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眩しい朝。貧民街って暗いよね

 「口の中を綺麗にしたい」と言えば、サリーさんが部屋を出た近くにある水場まで案内してくれた。


 そして、お母さんと習慣になった歯磨きをしていると、サリーさんが不思議そうな顔をして控えていた。


 それと、以前はお母さんに洗顔料や化粧水や乳液を使っていたのだけど、通販レベル6の温泉が手出てきたことで不要な長物と成り果てた。


 だって、『美肌の湯』で顔を洗えば、赤ちゃん肌って言うの?つるんつるんのぷるっぷるの肌になるからね。

 そして、約10日間は効果が持続するという代物だ。


 ……化粧水、いらないよね?


 ちなみに私もお肌のケアをしていたが、お母さん同様に、とぅるんとぅるんのもっちもっちの肌になったので、問題無し。

 もう、栄養不足の私とお母さんはいないぜ。


 私も髪の毛をお母さんにといてもらって、昨日の夕食を食べた部屋へと行くらしい。


 ……なんだか、私とお母さんの服がメイドさんの服より劣っているように見える。

 靴もメイドさんは革靴で、お母さんは合成革靴を履いているが、私はスリッポンだ。


 むむむっ、元、が取れた『貴族令嬢』のお母さんには綺麗でいてほしい。


 ドレスか!?ドレスなのか!?


 歩きスマホならぬ、歩き通販をしては危ないので我慢して、お母さん改造計画を考え始めた。


 すると、一階まで降りてすぐに昨日の食堂に着いたので、中に入ると、食前のお茶を飲んでいるおじいちゃんと伯父さんがいた。


「おはようございます、お父様、お兄様。良い朝ですね」


 こっちに気がついてくれた伯父さんが、こっちに来いと手招きしてくれる。


「おはようソフィア。よく休めたかい?」


「おはようソフィア、チヤ」


 何故か伯父さんの隣に座って、お茶を使用人?いや、お茶を専門に入れる人なんだろうな、と推測して、お礼を言ってからお茶を飲んだ。


 ……朝は一杯の健康の為に白湯を飲みたいんだけどなー。

 その日1日が元気に過ごせて、尚且つお通じがいい気がする。


 まぁ、そんな我儘は言えないので、素直に入れてもらったお茶を飲むと、ハーブティーのような味だった。

 これはこれで、体に良さそうだ。


「はい、懐かしくて心地良くて、寝過ぎてしまったくらいです」


「それは、良かった。掃除はしてもらっていたからな。だが、家具などが古くなっているだろう?遠慮なく準備するからお父様に言うんだよ?」


 いや、貧民街の物より、1万倍は良い物でした。……どこが古くなっていると言うのでしょうか?


 お母さんもころころと笑った。


「いやだわ、お父様ったら!私が死ぬまで使えそうな家具ばかりよ!」


 お母さんの感性も貧民街寄りになってしまったらしい。


 おじいちゃんはさすがに冗談だと思ったのか、お母さんと一緒に笑っている。


 伯父さんがこっそりと私に話しかけてきた。


「ぼそっ。ソフィアのアレ、本気で言ってるよな?」


「マジのマジです。本気でいってますね」


 伯父さんは「まじ?」と不思議そうに言っていました。


 若者言葉についてこれないとは、まだまだですね!


 しかし、私にも理解できない若者言葉がありました。

 なんですかね?「ぴえん」とか「あげぽよ」とかって?理解不能です。


 いつの時代も、高齢者は若者言葉についていけない生き物なのです。


 ゆったり、まったりとしていると、おばあちゃんとお姉様が食堂にやってきました。


 ……何故だか「今から社交界に行ってきます!」と言いたいような、豪奢な格好です。


 しかし、よく見ると、口紅は塗っていません。

 食後につけるのでしょうか?


 おじいちゃんが笑っておばあちゃん達に突っ込みます。


「おはよう。お前たち、久しぶりのソフィアとのお出かけで気合いが入っているな」


「ええ!もう、楽しみで、楽しみで、早く起きてしまいましたので、服だけは着て準備をしたのです。さあ、早く朝食にしましょう?」


 私は心の中でツッコミを入れます。

 いやいや!?髪の毛もばっしりと纏めているでしょ?

 化粧も口紅以外はしてるよね?

 と。


 髪の艶が凄いです。

 少し白髪混じりだったおばあちゃんの髪の毛が気にならないほどの艶です。


 お姉様も負けていません。

 意思の強いお顔が化粧で、柔和な顔になっております。

 化粧の力って、いつの時代も凄いですね。

 そして、こちらも、髪の艶を強調する髪型です。

 素晴らしいです。


 おや?何故か、お母さんの顔がひきつっています。

 どうしたのでしょうか?


「お母さん、どうしたの?体調が悪い?」


「い、いいえ、貴族って、こんな生活だったわと、再認識しているのよ。さあ、朝食を食べましょう」


 お母さんと隣り合って座ると、ホッとします。

 今のお母さんは臭いお母さんではなく、良い匂いのするお母さんです。

 理想のお母さんになって、私は鼻が高いです。


 座席は、今日はお姉様がおばあちゃんの隣に座っています。


 配膳がされ始めました。


 何故か、その中の使用人の1人が私とお母さんに敵意?嫉妬?の感情を向けているのを感じます。


 私は、私とお母さんに敵対する人を許しません。


 その人に鑑定をしてステータスを見ます。

 おや?ブルース侯爵家の使用人と書いてあります。


 とりあえず、おじいちゃんに報告です。

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