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通販スキルと時間停止アイテムボックスで生活改善!  作者: 春爛漫


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商談しましょう 6

 クルガー商会長に、結構大雑把に石鹸の説明をしていたが、最後の大詰めです!


「じゃじゃーん!最後はこの四角い石鹸です!」


「やっと最後か……」


 疲れた顔でクルガー商会長が呟いた。


「これは、とにかく大きい!石鹸の品質もいいですが、コスパが良い!」


「こすぱとは何だ?」


「外国の言葉でコストパフォーマンスです!つまり、費用対効果が優れています!」


「ほうほう」


 書き書き。


 クルガー商会長は下を向いて紙に私が話したことを書いているので、決して私を無視している訳ではありません!


「そしてこれは、顔にも体にも使えます。オリーブの成分のせいなのか、お肌が潤い、肌の水分を保ってくれます。とある人は顔のニキビが消えたそうですよ。とにかく自然派の人にはたまらない一品です」


「ほう、他の石鹸の効果を聞いた後だとこれが一番良いと言われても、何故良いのか良さが伝わらないな」


 ちょっとむっとしたので「現時点ではこれが最高級品なんですー」と言っておいた。


「むっ?現時点では?他にもまだあるのか!?」


「あるけど出せませーん!今はこれで全部でーす!」


「はあ、まぁ、いいか。悪いものが増えるわけじゃ無いし」


 クルガー商会長が紙で石鹸を包んだ後に机の上に置いた。


「それでは『預かり証』と『契約書』を書くから待っていてくれ。それと、商業ギルドで『最低品質』と言っていた石鹸を3つ出してくれるか?今日は3つだけ買い取りたい。在庫はあるか?」


 おっ、お買い上げだ!


「あるよ!ほい、3つ」


 ペイッペイッと、アイテムボックスから机の上に出す。


「ありがたい。……もしかして、あと複数在庫があるか?」


「あるよー」


「うーん。じゃあ後2つ追加してくれ」


「はーい」


 固形石鹸5個で3万円の儲けなり〜!


 乗り合い馬車のお金を心配をする必要は無かったね!


 ◇◇◇


「これが預かり証な。といれっとぺーぱーほるだーとといれっとぺーぱー3つの預かり証だ。内容が良ければサインしてくれ」


「はーい。ふんふん、んー……トイレットペーパー3つは試供品として提供するよ。あと、トイレットペーパーホルダーは買ってね。返さないでね」


「そうか?なら修正しよう」


 クルガー商会長が書き書きと修正する。


 『トイレットペーパーホルダー』(自立式)はタダであげないのか?って?


 ノンノンノン!値段が高かったのだからお金を出してもらわないと納得できません!現金を使って買ったのですよ!?


 ま、まぁ、今後お金をいっぱい儲けたら、次からは新しい商品を『試供品』として1個は無料にしても良いとは思いますが、今は貧乏な貧民街住まいです。

 お金は大切にしなければいけません。


「よし!書き直したから、読んだ後にサインをくれ。2枚あるのはチヤ君と僕の為の2枚だからな?」


「はーい。読みまーす」


 ふむ……問題は無いです。


 名前は、ち、や、っと。

 ちゃちゃっと名前を書きます。


 ……今更ですが、私の名前は短いですね。

 書きやすいのでいいですが。


 クルガー商会長にサインした紙を渡します。


 クルガー商会長も「うん」と頷いて、1枚を私に渡してくれます。


「これは商業ギルドが発行している『預かり証』の紙だから、僕が「紙を無くした」と惚けた時は商業ギルドに持って行くと店に調査が入って、事実だとわかれば返金される仕組みだ。無くすなよ?」


「はい」


 そんなにお金のかかっている紙には見えませんでした。

 ちょっと質が悪いですし……。


「それでは魔法契約書だ!これに書かれた内容は守らなくてはなりませんよという契約書だ。納品の期限が記載されていなかったり、永久的に納品するような事が買いてあったり、納品出来なければ莫大な違約金を払うなどと書いてあったら要注意だから同意してサインするなよ?まあ、怪しい魔法契約書にサインしなければいい。理解したか?」


「はい。契約内容は言葉の裏まで推測しないといけないのですね?」


「そう言う事だ。じゃあ契約書を読んでサインしてくれ。これも2枚な?もし、1枚だけしか魔法契約書を出されなかった時も注意しろよ?お前の分の控えが無いって事だがら、騙されるかもしれないからな?」


「はい。注意します」


 クルガー商会長はとっても親切で誠実だ。

 良い人に出会えて良かった。


 ふむふむふむーー。

 子供の私にもわかりやすく噛み砕いて文字を書いてくれていますね。

 クルガー商会長は頭も良いのでしょう。


 サインを、2つ、と。


 すると、魔法契約書の全文が光りながら浮き上がって、紙に染み込むように光が消えていきました。


 えっ!凄い!魔法だよね!?今の!!


 クルガー商会長はイタズラっ子のような顔をして驚いている私を見ていた。


「これは魔法契約をした2人がお互いに特別なインクを使って破棄をしない限り有効な契約書だ。どっちかが死ねば契約は無効になる安心設計だから、もしチヤ君が死んで、僕が君のお母さんに石鹸の納品を迫っても当然無効だ。安心したか?工房なんかだと、作っていた職人が死ねば新しい人と魔法契約をし直す場合がある。まあ、頭の片隅に覚えておけ」


 やっぱりクルガー商会長は親切だなぁ。

 良い人だ。


「それと、10日間程は石鹸の使用感と危険性がないか、貰った石鹸を家族で使ってみるから、次は10日後くらいに店に来てくれ。それから大量発注する可能性があるから、少し石鹸を作るとか作業をしておいてくれ。

 まあ、僕の目が狂ってなければこの国で作られている石鹸で1番良い物だからな」


 おお!とうとう、販売が近づいてきましたな!


 もう、期待で心臓が飛び出しそうです!


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