?」


「うん、大丈夫。 ちょっと疲れただけだから……」


「無理しないでね……」


「うん……」


「……」


 周囲には公園に遊びに来た子供や保護者がたくさんいる……。

だけど……私達の近くには誰もいない。

つまり……これからの会話を聞かれる心配はない。


「ねぇツムジ君……ちょっといい?」


「えっ? 何?」


「ツムジ君って……私のこと好きなんだよね?」


「うん……好きだよ?」


「実はね……私もツムジ君のことが大好きなんだ……」


「そうなんだ! じゃあ僕達、好き同士だね! やったぁ!」


 私の答えを……ツムジ君は無邪気な笑顔で受け止めてくれた……。

サッカーで疲れているはずなのに……勢いよく万歳までして……。

あぁぁ……なんて愛らしいの……。


「そうだね……私達、好き同士なのよね。 じゃあ、その証を示しましょう」


「あかしを……しめす? どういうこと?」


「ねぇツムジ君……私とちょっとした”お遊び”をしない?」


「お遊び?」


「そう……とっても気持ち良くて楽しい遊び」


 遊びというのはもちろん……男女の行為のこと。

ツムジ君にそう言ってもわからないと思うから……お遊びと表現してみた。

別に表現としては間違いでも嘘でもないから……罪悪感なんてものを感じることもない。


「それ……サッカーよりも楽しいの?」


「フフフ……そうよ?

葉やママとは絶対にできない、とっても良い遊びなの……どう?」


「そうなんだ……ちょっと気になる」


 私の言葉の真意は理解できていないでしょうけど……子供ゆえの好奇心の強さからか……ツムジ君は私の誘いに乗ってくれた。


「そう……じゃあちょっと、私のお部屋に行こっか?」


「えっ? ここでやっちゃダメなの?」


「うん……そうなんだ」


 本当はラブホテルに行きたいところだけど……さすがに6歳児を連れてホテルには入れないから。


「でも葉君が……」


「それは大丈夫」


 葉を置いていくことを気にするツムジ君だったけど……葉はサッカーにしばらく熱中しているだろうし……公園には保護者がたくさんいるから何かあれば対応してくれるはず。

私は葉にツムジ君が疲れちゃったから家に送るとだけ伝え、ツムジ君と一緒にマンションへと帰った。

もちろん、帰るのは私の部屋……。

ツムジ君の部屋だと歯医者からみぃちゃんが帰ってくるリスクがあるから……。

大地は今日、遅くまで残業で帰って来ない……。

だから……安全にツムジ君と行為できるのは、自宅しかないの。


-------------------------------------


「さぁ……入って……」


「お邪魔します……」


「じゃあまず……お風呂入ろっか? サッカーして汗かいたでしょ?」


「うん……葉君ママも入るの?」


「そうよ? 私も汗かいちゃったから……」


 私は自宅にツムジ君を招き入れ、そのまま一緒にお風呂へと直行した。

ツムジ君はたまに、ウチへお泊りすることもあるから……お風呂に入ることに抵抗感や遠慮はないみたい。

とはいえ……私と一緒にお風呂に入るのはこの時が初めてなのよね。


-------------------------------------


「身体……洗ってあげるね?」


「うん……」


 さすがに恥ずかしいのか……お風呂でお互いに生まれたままの姿になると、ツムジ君の顔は紅潮し始めた。

ホント、可愛いわねぇ……。


「念入りに洗わないとね……」


 初めて見るツムジ君の裸……。

肌はすべすべでつやつや……。

細い腕に小さな体……。

そして……下半身に付いている、小さくて可愛らしい男のモノ。

大地の臭くて汚いだけのモノよりずっと良い。

これから私の体に収めるモノなんだから……ここは念入りにキレイにしないとね。


「うぅぅ……」


 まぁ……ツムジ君のモノが反応したわ。

嬉しい……年齢も年齢だから、心配だったけど……やっぱりオスなのね。

結構自信のある私の裸体を目の当たりにし、さらには大きめの胸まで押し付けているんだから……当然と言えば当然かしらね。


「葉君ママ……僕のココ……なんかヘン」


「大丈夫……全部私に任せて……」


-------------------------------------


 お風呂を出た私達は……そのまま寝室へと移動した。

普段は大地と眠る寝室で……ツムジ君とこれから行為に及ぶ。

そんな背徳感満載なシチュエーションが、私の体をさらに興奮させる。


「じゃあ……始めるね?」


「うっうん……」


 私はツムジ君の唇にそっと口づけし……そのままツムジ君と快楽の海へと溺れた……。


「ツムジ君……どう?」


「何これ?……訳わからない……何もわからない……」


 ツムジ君との初めての行為……。

大地との行為とでは絶対に味わうことのできない高揚感……愛するツムジ君と快楽を共有することで高ぶる2人の愛……。

もう何もかもが良い……。

いっそこのまま時間が止まれば良いとさえ思ってしまう……。

ツムジ君も行為の意味は理解できていなくても、きちんと感じることはできているみたい。

何度も体を重ねたいけど……6歳のツムジ君には何度も行為を続行させる体力はない。

でもこの高揚感は止まらない……。

だから私は……大地との妊活の際に服用していた興奮剤……いわゆる媚薬ってやつかな?

それを口移し感覚でツムジ君の口に押し込んだ。


「なにこれ……苦い……」


 彼にとっては苦い薬でしかないようだけど……これも2人の愛を深めるためだから……我慢してね?

そのかいあってか……ツムジ君は私が満足するまでずっと耐えてくれた。


※※※


「はぁ……はぁ……」


「……」


 行為の後……疲れ切ったツムジ君はぐったりと眠ってしまった。

フフフ……寝顔も可愛いわね。

あら……ベッドもぐちゃぐちゃ……。

でも、ツムジ君には生殖能力なんてものはないから……ベッドに付いているものはせいぜい汗くらい……。

これなら大地にバレる心配ないわね。

ツムジ君と結ばれたとはいえ……生活のために大地と離婚する訳にはいかないから。

もちろん……ツムジ君にもこのことは誰にも他言しないようにって、約束してもらっているわ。

そうでもしないと……何も知らないツムジ君はみんなに言いふらしてしまうだろうし……。

そんなの恥ずかしいじゃない?


「ツムジ君……愛してるわ」


 私は眠ったツムジ君にもう1度口づけした……。

もう気分はツムジ君の奥さんよ。


-------------------------------------


 それから私は眠っているツムジ君の汗をタオルでふき取り……元の服を着せた後、彼をリビングのベッドで寝かせた。

外はすでに日が傾き、夕暮れの赤に包まれていた。

そして良いタイミングで、みぃちゃんが歯医者から帰って来たから……ツムジ君をそのまま彼女に返した。

公園でサッカーをしていた葉も遊び疲れたと言って、1人で帰ってきてしまった。

葉には悪いことをしたけど……これもツムジ君との愛のためだもの……勘弁してね?

次話も真理枝視点です。

毎度のことですか……バカ視点は疲れますので、長引かせずにさっさと終わらせたいと思います。

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