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通販スキルと時間停止アイテムボックスで生活改善!  作者: 春爛漫


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市場調査の帰り

 う、うう……。

 肩が痛いよぅ。


 ズキンズキンと左肩が痛いので、半袖をまくって見てみると、赤くなっていて心なしか腫れているように見える。


 チヤは前世の仕事の教訓を思い出す。


 慌てない、興奮しない、急がない、キチンとダブルチェック。


 薬剤師は結構忙しいのだ。

 だが、仕事のミスは許されない。

 それだけ間違って薬を処方してしまったら、下手したら老人や子供は命に関わってしまうし、普通の血圧の人に血圧を下げる薬を渡してしまったら、超低血圧になって緊急搬送ものになってしまう。

 狭心症の薬なんて飲むだけで有害だし、1人で確認しないで最低でも2人で確認したっけなぁ。


 (子供の体って不便だ……)


 でも、見たい所は大体見れた。


 新品でも生地の薄い物なら安価で提供出来そうだし、古着屋には柄物も結構あったけど、そういう物は値段が高かったので貧民街では基本的に無地の服を出せばいいだろう。


 平民街もいろんな匂いがしたけれど、貧民街の匂いとはまた違ったなぁ。


 貧民街は風呂には絶対に入らないし、体を拭くのもきっと水だし、頭はみんな脂ギッシュだから、そこも平民街の方が清潔だったなぁ。


 あっ!石鹸の値段を確認するのを忘れていた!

 私がこんなに綺麗になったから、きっと貧民街の誰かから聞かれるはず。


 あー、失敗したー。

 知らないうちに気分が高揚していたのだろう。


 でも、貧民街は子沢山で、余計に貧乏な事が多い。


 あれだね、昔の日本だね。

 娯楽が無いから夜の娯楽にハマっちゃって、避妊もしないから子供がポコポコと産まれてくる。

負の循環だね。


 でも、子供が成長してダンジョンに入れるようになったら、貧民街の中でも裕福な部類に入るからメリットはある。

 子供が成功して平民街に移住したってのも聞いたことあるな。

 しかし、悪い事は「人が死にやすい」事だ。

 満足な装備も無く、戦闘の経験も無い人がいきなりダンジョンにに入って生きて帰って来れる確率ってどれくらいかは、大体分かるだろう。

 だから臆病な人や冒険者に適正の無い人は、荷物運びや壁の修繕や新しい壁作りの人夫になって安い賃金で働き、貧民街から出られない。


 それと、世知辛いけど、元兵士や元冒険者の人が働けなくなったり酷い怪我をしたり、教会の治療費を払えない人は貧民街に流れてきて、自然と同業者が様子を見に行くという巡回が出来ているけど、健康な人に比べて生きづらいから、自殺、と、言うのか……餓死、を選択する人もいるらしい。


 今まで家族の為に働いてきて、怪我をして働けないから面倒見ませんは、辛いよねぇ。

 シビアな世の中だ。


 だから、世に言う「世捨て人」なんかもいる。

 ステラおばさんの時みたいに、お母さんが病気の時に対価を払う約束をして食事を作りに来てもらい、洗濯もしてもらい、稼いだお金を消費する人だ。

 そういう人は第1地区に住んでいると聞いた。

 第3地区よりは平民街に近い分、裕福(貧民街の中で)な人が多いらしい。


 闇市も第1地区、第2地区、第3地区で取り扱う品物の品質が違うようだ。


 まあ、第3地区がゴミ一歩手前の物を捨値で売っているという側面もあるらしい。

 (井戸端会議には色んな情報が集まる。しかし、前世の記憶が無かった私は知識を活かしきれなかった)

 普通の幼児は辛いよ。


 まあ、収穫は塩の値段と麦の品種だね。


 実は異世界あるあるで、麦は統一品種とかあるでしょ?

 ノンノンノン!ですよ!

 貧民街で食べている物は、ほぼ捨値の中で麦だけ物が良い、なんて事はあるわけない!

 なんかね、貧民街で食べている麦は超自然素材!体には良いけど、人の手が収穫と脱穀しか入ってない野生種だったのだ!

 あれだね、大昔の農民が食べているものと同じくくりだね。

 あ、ちなみに、貧民街の人が農家になる事は出来る。

 国も食料自給率を上げたいからね。

 衛兵さんに相談すると農村に紹介してくれるらしい。

 農村としては若い人は大歓迎だから、ウェルカムのようだ。


 そして、貧民街の麦はダンジョン第1階層に雑草として生えているので、ゴブリンの足のように「小遣い稼ぎでちょっとくら」と若い冒険者の人が持って帰ってくるようだ。(穀物屋のおばさん談)

 いや、安くて栄養価の高い物を食べられるから生きてこれたけど、ちょっと酷くね?とは思った。


 あー、長い道のりだわ。

 考え事してないと暇が潰せない。


 そうだ!闇市第3地区を見てから帰ろうっと。


 ◇◇◇


 確か、ダン達子供と冷やかしに来た事がある。

 その時は貧民街の店主、と言ってもいいのだろうか?販売主から追い払われた記憶があり何となく覚えていたのだ。


 食品衛生法?

 無い無い。

 あの時は「食べ物がいっぱいあって凄ーい!」と思ったけど、今考えるとヤバい環境下で食料品を売っている。


 多分、防水の敷布を広げてから、その上に肉なんかを直置きだ。

 ……食中毒が発生するぞ。


 そんな中でも1番売れるとステラおばさんに聞いたのが「薪」だ。

 何でも、冒険者を引退した貧民街の人達が力を合わせて毎日ダンジョン1階層で協力して貧民街の為に持って来てくれるらしい。

 平民街で薪を使っている人にも卸している方が儲かるみたいだけど、みんなからありがたがられている職種のようだ。


 ステラおばさんも「毎日すごいありがたいよ」と溢していた。

 ふふっ、貧民街のヒーローだね!


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― 新着の感想 ―
肩を脱臼かなんかしているのだから、うろうろせずに早く家に帰れと思いました。
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