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インベルト商会の倉庫をいっぱいにしましょう

 インベルト商会の借りた倉庫街の倉庫にやって来たチヤ一行は、顔見知りの商会員に案内されて倉庫の中に入った。


 倉庫内は2階建になっており、1階が貴族の屋敷ほど天井が高く広い空間だった。


 チヤのいつもの納品には、チヤの珍しいアイテムボックスを隠す為に、商会長のクルガー商会長か店長のケインさんが一緒に納品の確認をしてくれる。

 今回の確認者は、ケインさんだ。


 倉庫の外には一般商会員が監視がてら待っていて、ケインさんだけが倉庫内に一緒にいる。

 チヤはいつもとちょっと違う納品に緊張していた。


「それでは、納品をお願いします。いつもと大体は変わりませんが、商品を置く場所が変わりますので、その都度、指示をするので商品を出してください。

 それでは先に2階に比較的軽い荷物を置きましょうか。

 数年前に老朽化した王都の倉庫内が底抜けした事件がありましたので、念の為ですが」


 多分、建築法とかが整備されていないこの世界では、建物の強さは建てる人の力量や、建築資材の強さで決まるのだろうな。

 経験則で何となくはわかっているのだろうけど。


 「だったら王城は誰が建てたんじゃい!」という話になるが、王城を建てたのは『ドワフ族』に依頼したのだそうだ。

 その時に教えてもらった知識を元にして、増改築を繰り返しているようだ。


 公開されている情報は「王城は5階建」「離宮は3棟」と、あまり内部情報は漏らされてはいない。

 それだけ、攻めるに固い城だと言う事だ。


 ま、ドワフ族と戦争になれば終わりだろうけど。

 内部情報がバレてるし。


 それと、王都の建物は、貴族街と富裕街は3階建で、庶民は2階建だ。


 私の家も外から2階に行けるようになっているが、今現在は誰も住んでいない。

 貧民街の2階って基本的にボロくて「底が抜けそう」だから、危なくて住む人は少ない。

 比較的、新しい建物には2階にも住んでいる人はいる。


 それでも、何故なのか、貧民街にはボロ家が多い。

 それはもう、平民街と比べてみると廃墟レベルだ。

 きっと、想像だけど、王都が出来てから誰も立て直しをしていないのではないか?と、思っている。

 補修した箇所は新しく見えるけど、元の建物が古すぎるから、補修した箇所が目立つ。


 貧民街第1地区に行けば平民街と変わらない建物もあるが、第2地区、第3地区と下っていくと、だんだんと廃墟感が増してくる。


 あっ、下るって言うのは、日の当たらない場所に行くってことね。

 道は平坦だよ。

 登り下りも無い。


 ケインさんに言われるがままに、ダブルチェックして品物を潰れないようにと置いていく。

 インベルト商会が用意してくれたのか、木箱の中に商品を入れて積み上げていく。

 空間の効率使用だね。

 ケインさんが何が箱の中に入っているか分かるように紙に品名を書いて、ペタリと貼っていく。


 結構長い時間をかけて2階を商品で埋めた。


 「うわぁ……」と、これは、さすがに底が抜けるわ。

 と、思うような木箱の量だった。


「それでは1階に行きましょう。次は重い荷物ですよ」


 思わず「うへぇ」と、嫌そうな声が出てしまった。


 砂糖とかね、塩とかを売り出したのは私だけどね?大量に出すと疲れるんですわ。

 アイテムボックスを使うと、微々たるものだが魔力が減る。

 なんて言うか、私がアイテムボックスから何かを出すたびに、こまめにアイテムボックスと言う名の魔法を使っているみたい。

 だから、魔法の連続使用をしている感じなんだけど、それが疲れるんですわ。

 使った途端に魔力が回復するような速度だから今まで気がつかなかったみたい。


 倉庫内に荷物を詰めて、1棟が終わったら、私の疲弊した様子を見て、2棟目の倉庫内で休憩することになった。


 ケインさんも合わせて4人に飲みたいものを聞く。


「みんな、何が飲みたい?」


「「ショコリキサー!」」

「フラペチーノまっちゃ」


 そうなんです。

 「いろんな味があるよ?」と教えたらセーラが抹茶味にハマった。

 「まっちゃ」って言う発音が可愛くて、そのままにしてある。


 ケインさんは悩んでいたみたいだけど、護衛の2人が言った「ショコリキサー」が気になったようだ。


 「ショコリキサー」は、カカオ成分の濃いものでは無く、50%くらいの甘めの味にしてある。


 いきなり苦味のある味を出したら苦手意識がつくかもしれないからね。


 とにかく「チョコレート」には中毒性があるからね。

 あ、深刻な話しじゃないよ?無性に食べたくなるー!ってこと。


「これは!おいしいですね……冷たい」


 ケインさんが感動したように口にする。


 「この、入れ物は?」と、店の絵が書いてあるモノにも興味があるようだ。

 ペットボトルは体に悪いから返してね。


 糖分を体に入れたせいか、気持ちがリラックスしたのか回復した気がする。


 もうちょっと頑張れそうだ。


 ケインさんの方を見ると、私を見ていた。

 心配させちゃったかな?


「それでは、ここの倉庫も在庫でいっぱいにしましょうか」


 ケインさんが作業開始の合図をするので、みんな立ち上がった。

 今までどこに座ってたかって?


 木箱だよ。

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